1日遅れとなりましたが、これは以前少々一方的なエントリを書いてしまっていましたので、お詫びを兼ねて採り上げておかなければなりません。
かれこれ1年5ヶ月前の昨年6月30日、こちらのエントリ にした事件。羽賀研二氏と渡辺二郎氏が逮捕されたケースで、知人に4億円の借金があった羽賀氏が、未公開株をその男性に購入価格より遙かに高い価額であるにもかかわらずその価額が購入価額であったかのように装って譲渡する話を持ちかけ、それにより生じた金銭トラブルについて渡辺氏を介入させてその男性を脅し、1000万円を支払うことで男性が羽賀氏に対して有していた残りの債権を放棄させる文書に署名させたということで、羽賀氏に詐欺、両者に恐喝未遂の容疑がかけられていました。
一部、こちらの記事 の判決要旨から引用しますと、まず、前提となる詐欺の成立に関しては、
(記事引用)
知人男性の供述は、株式譲渡契約書等の客観証拠と整合しており、一定の信用性はあるが、他方、羽賀被告の供述も、その供述の視点から株式譲渡契約書等を検
討すると、その記載内容とは基本的に矛盾しないものとなっている。これに、羽賀被告が1株40万円で同社株を入手していた事実を知っていたことをうかがわ
せる知人男性の言動が存在したとする証人(羽賀被告の知人の男性歯科医)の供述を加味すると、知人男性の供述に全幅の信頼を置くことはできず、知人男性が
述べるような詐欺の文言を羽賀被告が発したものと認めるにはなお合理的な疑いが残る。
(引用ここまで)
とありますから、証拠から見て100%シロとまで言える状況ではないものの、刑事裁判では被告を有罪にできない程度の「合理的な疑い」が残ったということで、このあたりは実際の調書なしにどうこうは言いにくいですが、羽賀被告の知人が証人として行った供述の内容がかなり効いたのではないかと思われます。
で、詐欺の成立が認められない、となると、詐欺により発生した金銭の交付が無効であるという主張が成立しなくなってしまうので、恐喝の前提となる債権がそもそも存在しないということになってしまいます。
また、渡辺被告の恐喝容疑についても、本件にさらに介在している2人の男性の言動について、
(記事引用)
Bは、知人男性から要請を受けて交渉に臨みながらその態度を一変させ、羽賀被告が5億円を支払うことで話がまとまったかのような虚言まで弄して知人男性を
ホテルに呼び出し、ホテル内では自ら知人男性を脅して1000万円を受領させ、その中から375万円を取得しているのであって、このようなBの行動傾向も
併せ考えると、Bが本件恐喝への渡辺被告の関与の度合いを殊更に増幅して供述している可能性も否定できない。また、Aも1000万円の中から250万円を
受領しており、その供述の問題点はBにおけるのと同様である。
(引用ここまで)
と指摘し、渡辺氏の言動自体は認めたものの、恐喝の共謀意思を否定しています。
印象としては、証拠の評価から客観的に見てかなりきわどい事件だったのではないかと思われます。しかし結審後に新たな証人が弁護側から申請され、弁論再開が認められた結果がこの判決になっていると言っても過言ではありませんから、検察による詰めの甘さというのも指摘されるべきところではないか、という気がします。検察官控訴があるのかどうかはわかりませんが、被告自身も驚くほど一発逆転のような感じで無罪へと展開したようなこの事件、微妙ですが再度有罪に、というのは難しそうに見えます。
このような事件は、何の経緯もないところから勝手に湧いてくるとは思われません。派手な色のついたお金のあるところ、賑やかにお金の回りそうなところにはいろいろと怪しげな人がついてくるものでしょうし、羽賀氏も周辺に集まる人には十分に注意されるべきかと。
エントリの書き方にも改めて気をつけます。
http://krimshow.blog56.fc2.com/blog-entry-1048.html
http://tetorayade.exblog.jp/9956087/
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