ダイエット考 / A, traveling
HOME > 医療のハナシ
”病院で処方してもらえる痩せ薬があるって聞いたんですけど”
年に何人か、若い女性がそう言って外来にやってきます。
ネットで調べてもらったらすぐにヒットしますが
(でも怪しいサイトに飛ぶことも多いので注意!)
マジントールという名前の食欲を抑える向精神薬です。
過食症などで異常に肥満(100kg以上とか!!)した
患者さんに対してあくまで一時的に使う薬です。
もともとは覚せい剤使用中には食欲が落ちることから開発された
アンフェタミン(覚せい剤の成分)類の化合物です。
ほら、怖いでしょう??
こんなもん、あっさり処方する医者ははっきり言ってダメダメです。
なのに、ちょっとぽっちゃりしてるだけの女の子が
”○○クリニックで三ヶ月に一度90日分処方してもらってる”
とか
”○○という雑誌にお医者さんが出してくれる薬だから
安心って書いてあったから出して欲しい”
などと言ってくるので、びっくりするやら、おそろしいやら。
もう断言します。
単独の食品や薬で出来るなんつーダイエットはすべて邪道!!
ともかく痩せるには地道に in(摂取カロリー)を減らすか
out(消費カロリー)を増やすか、それしかありません。
そう、貯金とおんなじ。
効果はすぐには現われません。
薬で痩せようなんてのは、怪しい投資とか儲け話に手を出すのと同じです。
そして、痩せるときはもちろん空腹感があって苦しい。
当たり前です。
身体は恒常性というものがあって、現状維持という力がものすごく強い。
つまり痩せている人は多少食べ過ぎても太らないし
太っている人は少しくらい運動してもすぐには痩せないのです。
そして変化するときは身体は異変と感じますので
もとに戻ろうとして<苦しいサイン>を出すのです。
お腹が空いて苦しい、と思ったら<この瞬間、痩せて行ってるんだ>と
自分を励まそうよ!とよく患者さんに言います。
そして、一旦痩せて半年それを維持したら今度はその体重が
その人にとってニュートラルな状態になるので、
少しくらい多めに食べても太らない体質になるよ、とも。
そして、今日も”あれ?太った?”とか
”おお、いい感じに痩せてるね”とか
普通の知り合いに面と向かって言われたらかなり嫌なことを
明る〜く、メタボな患者さんには挨拶代わりに軽くジャブ。
そう。売れてる芸能人が綺麗になっていくように
誰かにチェックされたり誉められたりということが
案外いい薬になるかもしれないです。
もちろん、そんなことですべてうまく行くわけではないけれど
ちょっとくらいは励ましになっていたらいいなと願いつつ。
年に何人か、若い女性がそう言って外来にやってきます。
ネットで調べてもらったらすぐにヒットしますが
(でも怪しいサイトに飛ぶことも多いので注意!)
マジントールという名前の食欲を抑える向精神薬です。
過食症などで異常に肥満(100kg以上とか!!)した
患者さんに対してあくまで一時的に使う薬です。
もともとは覚せい剤使用中には食欲が落ちることから開発された
アンフェタミン(覚せい剤の成分)類の化合物です。
ほら、怖いでしょう??
こんなもん、あっさり処方する医者ははっきり言ってダメダメです。
なのに、ちょっとぽっちゃりしてるだけの女の子が
”○○クリニックで三ヶ月に一度90日分処方してもらってる”
とか
”○○という雑誌にお医者さんが出してくれる薬だから
安心って書いてあったから出して欲しい”
などと言ってくるので、びっくりするやら、おそろしいやら。
もう断言します。
単独の食品や薬で出来るなんつーダイエットはすべて邪道!!
ともかく痩せるには地道に in(摂取カロリー)を減らすか
out(消費カロリー)を増やすか、それしかありません。
そう、貯金とおんなじ。
効果はすぐには現われません。
薬で痩せようなんてのは、怪しい投資とか儲け話に手を出すのと同じです。
そして、痩せるときはもちろん空腹感があって苦しい。
当たり前です。
身体は恒常性というものがあって、現状維持という力がものすごく強い。
つまり痩せている人は多少食べ過ぎても太らないし
太っている人は少しくらい運動してもすぐには痩せないのです。
そして変化するときは身体は異変と感じますので
もとに戻ろうとして<苦しいサイン>を出すのです。
お腹が空いて苦しい、と思ったら<この瞬間、痩せて行ってるんだ>と
自分を励まそうよ!とよく患者さんに言います。
そして、一旦痩せて半年それを維持したら今度はその体重が
その人にとってニュートラルな状態になるので、
少しくらい多めに食べても太らない体質になるよ、とも。
そして、今日も”あれ?太った?”とか
”おお、いい感じに痩せてるね”とか
普通の知り合いに面と向かって言われたらかなり嫌なことを
明る〜く、メタボな患者さんには挨拶代わりに軽くジャブ。
そう。売れてる芸能人が綺麗になっていくように
誰かにチェックされたり誉められたりということが
案外いい薬になるかもしれないです。
もちろん、そんなことですべてうまく行くわけではないけれど
ちょっとくらいは励ましになっていたらいいなと願いつつ。
2008年7月8日(火) at 09:45
エコと現代医療は相容れない / A, traveling
HOME > 医療のハナシ
やってますね、洞爺湖サミット。
先進国がいかにええ思いをし続けるかという会議のように
思えてならない、でも何もしないよりマシなのか。
医療現場にいると途方もなく環境破壊しまくっているので
片腹痛い日々です。
毎日の診療にて後ろめたいと思っているアンチエコなことをつらつらと。
<節電面から>
患者さんが快適なようにエアコンを入れる(私自身は冷房が苦手だが)。
28℃なんかでは、気分悪い人がさらに調子悪くなるので設定は26℃。
それにエアコン入れながら(除湿しながら)加湿器つけるってどうよ!?
レントゲンの電源。
入れてから立ち上がるのに10分以上かかるので
撮影する人がいなくても朝から電源を入れっぱなし。
でないと、患者さんを待たせることになってしまう由。
昼間でも、自然光が入る場所でも、ブラインドして蛍光灯入れっぱなし。
<ゴミ減量の面から>
点滴・注射針・注射器、当然使い捨て
(これは衛生上当たり前なので何の後ろめたさもありませんが)。
数年前からは採血の時に使用するパーツ
(本来、血液が付着しないはずの器具)も再使用すると
”肝炎の感染の可能性が否定できない”ということで
これまた使い捨て。
<森林資源保護の面から>
これも数年前からだが診療内容が明確な大判の領収書を発行し、
同じものの控えを5年間保存することが義務付けられたので
領収書だけでこれまでの倍の紙が必要になった。
2010年には診療報酬の請求のオンライン化義務付け。
これで紙のレセプト(診療報酬を請求するための書類)が
減って、ようやく環境にいいように思われるが、
実はカルテとの突合せにいったん紙のレセプトを
印刷する必要があるので、結局二度手間で意味なし。
余談ですがオンライン請求用の独立したパソコンと回線を要するので
専用のパソコンを一台別に用意する必要あり。
どうでもいいような書類、薬のカタログ、多すぎ!
あっという間に紙ゴミで机の上が一杯になる。
etc.etc.
でもまあ、本当に真剣に二酸化炭素排出を低下させたければ
文字どおりconvenient=快適さ(コンビニの語源)と縁を切らねば。
もともと医療はグローバルな意味でサービス業。
サービスを受ける側(患者さんね)にとっては
エコってえのは、経費節減=サービス・快適度低下につながるので
誰も納得しませんわな。
そう、サービス業とエコは決して相容れないのよね。
せめてもの罪滅ぼしに自宅では節電・節水・ゴミの分別を心がける日々です。
焼け石に水?
それより、海外旅行やら車やらネットやらを控えろと言われそうやな〜。
まあ自己矛盾と二面性があってこそ、人間也。
先進国がいかにええ思いをし続けるかという会議のように
思えてならない、でも何もしないよりマシなのか。
医療現場にいると途方もなく環境破壊しまくっているので
片腹痛い日々です。
毎日の診療にて後ろめたいと思っているアンチエコなことをつらつらと。
<節電面から>
患者さんが快適なようにエアコンを入れる(私自身は冷房が苦手だが)。
28℃なんかでは、気分悪い人がさらに調子悪くなるので設定は26℃。
それにエアコン入れながら(除湿しながら)加湿器つけるってどうよ!?
レントゲンの電源。
入れてから立ち上がるのに10分以上かかるので
撮影する人がいなくても朝から電源を入れっぱなし。
でないと、患者さんを待たせることになってしまう由。
昼間でも、自然光が入る場所でも、ブラインドして蛍光灯入れっぱなし。
<ゴミ減量の面から>
点滴・注射針・注射器、当然使い捨て
(これは衛生上当たり前なので何の後ろめたさもありませんが)。
数年前からは採血の時に使用するパーツ
(本来、血液が付着しないはずの器具)も再使用すると
”肝炎の感染の可能性が否定できない”ということで
これまた使い捨て。
<森林資源保護の面から>
これも数年前からだが診療内容が明確な大判の領収書を発行し、
同じものの控えを5年間保存することが義務付けられたので
領収書だけでこれまでの倍の紙が必要になった。
2010年には診療報酬の請求のオンライン化義務付け。
これで紙のレセプト(診療報酬を請求するための書類)が
減って、ようやく環境にいいように思われるが、
実はカルテとの突合せにいったん紙のレセプトを
印刷する必要があるので、結局二度手間で意味なし。
余談ですがオンライン請求用の独立したパソコンと回線を要するので
専用のパソコンを一台別に用意する必要あり。
どうでもいいような書類、薬のカタログ、多すぎ!
あっという間に紙ゴミで机の上が一杯になる。
etc.etc.
でもまあ、本当に真剣に二酸化炭素排出を低下させたければ
文字どおりconvenient=快適さ(コンビニの語源)と縁を切らねば。
もともと医療はグローバルな意味でサービス業。
サービスを受ける側(患者さんね)にとっては
エコってえのは、経費節減=サービス・快適度低下につながるので
誰も納得しませんわな。
そう、サービス業とエコは決して相容れないのよね。
せめてもの罪滅ぼしに自宅では節電・節水・ゴミの分別を心がける日々です。
焼け石に水?
それより、海外旅行やら車やらネットやらを控えろと言われそうやな〜。
まあ自己矛盾と二面性があってこそ、人間也。
2008年7月7日(月) at 17:46
老眼鏡のお年頃 / A, traveling
HOME > 医療のハナシ
先日、知人に借りたコミック(”神の雫”)を読んでいると
なんか、右目の焦点が合わなくて酔っ払ったみたいに気持ち悪い。
普段、仕事中や、普通の本・雑誌などを読んでいるときには
それほど目が疲れるようなこともなかったのだが
コミックだと一巻読むだけでくらくらしてしまってダメ。
昔は一晩で10巻くらい一気読みだったのになあ・・・。
で、渋々眼科を受診する。
診断は案の定、ズバリ 老眼 +乱視でありました。
どうやら、今の眼鏡の度からすると左眼のほうが近視が強くなっていて
遠くを見るときには右眼を、近くを見るときには左眼を使っているらしい。
私はもともと酷い近眼である。
あれ?近眼だったら老眼ってなりにくいんじゃないの?と
思われそう。
ちっちっちっ。違うんだな〜。
老眼は近眼の人にも同等にしっかり起こる現象なんです。
もともと人間の眼はある程度遠くを見るように出来たもので
正常な眼は自然にリラックスしているとかなり遠くに焦点を結びます。
で、近くを見るときにはレンズを無理に分厚くして調節しているのです。
近視の場合は、そのレンズが分厚くなりっぱなし、
もしくは眼球の長軸が長くなってしまい、
遠くのものに焦点が合わなくなっているのです
(遠視はこの逆)。
つまり近眼の人の目にとって”自然なリラックスした状態”というのは
正常の人より近くを見ている状態ということになります。
さて、老眼というのは、老化によりレンズの分厚くする力
(近くを見るために調節する力)が落ちる現象です。
ということはもともと正常な視力を誇っていた人は
遠くを見るのが一番目に負担がかからない状態なわけですから
近くを見るのに苦労をすることになります。
逆に近眼の人はそれよりは近くを見るのに苦労はしない。
というわけで、レンズの調節能力自体は差が無くても
近眼のほうが近くをみる場合には自覚症状は出にくくなるかもしれません。
ただ、これは近くを見るときには眼鏡が要らない程度の軽い近眼の人の場合。
わたしのようなド近眼で本を読むのにも眼鏡がないと見えない人間
(裸眼だと10cmくらいに本を近づけないと読めない)だと
結局は遠くを見るための度の強い眼鏡と
近くを見るための度の緩い眼鏡が必要になってきてしまうわけなのでした。
それで遠近両用眼鏡というものがあるわけですね。
ああ、しんど。
それにしても何故、コミックを読むことが一番につらくなったのか。
私の場合は左右の度が違ってしまうために
活字だけを追う本なんかだったら字からの情報というのは
近眼の強い左眼だけでも問題ないのが
コミックや雑誌などの絵と活字の混在の場合は
絵の部分を見るたびに無意識に両眼視しようとするために
結果的には両目とも疲れてしまったようです。
同じような理由で新聞なんかも症状が出やすい気がする。
どっちにしても眼鏡人生からは逃れられそうにないですね・・・(涙)。
ま、ぐだぐだ言ってもしょうがない。
さっそく眼鏡の処方箋を持って老眼鏡を作りに行きました。
と言っても普段かけている眼鏡の度を緩くしただけなので
健常の人からしたらただの近眼用眼鏡です。
度が緩いんで必然的にレンズが薄くなるので
憧れていた細いフレームにしてみる。
色も遊び心を出して赤にしちゃいました。
いつでもどんなときでも楽しんじゃう懲りない性格!
赤い靴ならぬ老眼鏡
なんか、右目の焦点が合わなくて酔っ払ったみたいに気持ち悪い。
普段、仕事中や、普通の本・雑誌などを読んでいるときには
それほど目が疲れるようなこともなかったのだが
コミックだと一巻読むだけでくらくらしてしまってダメ。
昔は一晩で10巻くらい一気読みだったのになあ・・・。
で、渋々眼科を受診する。
診断は案の定、ズバリ 老眼 +乱視でありました。
どうやら、今の眼鏡の度からすると左眼のほうが近視が強くなっていて
遠くを見るときには右眼を、近くを見るときには左眼を使っているらしい。
私はもともと酷い近眼である。
あれ?近眼だったら老眼ってなりにくいんじゃないの?と
思われそう。
ちっちっちっ。違うんだな〜。
老眼は近眼の人にも同等にしっかり起こる現象なんです。
もともと人間の眼はある程度遠くを見るように出来たもので
正常な眼は自然にリラックスしているとかなり遠くに焦点を結びます。
で、近くを見るときにはレンズを無理に分厚くして調節しているのです。
近視の場合は、そのレンズが分厚くなりっぱなし、
もしくは眼球の長軸が長くなってしまい、
遠くのものに焦点が合わなくなっているのです
(遠視はこの逆)。
つまり近眼の人の目にとって”自然なリラックスした状態”というのは
正常の人より近くを見ている状態ということになります。
さて、老眼というのは、老化によりレンズの分厚くする力
(近くを見るために調節する力)が落ちる現象です。
ということはもともと正常な視力を誇っていた人は
遠くを見るのが一番目に負担がかからない状態なわけですから
近くを見るのに苦労をすることになります。
逆に近眼の人はそれよりは近くを見るのに苦労はしない。
というわけで、レンズの調節能力自体は差が無くても
近眼のほうが近くをみる場合には自覚症状は出にくくなるかもしれません。
ただ、これは近くを見るときには眼鏡が要らない程度の軽い近眼の人の場合。
わたしのようなド近眼で本を読むのにも眼鏡がないと見えない人間
(裸眼だと10cmくらいに本を近づけないと読めない)だと
結局は遠くを見るための度の強い眼鏡と
近くを見るための度の緩い眼鏡が必要になってきてしまうわけなのでした。
それで遠近両用眼鏡というものがあるわけですね。
ああ、しんど。
それにしても何故、コミックを読むことが一番につらくなったのか。
私の場合は左右の度が違ってしまうために
活字だけを追う本なんかだったら字からの情報というのは
近眼の強い左眼だけでも問題ないのが
コミックや雑誌などの絵と活字の混在の場合は
絵の部分を見るたびに無意識に両眼視しようとするために
結果的には両目とも疲れてしまったようです。
同じような理由で新聞なんかも症状が出やすい気がする。
どっちにしても眼鏡人生からは逃れられそうにないですね・・・(涙)。
ま、ぐだぐだ言ってもしょうがない。
さっそく眼鏡の処方箋を持って老眼鏡を作りに行きました。
と言っても普段かけている眼鏡の度を緩くしただけなので
健常の人からしたらただの近眼用眼鏡です。
度が緩いんで必然的にレンズが薄くなるので
憧れていた細いフレームにしてみる。
色も遊び心を出して赤にしちゃいました。
いつでもどんなときでも楽しんじゃう懲りない性格!
赤い靴ならぬ老眼鏡
2008年7月4日(金) at 07:49
魚料理にご用心 / A, traveling
HOME > 医療のハナシ
前回、家族でフレンチを食べにいったことをうれしがって書きました。
実はこれには、ちと後日談(というか当日談)が・・・。
メインに選んだ鱸料理。
おしゃべりしながら一口食べたとき。
いたたた・・・。
喉に骨が引っかかってしまいました。
かなりの痛みがあるため、無理に飲み込まずに
洗面所でうがいをしましたが、まったく取れず。
それどころか結構な出血です。
こりゃ〜、しっかり刺さっちゃったな。
和食で魚を食べるときには注意して食べる習慣がありますが
洋食で切り身だったこともあり、油断していました。
水を飲むのも痛くて気分が悪くなってきてしまったので
メインはほとんど残して、デザートももちろんパス。
デザートの記載がなかったのはこのためっす(涙)。
ホテルの近く(宝塚)には残念ながら
夜に耳鼻科を診てくれる場所がなかったため
神戸市の急病診療所(文末参照下さい)へ駆け込んで
刺さった骨を取ってもらいました。
1.5cmくらいの骨がしっかり扁桃腺に突き刺さっていたらしい。
どうりで痛いはずだよ・・・。
メインもパンもデザートも残して診療所へ行ったので
ほっとしたらお腹が空いてしまって
帰ってトーストにオニオングラタンスープを作って食べたのでした。
なんとも、間抜けなお祝いの夜。
さて、喉に魚の骨が引っかかったとき。
よく言われるのが、”ごはんを噛まずに飲み込んだらとれる”
というやつです。
これ、小骨だったらいいですけど、
鯛とか鱸のようなしっかりした骨の場合は却って危険。
むしろ深く刺さって取れにくくなってしまうこともあります。
一番いいのは、咽頭反射(うえ〜っとするやつね)と
思いっきりうがいすることです。
違和感のある場所が扁桃腺に近い部位くらいだったら
まだいいんですけど、食道に達してしまっていたら案外取れにくいのと
深く刺さってしまって炎症を起こしてしまうこともあるので
痛みが喉というより、胸に近い部位の場合は迷わず病院へ。
それに太い骨を無理矢理飲み込んでしまうと
消化器のほかの部位に刺さる危険も。
実際私の経験した患者さんで、鯛の骨が盲腸にささって
一ヶ月後くらいにお腹に膿がたまって手術したということもありました。
また、痛みがあっても単にキズが残っているだけで
骨は取れているということもありますが、鑑別法としては
1)飲み込むと痛みがあるが、その強さが変わる
(骨の刺さり具合が変わるときに痛みますので)
2)外から喉を押してみると痛む
3)うがいをすると出血が続く
などかな?
まあ、偉そうに書いてますが、夜間急病診療所では
借りてきた猫のように、おとなし〜く、小さくなっておりました。
耳鼻科の先生や看護師さんたちは、しょうもない患者の私にも優しくて
神様のように見えたわ〜。
夜の病院って、もちろんおっかないイメージもあるけれど
温かいような頼もしいような、妙な安心感があるのでした。
有人の灯台の光のように、
誰かがそこにいて、嵐から守ってくれるというような。
それとも今は当直をしない生活をしている私にしてみたら、
若い頃を過ごした懐かしい場所に帰ったような感覚かも。
神戸市医師会急病診療所
電話番号 078−341−2313
各科、下記の時間受け付けてもらえます。
毎日 21時〜23時40分
内科・小児科
休日 9時〜16時40分
眼科・耳鼻科・産婦人科
土曜 21時〜23時40分(休日・年末年始除く)
耳鼻科・産婦人科
※この急病診療所は神戸市医師会に在籍している
開業医の先生がたがご自分の診療所の仕事のあとで
みなさん持ち回りで夜や休みの日の日中に診療しているものです。
ちょっと医師会の広報みたいですね、すいません。
実はこれには、ちと後日談(というか当日談)が・・・。
メインに選んだ鱸料理。
おしゃべりしながら一口食べたとき。
いたたた・・・。
喉に骨が引っかかってしまいました。
かなりの痛みがあるため、無理に飲み込まずに
洗面所でうがいをしましたが、まったく取れず。
それどころか結構な出血です。
こりゃ〜、しっかり刺さっちゃったな。
和食で魚を食べるときには注意して食べる習慣がありますが
洋食で切り身だったこともあり、油断していました。
水を飲むのも痛くて気分が悪くなってきてしまったので
メインはほとんど残して、デザートももちろんパス。
デザートの記載がなかったのはこのためっす(涙)。
ホテルの近く(宝塚)には残念ながら
夜に耳鼻科を診てくれる場所がなかったため
神戸市の急病診療所(文末参照下さい)へ駆け込んで
刺さった骨を取ってもらいました。
1.5cmくらいの骨がしっかり扁桃腺に突き刺さっていたらしい。
どうりで痛いはずだよ・・・。
メインもパンもデザートも残して診療所へ行ったので
ほっとしたらお腹が空いてしまって
帰ってトーストにオニオングラタンスープを作って食べたのでした。
なんとも、間抜けなお祝いの夜。
さて、喉に魚の骨が引っかかったとき。
よく言われるのが、”ごはんを噛まずに飲み込んだらとれる”
というやつです。
これ、小骨だったらいいですけど、
鯛とか鱸のようなしっかりした骨の場合は却って危険。
むしろ深く刺さって取れにくくなってしまうこともあります。
一番いいのは、咽頭反射(うえ〜っとするやつね)と
思いっきりうがいすることです。
違和感のある場所が扁桃腺に近い部位くらいだったら
まだいいんですけど、食道に達してしまっていたら案外取れにくいのと
深く刺さってしまって炎症を起こしてしまうこともあるので
痛みが喉というより、胸に近い部位の場合は迷わず病院へ。
それに太い骨を無理矢理飲み込んでしまうと
消化器のほかの部位に刺さる危険も。
実際私の経験した患者さんで、鯛の骨が盲腸にささって
一ヶ月後くらいにお腹に膿がたまって手術したということもありました。
また、痛みがあっても単にキズが残っているだけで
骨は取れているということもありますが、鑑別法としては
1)飲み込むと痛みがあるが、その強さが変わる
(骨の刺さり具合が変わるときに痛みますので)
2)外から喉を押してみると痛む
3)うがいをすると出血が続く
などかな?
まあ、偉そうに書いてますが、夜間急病診療所では
借りてきた猫のように、おとなし〜く、小さくなっておりました。
耳鼻科の先生や看護師さんたちは、しょうもない患者の私にも優しくて
神様のように見えたわ〜。
夜の病院って、もちろんおっかないイメージもあるけれど
温かいような頼もしいような、妙な安心感があるのでした。
有人の灯台の光のように、
誰かがそこにいて、嵐から守ってくれるというような。
それとも今は当直をしない生活をしている私にしてみたら、
若い頃を過ごした懐かしい場所に帰ったような感覚かも。
神戸市医師会急病診療所
電話番号 078−341−2313
各科、下記の時間受け付けてもらえます。
毎日 21時〜23時40分
内科・小児科
休日 9時〜16時40分
眼科・耳鼻科・産婦人科
土曜 21時〜23時40分(休日・年末年始除く)
耳鼻科・産婦人科
※この急病診療所は神戸市医師会に在籍している
開業医の先生がたがご自分の診療所の仕事のあとで
みなさん持ち回りで夜や休みの日の日中に診療しているものです。
ちょっと医師会の広報みたいですね、すいません。
2008年6月25日(水) at 08:50
チャドクガと母(subtitle;困った患者さん) / A, traveling
HOME > 医療のハナシ
朝、惰眠をむさぼっていると実家から電話が。
”首筋に痛痒い湿疹が出来てる、どうしたらいいか”と。
皮膚科へ行くように言っても
”まあ、いいから薬だけ頂戴”と。
しょうがないので、車を飛ばして見に行く。
おそらく今の季節に多い、チャドクガの幼虫の毛による
皮疹だろうと思ってステロイドの塗り薬と抗ヒスタミン剤を持参して。
で、案の定だったので薬の説明をして仕事に行った。
翌朝、またまた電話が。
”薬塗ったら余計に酷くなった。違う薬が欲しい”と。
もうそれなら絶対に皮膚科にいきなさい、と言うと
”今日はこれから友達と会う約束があるからいけない”と。
でも強固に説き伏せて皮膚科へ行かせました。
ほっといたら全身に広がるよ、と脅して。
で、結局、診断は私と同じで薬も全く同じものをもらったと。
ああ、もう。
恥ずかしながら、悪い患者さんの典型です。
1)まず、”薬だけくれ”、というのが一番いけない。
時々、受付で前に出した風邪薬だけくれ、と大騒ぎする人がいるが
説き伏せて診察すると同じ薬ではダメなことも多い。
第一、処方するときには話を聞くことが絶対必要です。
2)いったん出された薬を一度飲んで症状がよくならない、
もしくは少し悪くなったときに、すぐ薬のせいにする。
もとの疾患が悪くなったという発想がないのだ。
で、必要な治療を放棄してしまう。
風邪薬を二度ほど飲んだだけで、
”よくならないから薬を飲まなかったら咳がひどくなってきた”
と言って一週間後に受診した人がいたが、
一日でよくなると思ったら三日分の薬は処方しないのです。
ちゃんと薬飲んでね。
3)症状が悪くなっているのに、予定を変えて病院に行くのを嫌がる。
40度の熱でふらふらなのに、車の免許の更新が・・・とか
ディズニーランドに行くから・・・とか。
もう命がけですやん。
病気って突然の不幸と同じくらい大切で避けがたいことなんだけどな。
まあ、少々愚痴めいたことばかり書いてしまいましたが
母がやられたチャドクガ。
これ、よくテレビなんかでもやってますが
本当に酷い皮疹になります。
庭仕事する人はご用心、ご用心。
ともかくものすごく痒くなるので発症したら
間違えようもありませんが、予防が一番です。
椿の葉の裏なんかによく潜んでいるので
庭へ出るときにはしっかり長袖・首にはタオル・手袋で。
そして、大切なのが毛虫を発見したらむやみに払ったりしないこと。
抜けた毛が皮膚につくことで発症しますので
静かにそ〜っと枝ごと処理することをお奨めします。
”首筋に痛痒い湿疹が出来てる、どうしたらいいか”と。
皮膚科へ行くように言っても
”まあ、いいから薬だけ頂戴”と。
しょうがないので、車を飛ばして見に行く。
おそらく今の季節に多い、チャドクガの幼虫の毛による
皮疹だろうと思ってステロイドの塗り薬と抗ヒスタミン剤を持参して。
で、案の定だったので薬の説明をして仕事に行った。
翌朝、またまた電話が。
”薬塗ったら余計に酷くなった。違う薬が欲しい”と。
もうそれなら絶対に皮膚科にいきなさい、と言うと
”今日はこれから友達と会う約束があるからいけない”と。
でも強固に説き伏せて皮膚科へ行かせました。
ほっといたら全身に広がるよ、と脅して。
で、結局、診断は私と同じで薬も全く同じものをもらったと。
ああ、もう。
恥ずかしながら、悪い患者さんの典型です。
1)まず、”薬だけくれ”、というのが一番いけない。
時々、受付で前に出した風邪薬だけくれ、と大騒ぎする人がいるが
説き伏せて診察すると同じ薬ではダメなことも多い。
第一、処方するときには話を聞くことが絶対必要です。
2)いったん出された薬を一度飲んで症状がよくならない、
もしくは少し悪くなったときに、すぐ薬のせいにする。
もとの疾患が悪くなったという発想がないのだ。
で、必要な治療を放棄してしまう。
風邪薬を二度ほど飲んだだけで、
”よくならないから薬を飲まなかったら咳がひどくなってきた”
と言って一週間後に受診した人がいたが、
一日でよくなると思ったら三日分の薬は処方しないのです。
ちゃんと薬飲んでね。
3)症状が悪くなっているのに、予定を変えて病院に行くのを嫌がる。
40度の熱でふらふらなのに、車の免許の更新が・・・とか
ディズニーランドに行くから・・・とか。
もう命がけですやん。
病気って突然の不幸と同じくらい大切で避けがたいことなんだけどな。
まあ、少々愚痴めいたことばかり書いてしまいましたが
母がやられたチャドクガ。
これ、よくテレビなんかでもやってますが
本当に酷い皮疹になります。
庭仕事する人はご用心、ご用心。
ともかくものすごく痒くなるので発症したら
間違えようもありませんが、予防が一番です。
椿の葉の裏なんかによく潜んでいるので
庭へ出るときにはしっかり長袖・首にはタオル・手袋で。
そして、大切なのが毛虫を発見したらむやみに払ったりしないこと。
抜けた毛が皮膚につくことで発症しますので
静かにそ〜っと枝ごと処理することをお奨めします。
2008年6月17日(火) at 20:28
二日前のお弁当 / A, traveling
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梅雨から夏に移っていくこの季節。
一泊旅行に持って行こうと土曜の朝に早起きして作ったお弁当。
なのに、うっかり台所のテーブルに置き忘れて出かけてしまった。
帰宅したのは日曜の深夜。
月曜の朝起きて、うらめしい気持ちでそのお弁当を見つめる・・・。
もったいないですね。
でもやっぱり食べずに捨てますよね。
普通の感覚だったらそうなんだけど。
今週、ニュースで報道されている三重の整形外科の点滴による
敗血症の事件。
当初、”朝に看護師がまとめて作ったものを点滴した”と
言う報道を聞いたときは、正直”そんなんよくある話やん”
と思ってしまった。
というのも入院患者さんの点滴は朝にまとめて薬剤師が調合して
1〜3時間のあいだに使われることになるから。
その時間で敗血症になるくらいの菌が増殖するなんて
どれだけ不潔な調合が行われていたんだろう、と訝しんだのだ。
けれどあとから出てきた事実を聞いたら、そらあかんわ!と思った。
なんと作り置きして余った点滴は常温保存して
翌診療日に使用していたとのこと。
土曜日に作って余ったら月曜日に点滴していたと言うではないか!
想像しただけで気持ち悪いです。
で、冒頭のお弁当のたとえ話になったというわけ
(厳密にはもっと性質が悪いわけだが)。
どんなに忙しくても二日前のお弁当は食べたらダメ!という
普通の感覚を失くさないようにしたいな、と思いましたです。
一泊旅行に持って行こうと土曜の朝に早起きして作ったお弁当。
なのに、うっかり台所のテーブルに置き忘れて出かけてしまった。
帰宅したのは日曜の深夜。
月曜の朝起きて、うらめしい気持ちでそのお弁当を見つめる・・・。
もったいないですね。
でもやっぱり食べずに捨てますよね。
普通の感覚だったらそうなんだけど。
今週、ニュースで報道されている三重の整形外科の点滴による
敗血症の事件。
当初、”朝に看護師がまとめて作ったものを点滴した”と
言う報道を聞いたときは、正直”そんなんよくある話やん”
と思ってしまった。
というのも入院患者さんの点滴は朝にまとめて薬剤師が調合して
1〜3時間のあいだに使われることになるから。
その時間で敗血症になるくらいの菌が増殖するなんて
どれだけ不潔な調合が行われていたんだろう、と訝しんだのだ。
けれどあとから出てきた事実を聞いたら、そらあかんわ!と思った。
なんと作り置きして余った点滴は常温保存して
翌診療日に使用していたとのこと。
土曜日に作って余ったら月曜日に点滴していたと言うではないか!
想像しただけで気持ち悪いです。
で、冒頭のお弁当のたとえ話になったというわけ
(厳密にはもっと性質が悪いわけだが)。
どんなに忙しくても二日前のお弁当は食べたらダメ!という
普通の感覚を失くさないようにしたいな、と思いましたです。
2008年6月13日(金) at 17:16
本当に起こる怖いハナシ / A, traveling
HOME > 医療のハナシ
前回、近所の76歳の男性が結果的に何も治療してもらえず
お亡くなりになったことを述べました。
さて、後期高齢者終末期相談支援料というものが
今回の後期高齢者医療制度から新設されたのをご存知でしょか。
これは、
医師が後期高齢者(75歳以上)で終末期にある患者さんと
終末医療や延命治療についての合意書を交わせば
保険から2千円の”後期高齢者終末期相談支援料”が
医師に報酬として支払われるというもの
です。
これに際して厚労省がその合意文書のひな型を配布したのですが
この内容がまたどうしたもんかと言う代物。
まず、
”終末期とは、治療効果が期待できず予測される死への対応が
必要になった期間をいいます。”から始まって
診断名や病状を書き込み、”予測される生存期間”として、
(1)2週間以内、(2)1ヶ月以内、(3)数ヶ月以内、
(4)不明、のどれかを選ぶ。
そして患者さん本人に輸液・中心静脈栄養・経管栄養・
昇圧剤投与・人工呼吸器・蘇生術の希望の有無を確認するというもの。
ね?前回のアンケートとほとんど同じでしょ?
そしてなんとデリカシーのないことに
その算定は
”利用者の死亡時に算定すること”とある。
つまりその患者さんが亡くならなければ、
その支援料は医療機関の収入にならないのである。
なんと恐ろしいことなのだろう。
勝手に見込みがないとか言われて、
”どうせ助からないけどね。
どうしてもと言うならやりますけどね〜。
で、どこまでして欲しいですか?”
みたいに訊かれて、
あげくの果てに早く死なないといけないような心理にされる。
それに2千円って、なんともその対価としてはしょぼすぎる金額だ。
こんなものまともな神経を持った医師なら算定したくないはず。
そんなことするくらいなら、思いっきり治療したほうが
病院の儲けにもなるし(ちょっと問題発言だけど)、
精神衛生上もいいよ。
それに思いっきり治療したからといって
長く植物状態になってしまうわけでもないのだ。
ダメなものはダメ。でもやってみないと誰にもわからない。
それが命というものじゃないのだろうか。
また、常々外来で”先生、私はなにがあっても手術はしません”と
言ってたかたも、いざもう手術をしなければ命を失うという段になったら
手術を承諾することが多いのも事実。
人は死というものの想像は出来るが、いざ直面したら
”生きたい”と切望して当然なのである。
とりあえずこういったアンケートを入院時にやらされたら
よほど本当にもう思い残すことはなく、すぐに死んでもいいと
思うかた以外は
”とことんできるだけのことは全部やってください”
と胸を張って言っていいと私は思う。
それでどうなるかは、もはや神様の領域のことだ。
お亡くなりになったことを述べました。
さて、後期高齢者終末期相談支援料というものが
今回の後期高齢者医療制度から新設されたのをご存知でしょか。
これは、
医師が後期高齢者(75歳以上)で終末期にある患者さんと
終末医療や延命治療についての合意書を交わせば
保険から2千円の”後期高齢者終末期相談支援料”が
医師に報酬として支払われるというもの
です。
これに際して厚労省がその合意文書のひな型を配布したのですが
この内容がまたどうしたもんかと言う代物。
まず、
”終末期とは、治療効果が期待できず予測される死への対応が
必要になった期間をいいます。”から始まって
診断名や病状を書き込み、”予測される生存期間”として、
(1)2週間以内、(2)1ヶ月以内、(3)数ヶ月以内、
(4)不明、のどれかを選ぶ。
そして患者さん本人に輸液・中心静脈栄養・経管栄養・
昇圧剤投与・人工呼吸器・蘇生術の希望の有無を確認するというもの。
ね?前回のアンケートとほとんど同じでしょ?
そしてなんとデリカシーのないことに
その算定は
”利用者の死亡時に算定すること”とある。
つまりその患者さんが亡くならなければ、
その支援料は医療機関の収入にならないのである。
なんと恐ろしいことなのだろう。
勝手に見込みがないとか言われて、
”どうせ助からないけどね。
どうしてもと言うならやりますけどね〜。
で、どこまでして欲しいですか?”
みたいに訊かれて、
あげくの果てに早く死なないといけないような心理にされる。
それに2千円って、なんともその対価としてはしょぼすぎる金額だ。
こんなものまともな神経を持った医師なら算定したくないはず。
そんなことするくらいなら、思いっきり治療したほうが
病院の儲けにもなるし(ちょっと問題発言だけど)、
精神衛生上もいいよ。
それに思いっきり治療したからといって
長く植物状態になってしまうわけでもないのだ。
ダメなものはダメ。でもやってみないと誰にもわからない。
それが命というものじゃないのだろうか。
また、常々外来で”先生、私はなにがあっても手術はしません”と
言ってたかたも、いざもう手術をしなければ命を失うという段になったら
手術を承諾することが多いのも事実。
人は死というものの想像は出来るが、いざ直面したら
”生きたい”と切望して当然なのである。
とりあえずこういったアンケートを入院時にやらされたら
よほど本当にもう思い残すことはなく、すぐに死んでもいいと
思うかた以外は
”とことんできるだけのことは全部やってください”
と胸を張って言っていいと私は思う。
それでどうなるかは、もはや神様の領域のことだ。
2008年5月20日(火) at 06:37
本当にあった怖いハナシ / A, traveling
HOME > 医療のハナシ
実家のご近所の76歳のおじさん
(私にとっては彼はおじいさんではなく、おじさんなのである)が
今年の2月にお亡くなりになった。
その経過を週末実家に帰ったときに聞いて愕然としたと同時に
腹が立ってしまった。
以下ちょっとキツイ口調ですがご了承を。
彼はその一週間前まで全く普通に元気に暮らしておられました。
ただ数年前に前立腺癌が見つかって治療中ではあった。
どうやら、脳梗塞(けれど発症時意識はしっかりしていた)で
入院になったのだが、その入院時にたくさんの承諾書を書かされる中で
(入院の支払いなどに関するものなど、とかく書類が多いのだ)
医師にアンケートのようなものを受けた。
そして。
入院後意識状態が悪くなり、食事や水分が摂取できなくなった彼は
そのまま何も治療をしてもらえずに、あれよあれよと言う間に
一週間後に亡くなってしまったのです。
なぜか。
それは、その入院時の”アンケート”のせいなのである。
そのアンケートで彼は急変時
(危篤状態になって意識が無くなったとき)
1)延命治療を希望しますか?
2)人工呼吸器の装着を希望しますか?
3)経管栄養(鼻からチューブを入れての栄養補給)は?
4)中心静脈栄養(太い点滴で何も食べなくても一ヶ月くらいは
生き長らえるくらいの必要栄養量を入れる)は?
5)昇圧剤(血圧が下がったときに使う薬)は?
6)血液検査は?
と、ほぼこの順番で聞かれたらしい。
勢いのような感じですべて”希望しません”と答えてしまった彼を
誰が軽率と言えるでしょう。
けれど彼が危篤状態になったときに家族が
”点滴くらいはしてやってください”と言っても
30台前半くらいに見える主治医は頑として
”患者さんの意志ですから”と何一つ治療をしなかったというのだ。
私は同業者ながら、自分の耳を疑いました。
まず、百歩譲って本当に医学的に彼はもう助からない状態のように
”見えた”かもしれない。
けれどこれまでも私は何度も急性期を奇跡的に乗り越えて
多少の麻痺は残りながらも元気に退院していった患者さんを
何人か知っている。
そういうかたがたも点滴すらしなければ、
100%お亡くなりになっているはずなのだ。
健康な人間でも一週間以上、全くの絶飲食だと脱水で死んでしまう。
これは単なる”見殺し”じゃないのだろうか。
そして、この単なるアンケートと本人も家族も思っていたものは
実は承諾書で”契約書”のようなものだっという恐ろしさ。
また、この質問の順番もどうなんだろう、と思う。
これを逆に訊いていったら
きっと延命治療・人工呼吸器くらいは断ったかもしれないが、
中心静脈栄養くらいまでは希望すると答えていたのじゃないかな?
巧妙と言うか、無神経と言うかの質問順序だ。
これは今年の2月の話ですがこれと同じ、
もしくはもっと悪くて怖い制度がこの4月から始まったのです。
ちょっと長くなるので、続きは次回。
(私にとっては彼はおじいさんではなく、おじさんなのである)が
今年の2月にお亡くなりになった。
その経過を週末実家に帰ったときに聞いて愕然としたと同時に
腹が立ってしまった。
以下ちょっとキツイ口調ですがご了承を。
彼はその一週間前まで全く普通に元気に暮らしておられました。
ただ数年前に前立腺癌が見つかって治療中ではあった。
どうやら、脳梗塞(けれど発症時意識はしっかりしていた)で
入院になったのだが、その入院時にたくさんの承諾書を書かされる中で
(入院の支払いなどに関するものなど、とかく書類が多いのだ)
医師にアンケートのようなものを受けた。
そして。
入院後意識状態が悪くなり、食事や水分が摂取できなくなった彼は
そのまま何も治療をしてもらえずに、あれよあれよと言う間に
一週間後に亡くなってしまったのです。
なぜか。
それは、その入院時の”アンケート”のせいなのである。
そのアンケートで彼は急変時
(危篤状態になって意識が無くなったとき)
1)延命治療を希望しますか?
2)人工呼吸器の装着を希望しますか?
3)経管栄養(鼻からチューブを入れての栄養補給)は?
4)中心静脈栄養(太い点滴で何も食べなくても一ヶ月くらいは
生き長らえるくらいの必要栄養量を入れる)は?
5)昇圧剤(血圧が下がったときに使う薬)は?
6)血液検査は?
と、ほぼこの順番で聞かれたらしい。
勢いのような感じですべて”希望しません”と答えてしまった彼を
誰が軽率と言えるでしょう。
けれど彼が危篤状態になったときに家族が
”点滴くらいはしてやってください”と言っても
30台前半くらいに見える主治医は頑として
”患者さんの意志ですから”と何一つ治療をしなかったというのだ。
私は同業者ながら、自分の耳を疑いました。
まず、百歩譲って本当に医学的に彼はもう助からない状態のように
”見えた”かもしれない。
けれどこれまでも私は何度も急性期を奇跡的に乗り越えて
多少の麻痺は残りながらも元気に退院していった患者さんを
何人か知っている。
そういうかたがたも点滴すらしなければ、
100%お亡くなりになっているはずなのだ。
健康な人間でも一週間以上、全くの絶飲食だと脱水で死んでしまう。
これは単なる”見殺し”じゃないのだろうか。
そして、この単なるアンケートと本人も家族も思っていたものは
実は承諾書で”契約書”のようなものだっという恐ろしさ。
また、この質問の順番もどうなんだろう、と思う。
これを逆に訊いていったら
きっと延命治療・人工呼吸器くらいは断ったかもしれないが、
中心静脈栄養くらいまでは希望すると答えていたのじゃないかな?
巧妙と言うか、無神経と言うかの質問順序だ。
これは今年の2月の話ですがこれと同じ、
もしくはもっと悪くて怖い制度がこの4月から始まったのです。
ちょっと長くなるので、続きは次回。
2008年5月19日(月) at 13:24
無責任なアドバイス / A, traveling
HOME > 医療のハナシ
毎日外来診療していて一番悲しくなると言うか、脱力するのが
”友達が薬飲んだらあかんっていうねん”とか
”テレビで○○食べたら○○病が治るって言うてたけど
どうですか?”っていう台詞。
いや〜。それ言った人、お医者さんですか??
といつも心の中でツッコミますね(時々口に出しても言う)。
まあ、最近は医学的に一般的でないことを
センセーショナルに言う妙な医者もいるけどね・・・。
だいたい、そういうアドバイスって思い込みだったり
また聞きだったり、勘違いだったり、と無責任なことが多い。
で、そういうのを真に受ける患者さんに限って
糖尿病なのに好き放題食べてものすごく太っていたり、
絶対飲まないといけない薬を半年さぼって入院騒ぎになったり。
うまく病気とつきあえてない気がするのでした。
薬を飲みたくない一心の逃避行動の一種なんでしょうかね。
耳障りのいい言葉にはすがりつきたくなるものだから。
でも怪しい何に効くかはっきりわからないような健康食品を
高いお金出してまで摂るのは平気だったりするというのも
理解に苦しみます。
一般的な雑誌の情報や、第三者の無責任な一言に
振り回されないで欲しい。
人生のアドバイスにパターンがないように
健康へのアドバイスも一人ずつ違う。
そしてそれをするのも受けるのもキチンと勉強した上でに
したほうがええんやないかな〜。
服や本を選ぶのとはわけが違うんだから、ね。
”友達が薬飲んだらあかんっていうねん”とか
”テレビで○○食べたら○○病が治るって言うてたけど
どうですか?”っていう台詞。
いや〜。それ言った人、お医者さんですか??
といつも心の中でツッコミますね(時々口に出しても言う)。
まあ、最近は医学的に一般的でないことを
センセーショナルに言う妙な医者もいるけどね・・・。
だいたい、そういうアドバイスって思い込みだったり
また聞きだったり、勘違いだったり、と無責任なことが多い。
で、そういうのを真に受ける患者さんに限って
糖尿病なのに好き放題食べてものすごく太っていたり、
絶対飲まないといけない薬を半年さぼって入院騒ぎになったり。
うまく病気とつきあえてない気がするのでした。
薬を飲みたくない一心の逃避行動の一種なんでしょうかね。
耳障りのいい言葉にはすがりつきたくなるものだから。
でも怪しい何に効くかはっきりわからないような健康食品を
高いお金出してまで摂るのは平気だったりするというのも
理解に苦しみます。
一般的な雑誌の情報や、第三者の無責任な一言に
振り回されないで欲しい。
人生のアドバイスにパターンがないように
健康へのアドバイスも一人ずつ違う。
そしてそれをするのも受けるのもキチンと勉強した上でに
したほうがええんやないかな〜。
服や本を選ぶのとはわけが違うんだから、ね。
2008年5月8日(木) at 16:36
女医の憂鬱 / A, traveling
HOME > 医療のハナシ
まあ、最近でこそ医学部の女子学生が40%近くを占めたりと、
女医が増えてきて珍らしくもなくなってきたわけですが
(それにしてもバラエティなんぞに出る女医さんたち、
もうちょっとなんとかならんのか)。
私たちの時代にはまだまだ少数派。
そりゃ〜、これまでいろいろケッタイな目にも遭ってきました。
エピソード1)
<電話口でかなり居丈高な調子で>
”あんたじゃわからへんねん!先生に代わって!”
”いや、私が内科の医者ですよ”
”ええっ?先生ですか??それはすいません、失礼しました”
→どうやら受付嬢と間違われていたらしい。
けどその態度の変化ってどうよ!?と思った。
エピソード2)
<80代おじいちゃん。退院の時の台詞>
”ありがとうございました〜一度もお会いできませんでしたが、
先生によろしくお伝えください”
→どうやら看護婦と思われていたらしい。
毎日回診してたのに(涙)。
エピソード3)
<20代の男性。ニヤニヤしてて、いかにも面白半分で>
”バイ○グラを処方して欲しいんですけど〜”
”そんな若いのに立たないなんてすごく心配よね?
泌尿器科に回すからきっちり調べてもらおうね(にっこり)”
→めでたく退散。
甘い、甘い。こんなんでヘドモドするような女医はおらんって。
ああ〜、いかんいかん。熱くなってしまった。
こういうエピソードを拾うとすごい巻物になりそう。
でも年齢とともに気にならなくなってきました。
経験というか、オバサン根性というか、です。
もはや憂鬱になるお年頃は遠くなりにけり。
それはそれで、寂しいもんかも。
女医が増えてきて珍らしくもなくなってきたわけですが
(それにしてもバラエティなんぞに出る女医さんたち、
もうちょっとなんとかならんのか)。
私たちの時代にはまだまだ少数派。
そりゃ〜、これまでいろいろケッタイな目にも遭ってきました。
エピソード1)
<電話口でかなり居丈高な調子で>
”あんたじゃわからへんねん!先生に代わって!”
”いや、私が内科の医者ですよ”
”ええっ?先生ですか??それはすいません、失礼しました”
→どうやら受付嬢と間違われていたらしい。
けどその態度の変化ってどうよ!?と思った。
エピソード2)
<80代おじいちゃん。退院の時の台詞>
”ありがとうございました〜一度もお会いできませんでしたが、
先生によろしくお伝えください”
→どうやら看護婦と思われていたらしい。
毎日回診してたのに(涙)。
エピソード3)
<20代の男性。ニヤニヤしてて、いかにも面白半分で>
”バイ○グラを処方して欲しいんですけど〜”
”そんな若いのに立たないなんてすごく心配よね?
泌尿器科に回すからきっちり調べてもらおうね(にっこり)”
→めでたく退散。
甘い、甘い。こんなんでヘドモドするような女医はおらんって。
ああ〜、いかんいかん。熱くなってしまった。
こういうエピソードを拾うとすごい巻物になりそう。
でも年齢とともに気にならなくなってきました。
経験というか、オバサン根性というか、です。
もはや憂鬱になるお年頃は遠くなりにけり。
それはそれで、寂しいもんかも。


