マクロスF 見た気になれる「マザーズ・ララバイ」 / あまるけいいち
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第14話 「 マザーズ・ララバイ 」
挿入歌
「 アイモ 」
words : Gabriela Robin
music&arrangement : 菅野よう子
vocal : ランシェ・メイ = 坂本真綾
ランカ・リー = 中島愛
■ 起動したディメイション・イーター。 「 えっ なんなの? 一体 」 それはシェリル・ノームの眼前で 惑星ガリア4を飲み込んでいく。
「 ヤック・デカルチャー! 」 一瞬にして全滅する 第33海兵部隊。
「 星が 飲み込まれていく…。 」 唖然とする早乙女アルト。
そして ガリア4に遺されたマクロス級から飛び立った バジュラの大群は次々とフォールドに入る。 「 うぉぉおお!! 」 ミハエル・ブランはメサイアの手を伸ばし、バジュラと共にフォールドしていくのであった。
「 こんなところで 死ねるか〜! 」 スロットルをフルバーストにし、迫りくる まがまがしきフォールド断層から逃げるアルト。 「 ぐっ! 行っけぇ〜!! 」
「 … はぁ、はぁ、はぁ、何なんだよ これ…。 」 間一髪でディメイション・イーターの魔の手から逃れたアルトが振り返ると、そこには半分近くが ごっそりと持っていかれた惑星の姿が…
「 何なんだよ! これは〜!! 」
■ 「 えっ!? 」 は、はい… いや大丈夫デス。 時間には必ず来ますヨ。 ええ! 絶対ですっテ! 」 いよいよ開演が近づいてきた、ランカ・リーファーストライブ。 その会場である 天空門ホールではエルモ・クリダニク社長が いまだ行方が分からないランカを心配しつつも、その対応に追われていた。
「 はぁ〜。 信じてますヨ、ランカさん。 今日がフロンティアの… いや 全銀河の歴史が変わる日になるって…。 」
フロンティアの街は ランカの立体ビジョンであふれかえっていた。 それを 松浦ナナセは心配そうな顔で見つめていた。 そんなナナセを呼ぶ声がする。
「 ナナセさん! 」 ナナセが声がした方を向くと、緑色の車の後部座席の窓から ルカ・アンジェローニが顔を出していた。
「 ルカ君。 」
「 ちょっと、お話 いいですか? 」
街を見下ろすカフェ。 ランカのデビューを一緒に祝ったカフェで、ルカはナナセに ランカが行方不明になったことについて説明をしていた。
「 じゃあ、ランカさんたちとは…。 」
「 でも、ミシェル先輩は 絶対に間に合ったはずなんです。 ですから…。 あっ…。 」 心配そうな眼で 見つめ返してくるナナセの視線に、ルカは言葉が途切れてしまう。「 … きっと、大丈夫です。 きっと…。 」
■ ランカの兄、オズマ・リーも同じく、いやそれ以上に苦しい心境で 愛機 VF-25S を見つめながら ランカのことを思っていた。 ランカが ガリア4に行くと言ったあの時のことを思い返し…。
『 待てランカ! 自分がどれほどムチャをやろうとしているか 分かってるのか!? 』
『 お兄ちゃん よく言ってたよね。 後悔するくらいなら 当たって砕け散れって…。 私、行きたい。 行かないと、伝えないと きっと後悔する。 だから…。 』
つかむオズマの手をほどく、ランカの目は 強い意志を物語っていた。
「 いつの間にか 一丁前の女の目をするようになりやがって…。 」
「 知らなかったの? 」 いつの間にか背後に現れた ボビー・マルゴは、指で頬を撫でながら オズマに話しかける。 「 女の子は ある日突然、女になるのよ。 」
「 お前に言われてもなぁ…。 」
「 覚悟はしてたんでしょ? あの子を引き取ったときから いつかはこういう日が来るかも、って。 」
「 覚悟、か…。 そうだな…。 」
「 ホント、男って面倒くさいわよね。 」
「 ふっ…。 お前に言われてもなぁ…。 」
■ 「 えっ? じゃあ キャシー中尉とオズマ少佐って つきあってたんですか? 」
「 ふふっ… 昔の話だけどね。 」
クォーターのブリッジでは オペレーター3人娘と キャサリン・グラスがランチを囲み、井戸端会議を開催していた。
「 何? モニカ知らなかったの? 遅れてるぅ〜。 」
「 その言い方も古いです ミーナ先輩。 」
「 こら! 」
「 はははは! 」
「 でも、ボビー大尉の思いの人って オズマ少佐じゃ…。 」 とモニカ・ラングは相変わらず 真面目な口調で疑問を口にする。
「 えっ! そうなの? 」 激しく驚くキャシー。
「 大尉なら… 『 私はいいの。 オズマはノンケだし、あくまで心の恋人。 見返りを求めるような 幼い愛なんて もうとっくに卒業してるのよ〜 』 だって。 」 と身振り手振りを加えながら ボビーを演じ切るミーナ・ローシャン。
「 うん、うん。 深いです。 」 と隣でラム・ホアも なぜか深く共感する。
しかし 委員長タイプのモニカには それは共感できないらしい。
「 私はやっぱり好きな人には 自分のこと好きになってほしいけどなぁ。 」 と誰かを思うかのようにうっとりとする。
そこに キャシーから鋭い 突っ込みが入る。
「 なら、とっとと 告白しちゃえば? 艦長、奥さんを亡くして もう随分になるでしょ。 寂しい盛りよ、きっと。 」
「 なっ! … どうして? 」
「 ふふふふっ、ははははっ 」 大いにうける ミーナとラム。
「 気づいてないのは 艦長だけですぅ。 」
「 私が なんに気づいてないって? 」 と噂をすれば影、そんなブリッジにジェフリー・ワイルダー艦長が入ってきた。
「 かっ 艦長! 」 思わず立ち上がり、顔を赤らめながら 艦長を出迎えるモニカ。
しかし 艦長はそんな雰囲気には全く気付かない。 皆が囲むランチを見つけ、「 1つ もらってもいいかな? 」 と進み寄る。
「 ど、どうぞ! 私が作ったんです。 」
「 ほう。 」 と たくさんのおかずが詰まったお弁当箱の中から、たこさんウインナーをチョイスする艦長。
「 ど、どうですか? 」
「 う〜ん、君は いい奥さんになるなぁ。 」 とモニカの気持ちを知ってか知らずか、たこさんウインナーひとつに 大きな言葉を吐く艦長。
それを聞いたモニカは 「 えぇ! 」 とさらに顔を赤くし、照れてしまうのであった。
そこに警報が響き渡る。 ウィーンョーン、ウィーンョーン、ウィーンョーン! レーダーに続々と出現する敵影。
「 何? これ。 」 即座に索敵へと戻ったモニカが 驚きの声を上げる。
「 どうした? 」
「 正面宙域に 多数のデフォールド反応を確認! 」
それは ガリア4からフォールドしてきた バジュラ母艦の大群であった。
■ ナナセがグラスを置くと、テーブルには きれいな波紋のエフェクトが拡がった。
「 今日はありがとう。 また 何か分かったら 連絡ください。 」
「 ナナセさん! あ、あの…。 実は僕!…。 」 と思いきったような表情で 何かを告げようとするルカ。 しかしそこに警報が鳴り響く。
『 マクロス・フロンティア行政府よりお知らせします。 全艦に避難警報が発令されました。 』
■ 「 数は現在計測中ですが、続々と増えています。 空母級も複数。 まさに大群です。 」
バジュラの大群による フロンティア襲撃。 それはもちろんハワード・グラス大統領のもとにも 即座に連絡された。
「 なぜ、今、こんな場所で…。 」
「 連中はフォールド通信波で 互いの位置を確認する習性があります。 それに引き寄せられたのかもしれません。 」 とレオン・三島は大統領の疑問に返答した。
バジュラの襲撃に備え、レドームの殻を閉じるアイランド1。 そして 追続の艦も次々と防御シャッターを閉鎖する。
アイランド1の民衆は慌て戸惑い、逃げ惑う。
■ 我先に と非難を始めるフロンティアの街。 そこには ルカとナナセもいた。
「 ルカ君も行くの? 」
「 はい。 」
「 でも、早乙女君も ミシェル君もいないのに、ルカ君一人じゃ…。 」
「 ええっ! 」 ナナセの言葉に愕然とするルカ。 だがルカは覚悟を決めたように ナナセに向き直る。
「 帰ってきたら、お話したいことがあります。 」
「 ルカ君!? 」
「 くっ! 」 とナナセの元を走り去り、SMSへと向かうルカ。
『 あなたは絶対、僕が守りますから! 』 とルカは心の中で叫ぶのであった。
■ 新統合軍内部はあわただしく、VF-171 は次々と発進準備に取り掛かっていた。
一方 S.M.Sでも迎撃の態勢が整いつつあった。
「 遅れました。 モニカ 敵の布陣は? 」 と操舵士ボビーもブリッジに到着。
「 空母級を後方中心に置きつつ、魚鱗の陣で全身してきます。 」
「 いいか諸君。 正に背水の陣だ。 防衛線の内側に一匹たりとも通してはならん! 全艦トランスフォーメーション! 」
艦長の指令により 戦闘態勢に入る各機。 そしてトランスフォーメーションに入るマクロスクォーター。
額のバンダナを締め直し、ボビーの舵でマクロスクォーターが 強襲型へと姿を変える。
「 遅れるな! ネネ、ララミア! 」
「 はい! 」 クラン・クラン大尉の檄の元、ピクシー小隊の クァドラン・レアが前線に立つ。
ラビット1 ケーニッヒモンスター シャトルモードには カナリア・ベルシュタインの姿が。 そして そのコクピットには一枚の写真が飾られていた。 幼き子供を抱く女性。
その写真を見つめカナリアはつぶやく。 「 行ってくる。 エディ。 」
アルトとミシェルを欠いた スカル小隊。 隊長機 VF-25S の後ろには、3機のゴーストを従えたルカ機 RVF-25 がレドームをゆっくり回転させながらその時を待っていた。
「 僕だって… 僕だって…。 」 決意に満ちるルカの元に オズマからの一斉通信が入る。
「 スカルリーダーより各機! 攻撃開始! 」
「 行け〜っ! シモン、ヨハネ、ペテロ! 」
そして始まる総攻撃。 無数の青い光の筋が宇宙を染める。 その光が行き着いた先で巻き上がる爆発光。
■ 半分近くが飲み込まれてしまった 惑星ガリア4。 その宙域を飛ぶ機体 VF-25F。
「 フロンティアに向かったのか…。 ミシェル…、シェリル…。 お前たちの残してくれた力、受け取ったよ。 」
メサイアにドッキングされる 新型のフォールドブースター。
フロンティアに向かうアルトの心に テムジンの言葉が蘇る。
『 覚えておけ… 宇宙は二種類の生き物が生きられるほど広くは… 』
「 そうだな… ああ、そうだとも。 」 アルトは決意する。
「 待ってろよランカ! 」 一気に加速するアルトは そのままフォールドの海へと突入した。
■ 「 ダイヤモンドリーダーより各機へ。 敵防衛ラインを抜くぞ! 」
「 了解! 」 猛然とバジュラの群れへと突進していく 新統合軍の VF-171部隊。
「 いつまでも同じ手が通じると思うなよ! この、虫けらども!! 」
ファイターからガォーク、そしてバトロイドへと巧みに形態を変え、バジュラを圧倒する VF-171。
そして バトロイドが握った右手は淡く光り、渾身の ピンポイントバリアパンチ が炸裂する。
■ ドゥォン!… ドゥォン!…。 戦闘の始まった宙域に 気を失ったシェリルの姿があった。
「 うっ… ううっ… ここは? 」 気を取り戻したシェリルが目にしたものは 激しい戦闘の光であった。 「 あぁ… フロンティア! 」
シェリルとミシェルを乗せた VF-25G はバジュラ母艦に取りついたまま、フロンティア宙域へとデフォールドしていたのであった。
「 ねぇ、ミシェルしっかりして! ミシェル! 」
「 うぅ…。 」 意識を失ったミシェルのヘルメットは 血に染まっていた。
「 ミシェル! 」
■ 「 グレイオス轟沈! 第18中隊、壊滅状態です。 エルム7応答してください。 エルム7! 」
新統合軍の作戦司令室内では、大戦闘の様子を まざまざとレーダーに映し出していた。
「 戦況は? 」 ハワード大統領も前線司令室へと足を運んできた。
「 閣下! 現状はほぼ互角。 新統合憲章の特例事項を適用し 反応兵器の許可をいただければ乗り切れるかと…。 」
「 あぁ… 全面戦争をしろというのか…。 」
反応兵器の使用に 二の足を踏むハワード大統領に 三島が耳元で促す。
「 大統領、ご決断を。 」
「 くっ…。 」
■ 震える手でコントロールレバーを握るシェリル。
「 授業を、思いだして…。 大丈夫。 やれるわよ、私は! 」
スロットルを入れるシェリルに反応し 機体はグラリと揺れる。
「 くっ! 私はシェリルよ! 」
♪ もってけー
バジュラ母艦の壁部に当たりながらも 宇宙へと脱出するシェリルが操縦する VF-25G。
「きゃぁ〜〜〜!!」
回転しながら宙域へと放り出されたシェリルへと襲いかかるバジュラ。
それをいち早くルカが発見する。 「 あっ。 スカル2? ミシェル先輩? 」 ルカがコントロールパネルを高速で入力し、情報を収集する。
『 うわぁぁ〜 ああぁ〜っ!! 』 そしてつながった通信からは シェリルの声が。
「 はっ! シェリルさん!? うっ… まずい! 」
スカル2を 3体のバジュラが取り囲む様子が ルカ機のモニタに映し出される。 バーニアを吹かし駆けつけるルカ。
「 うわぁっ! くぅっ…。 負けるもんかっ! 」 と叫ぶシェリルの声もむなしく、VF-25G は上方よりの攻撃が機体に次々と直撃する。
” EMERGENCY EJECT ” シェリルとミシェルを宇宙に放り出した後、激しく爆発する VF-25G。
単身宇宙に放り出されたシェリルを さらにバジュラが取り囲む。
「 くっ! 」 ルカがシェリルを助けるため間に割って入るが、構えたポッドは無残に撃ち落とされてしまう。
「 うわぁぁっ! 」 矛先をルカ機に向けるバジュラ。 「 ああ…。 ナナセさん…。 」 目を伏せるルカ。
しかし 次の刹那、バジュラが大きな音を立て爆発する。 そして同じく 残りの2体も何者かの攻撃を受け撃沈。
「 はっ!? 」 驚くシェリルとルカが見上げた先には、VF-25F アルト機の雄姿があった。
アルトが撃ちだす追尾ミサイルは 次々とバジュラを仕留めていく。 宇宙を悠然と駆け回るアルトは フォールドパックを脱ぎ棄て、シェリルたちの元へと舞い降りる。
「 スカル4!? アルト先輩? 」
「 アルト! 」
■ フォールドの海の中に ランカを乗せたバジュラ空母はいた。
バジュラクィーンの座する間に閉じ込められたランカは 不安に包まれていた。
「 帰りたいよ…。 」 思い出されるフロンティアでの楽しい日常。 そしてアルトの姿。
「 みんなの… 所に…。 」
そんなランカに バジュラクシーンは接触を試みてきた。 赤く光る触手を ランカの捕えられたカプセルへと伸ばしてくるクィーン。
「 ああっ! きゃあ〜! 」 怖れるランカは突如として 裸のまま宇宙空間を漂うような状態となる。
「 えっ? フロンティア? 」
■ 「 無事でよかった、シェリル。 」 その掌にシェリルを掴んだ VF-25Fは、クォーターへと向かっていた。
「 ええ。 振り落とされそうになったけど、なんとかね…。 」 バルキリーの手に抱かれながら アルトとの再会を喜ぶシェリル。
そして その横ではルカ機に救出されたミシェルが 同様にクォーターに向かっていた。
「 ランカは? 」 アルトはおそるおそるシェリルに問う。
「 あっ…。 ごめんなさい…。 」
「 うっ…。 うそだろ…。 」
無事にクォーターへと着艦したアルトたち。 しかしその時、超大型のバジュラ空母艦がデフォールドしてきた。
■ 「 フロンティア後方 6−4にデフォールド反応多数確認! 」
「 高エネルギー反応! 攻撃、来ます!! 」
「 くっ…。 リパルシブ・フォールド最大!! 」
全方位バリアを展開するアイランド1。 そこに後方から現れた バジュラの主力艦隊からの攻撃が放たれる。
大型のビーム爆撃はリパシブル・フォールドをものともせず、アイランド1の居住区を襲撃する。
「 アイランド1に直撃! 環境維持システム最大! 最優先モード。 」
「 うわぁ〜! 」 レドームに空いた穴へと吸い込まれていく人々。
「 ひどい! 」 「 くっ…。 」 とっさのことで対処が出来なかったクォーター上のSMSクルーたちは ただその惨状を見つめることしかできなかった。
アルトも同様にその惨劇を見つめていたが、モニタに映った空母艦の姿に気づく。
「 ん? あの艦、まさか…ランカの!? 」
■ 「 陽動作戦? 」
「 バカな! 脳すら持たないような 下等生物の分際で! 」 突如として湧き出た主力艦隊に ハワード大統領は怒りを隠しきれない。
しかしその様子を見つめていた三島は 冷静に進言するのであった。
「 あの艦です。 バジュラとは思えないほど組織だった攻撃。 ならば、指令を出している者がいるはずです。 違いますか? 」
作戦司令室に大きく映し出される ランカが捕えられているバジュラ空母艦。
「 確証はあるのか? 」 そう訊く大統領に対し、深くうなずく三島。
三島の確信を得て 大統領は決意する。
「 やむをえん。 全軍に反応弾の使用許可を。 マクロスクォーターに回線をつなげ! 」
即座に搬送準備に取り掛かる 反応兵器庫。
大統領からの通信を受け、ジェフリー艦長の指令が飛ぶ。
「 デルタ1より S.M.S全部隊に告ぐ。 プレジデントオーダーだ。 これより我々は 後方に現れた敵主力部隊に総攻撃を掛ける。 目標敵超大型空母! 」
180°回頭するマクロスクォーター。
そのオーダーに対し、アルトが即座に異をとなえる。
「 待ってくれ! ヤツの中にはランカがいる!! オレに救出の許可を! 」
「 ランカちゃんが!? 」
「 艦長! 」
その問題に対する艦長の決断は早かった。
「 アルト准尉。 アーマードパックならびに 反応弾の使用を許可する。 ただし、こちらの攻撃の手は緩めん。 力を見せろ! 」
「 了解! 」 最敬礼で艦長の配慮に応えるアルト。 そして機体には即座に反応弾とアーマードパックが装備される。
「 アルト。 」 そこにシェリルが体を宙に泳がせ、コクピットへと近づいてきた。
「 絶対 無事に帰って来るのよ。 死なないって約束して。 」
「 ありがとうシェリル。 必ずランカを連れて戻ってくる。 必ず…。 」
「 あっ…。 」
シェリルの思いが 閉じていくキャノピーに遮られる。
「 アルト…。 」 シェリルが見つめる中、アーマードパックを装着した VF-25F はゆっくりと機首をまわし出撃の態勢に入る。
■ 出撃するアルト。 その横にスカルリーダーのオズマが並ぶ。
「 スカル1よりスカル4へ。 事情はあとで聞く。 ランカに万一のことがあったら、オレは貴様をぶっ殺すぞ! 」
そう話すオズマに反論するでもなく、アルトは ただただ決意に満ちた目で ランカの元へと加速するのであった。
「 デルタ1より各機へ。 10-12より敵機、多数接近! 」
「 アタ〜〜ック!! 」 アルトの叫びが こだまする。
そして撃ちだされた 4発の反応弾はゆっくりと弧を描き、バジュラの群れへと向かっていく。
ドォーーーン!!!!
炸裂した反応弾は 周囲のバジュラ群を蒸発させる。 その爆発をくぐり抜け アルトは突き進む。
■ 反応弾の爆発光は ランカの眼下に広がっていた。
「 やめて… もうやめてよ、こんなこと…。 」 ランカは体を縮め、その惨状に恐怖を感じていた。
そんなランカを 唯一の過去の思い出である歌 ” アイモ ” がやさしく包むように奏でられた。
「 あっ…。 」 ランカが見上げると、そこに母 ランシェ・メイの姿が。
「 伝えたいの…。 」
「 えっ? 」
「 私たちは… あなたたちに。 」
♪ 空を舞う ひばりはなみだ ルーレイ ルレイア
「 あっ、この歌…。 」
♪ おまえはやさし みどりの子
そして ランカは母の歌声に合わせ、歌い始める。
♪ アイモ アイモ ネーデル ルーシェ
♪ ノイナ ミリア エンデル プロテア フォトミ
そのランカの歌声に合わせるかのように揺らぐ、紫の輝石を核にもつ微生物体。そしてその輝きは ランカの腹部を輝かせる。
♪ ここはあったかな海だよ
■ バジュラの砲撃はアルトと共に前線を行く、灰色のクァドラン・レアを直撃する。
「 ああ〜! 」 悲痛な叫びと共に 途絶える通信。
「 ララミア! 」 クランは振り返り叫ぶ。
「 あっ…。 」 アルトの目の前で散る生命。 バジュラとの遭遇がアルトの生き方を一変させた。 ギリアムの死、襲撃された街、さらわれたランカ、そして自らの手で生命を奪ったテムジン。
「 うおお〜〜〜!! 」 アルトの眼はたぎり、叫びは力となり メサイアはランカの元へと加速する。
♪ ルーレイ ルレイア 空を舞う ひばりはなみだ
ランカの歌声を聞きつけた バジュラは攻撃の手を止め、歌声の主を探すかのように 辺りを見回す。
「 くたばれ、バジュラども〜〜!! 」 アルトの怒りを乗せた 無数のミサイルはバジュラに向け放たれる。
♪ ルーレイ ルレイア おまえはやさし みどりの子
青い軌跡を描き バジュラの生命を次々と奪い去る アルトの銃弾。
♪ アイモ アイモ ネーデル ルーシェ
アルトは目に入るバジュラすべてに向かい 次々と銃弾を浴びせかける。
♪ ノイナ ミリア エンデル プロテア フォトミ
アルトの鬼人のごとし戦いに オズマすら目を見張る。 「 あっ、あいつ…。 」
「 先輩…。 」 ルカもアルトの戦いに見とれてしまう。 しかしその隙が バジュラの直撃を許してしまうことに。
「 うわぁ〜! ぐあっ! 」 RVF-25 は鈍い音をたて、煙を噴き上げながら 後方へと弾き飛ばされてしまう。
■ ♪ ここはあったかな海だよ
「 あっ… この歌…。 」 ブレラ・スターンもランカの歌声を耳にする。 そして辺りを見渡すと、ブレラには ランカが放つ青い輝きが見えた。
「 ランカ〜〜っ!! 」 ついにランカが捕えられている超大型空母艦へとたどり着いたアルトは 壁面に向かい一斉射撃を放つ。
激しく爆発し 空母艦の壁面に穴が穿たれる。 使用したコンテナをパージし その穴へと向かうアルト。 しかしそこに 後方より急速に接近するものがあった。
「 邪魔だ、どけ! 」 VF-27を駆るブレラは すれ違いざまにそう言い残し、先にアルトが穿った穴へと進入する。
「 貴様! 」 ブレラを追うように 空母艦の内部に突入するアルト
そしてブレラは 先にランカのいるバジュラクィーンの間に到達する。 ランカを包んだカプセルに向かい ビームダガーを構えるブレラ。
そして振り下ろされた一閃は カプセルを台座から切り離し、ランカを宙に浮かせる。
ランカの入ったカプセルを 胸に抱えるブレラ。
そこにアルトもミサイルを放ちながら現れる。
「 アルト君! 」 ブレラ機の手の中で ランカはアルトを見つける。
全砲門をバジュラクィーンへと向けるアルト。
「 この、化け物めっ! 」
「 ダメ〜〜! 」 母へと照準を定めるアルトに向かい 必死に叫ぶランカ。
だがランカの叫びは アルトに届かなかった。
「 くらえ〜〜!! 」 放たれる全砲弾。 その全弾はバジュラクィーンへ命中。
バジュラクィーンは激しく爆発し、その爆風は 全てを排除するかのように アルトを宇宙空間に放り出す。
そして同じく爆風の中を飛翔するブレラ。 そしてブレラは脱出と同時に回線を開く。
「 マクロス・ギャラクシー、アンタレス小隊所属 ブレラ・スターン少佐より フロンティア全軍に告げる。 敵母艦内より人質は救出した。 これよりフロンティア船団を援護する。 」
「 ギャラクシーの生き残り!? 」
「 本当なのか? 」 驚く大統領らの背後で 三島は不敵な笑みを浮かべるのであった。
■ 「 敵艦隊、連携低下。 何か混乱しているようです。 」 指揮官であるバジュラクィーンを失った群れの動揺は モニカのレーダーにもはっきりと映し出されていた。
「 混乱? 」 「 艦長! 」
好機を逃さんとばかり、ジェフリー艦長の指令が飛ぶ。
「 マクロスキャノン、撃て〜!! 」
” 重量子反応砲 ” マクロスクォーターのキャノンが火を噴く。 その砲火は真っ直ぐに大型空母艦へと向かい、それを大爆発に追いやった。
■ 「 バジュラの陣形、完全に崩れました。 個々に敗走を始めています! 」
「 直ちに追撃戦だ! 一匹残らず殲滅しろ〜! 」 新統合軍の作戦司令室からの檄が飛ぶ。
「 逃がすかよ! この虫どもが〜! 」 逃げるバジュラを執拗に追いかける フロンティアの戦士たち。 放たれる反応弾は 残存のバジュラを焼き払っていく。
「 うぉぉぉおお! 」 そしてアルトもまた、バジュラを殲滅するために 闘志をたぎらせていた。
ランカはその様子をなすすべもなく、ただ見つめるしかなかった。
■ カプセル状のベッドに横たわり、全身を機械にコネクトした女性。 グレイス・オコナーはフロンティアの戦闘を見終わったかのように 静かに目を開ける。
『 まさか、この娘が… リトルクィーンとは… 』
■ 「 うっ、ううっ…。 」 涙があふれだすランカ。
それに気づいたブレラは問う。 「 なぜ… 泣く? 」
「 分からない、分からないよ… どうして…。 」 涙があふれでるランカの腹部は 悲しい輝きを放っていた。
フロンティア船団の進む宙域では 未だ生命の散る光が瞬いていた。
「 ピンポイントバリア〜 パァ〜ンチッ! 」 ドッカ〜ン! ブワッ、クルッ、ボワッ! ( ← 敵が爆発後、後ろに下がりながらファイターへとモードチェンジして飛び立つ効果音 ) やるじゃないか! ダイアモンド小隊とやら! かっこいいじゃないか VF-171! 見直したぞ!
それにしても ルカに助けられてるミシェル… 首ある? 「 ガクッ 」 ってしてるだけか…
いよいよ物語が 一挙に加速する様相を見せてきましたね。 母 ランシェ・メイ、、、髪型が明らかにシェリルなのだが…。 ラン シェ = ランカ + シェリルってこと?
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2008年7月15日(火) at 21:11
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