タクシー運転手の日記

関西郊外のタクシー運転手の日記です

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KY学生との会話 / black cab

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7月11日(金) 景気指数60 晴 23度

今日も朝から好天。本当に梅雨はもう明けているのでは、と思うのは俺だけではないだろう。

昨日遅くなったので、今日は出勤してすぐ帰宅。仮眠(2時間も寝ると仮眠と言えるかどうか疑わしいが)。

出庫待機場所入りが15時前、昨日と同じようなパターンだ。

夜は電車のダイヤが少し乱れていたようで少し動いたが、そういう不確定要因で仕事が増えるのは、景気ウォッチャーとしては判断が難しくなる。


*学生との会話
今日の夕方19時前かな。近所の私立大学からのムセン呼び出し。ちなみにこの私大、NHKお天気お姉さんの半井さんも卒業した優秀な大学である。

ムセン室:「XX大学の3号棟へ行って下さい。お名前XX様、支払いは損保ジャパンの未収です。」

俺:「了解(損保ジャパン??)」


要するに支払いは保険会社がするから、本人から受け取る必要はない、ということである。

指定された場所につくと、そこには普通の学生さんが待っていて手をあげる。大学からの呼び出しは大抵教授さんや、取引業者が多く、学生がタクシーに乗るのは(当たり前だが)珍しい。

俺:「えっと・・・予約された・・・」

学生:「XXです。」

俺:「損保ジャパンのやつ?(なんや、この質問の仕方)」

学生:「そうっす」


もういかにも今時の学生、という感じの若者、ジャニーズ系の色男である。別にけがをしているようにも見えないが、

俺:「何、事故したん?」

学生:「そうなんすよ。もう原チャとかつぶれて大変だったんすけど」

俺:「身体は大丈夫なん?」

学生:「全然大丈夫っす!」

俺:「(じゃ、バス乗れよ)」

学生:「でも、こんな時しかタクシー乗れないじゃないすか。」

俺:「ああ・・・(若者よ、それは間違ってるぞ)」


でも普通に若い子がタクシーに乗りたい、と思ってくれるのは嬉しい。この学生、友達との話のネタにしようと思ったのか、嬉しそうにいろいろ聞いてくる。

学生:「えっ、そんでお兄さんタクシー何年くらい乗ってるんすか?」

俺:「5,6年かな」

学生:「えっ、何歳なんすか?」

俺:「34、もうすぐ35歳(その「えっ、」っていうの・・・なんすか?)」

俺:「なんで?」


学生:「いや、どのくらいかなー、と思って」

俺:「(いや、なんでそんなにお前は嬉しそうなん?)」


学生:「タクシーとか、どうなんすか?」

俺:「何が?」

学生:「仕事、きつくないすか?」

俺:「ああ、きつくないよ。楽しいよ。」

学生:「マジすか?楽しいんすか?」

俺:「楽しいよ。自由やしね。もっと若い人にタクシー乗ってもらいたいと思ってね。いろいろ活動してるんやけど(別に何もしてない)」

学生:「へー、そうなんすかー。でも、収入とか安定してないんすよね。」

俺:「その若さで、安定した仕事就きたいの?安定した仕事が良かったらタクシーには乗らん方がいいよ。適当にしょーもない大企業入って、若いうちは上司や取引先のご機嫌伺いながら、プライド捨てて頭下げて、年取って頭腐った頃にはいい金もらえるよ。」

学生:「いやー、でも俺彼女できないんすよねー。よく童顔とか言われるんすけど、どう思います?」

俺:「(今わかった。お前みたいなやつを世間ではKYと呼ぶんやな)」


そんな下らない会話をしつつ彼のアパートに着く。

学生:「あっ、夜にバイトあるんでまた迎えに来て欲しいんすけど。お兄さん来てもらえます?」

俺:「・・・えっ、どこまで?」

学生:「そこのセブイレ(見えてる)までなんすけど」

俺:「えっと・・・ちょっとその時間予約入ってるな・・・会社に言っとくよ。車なかったら歩いて行って。」



本日売上 33,460
最高メーター額 4,950
乗車24回 39名(喫煙0名)
乗務 9.25時間
走行 197K

直近5乗務平均 27,224





2008年7月12日(土) at 04:07 

缶コーヒー / black cab

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6月28日(土) 景気指数70 曇りのち雨 気温20度

今日は4連勤の後、5日ぶりの乗務。休み中はあまり車に乗らなかったので、少し緊張した。

天気は朝から曇り、午後からパラパラ降ったり止んだりを繰り返し、夜22時を過ぎたぐらいからしっかり降り始めた。

仕事はあまりついてなかったが、夜には雨のおかげもあるが、駅に長い列ができた。俺も最後に宝塚へ行って何とか3万超え、今期(21日から)苦しいスタートとなったが、今日は踏ん張った。


*缶コーヒー
最後に俺(の売上)を助けてくれた、今日の最後の客。20代前半らしき若者。

20客:「宝塚お願いしス、ところでここどこすか?」

気の良さそうな若者である。しかし、タクシー運転手の悲しさ、少しでも遠方の時はとりあえず身構える。

程なく彼は友人なのか、彼女なのか、携帯で話し始めた。

20客:「いや、寝過ごしちゃってさ、いや、ホントやっちまったって感じ、ハハ。運転手さんに、どのくらいかかりますか?って聞いたら、8千円だって!マジやべ俺、ハハ」

俺:「(いや、8千円超える、って言ったんやけど・・・)」


金額を聞かれたときは、基本多めに言わなきゃいけないのが原則である。今回のは失敗例。ちなみに良い例は、

「一万円は行かないと思いますけど」

しかしあんまり多く言うと、乗る前に逃げられてしまうこともあるから難しい。

20客:「運転手さん、俺こんなの(乗り越し)初めてすよ。ちょっと金持ってないんで、コンビニ寄ってもらえます?俺んちの近所のコンビニ誘導しますよ。おろせなかったら家着いたら持ってきますから」

出たー!これ怖いんよ。何でコンビニでおろせへんの?何でお前の近所のコンビニ行くの?コンビニなんていくらでもあるやん!

俺:「あ、そうですか。問題ないすよ。コンビニならこの先にセブンイレブンがありますから、そこ寄りましょうか?」

こっちのペースに巻き込まなくては、とその近くのコンビニにとまる。客というのは、自分の家の近所まで行ったら急に態度が変わる場合もある。

客はコンビニに入るとATMの前に直行。しかし何度かカードを入れては頭をかいている。俺は車を前方正面に停めていつでも突進できる構えで待っている。

俺:「(ダメか・・・)」

するとその客がコンビニから出てくる。そして後部座席ではなく、運転席の俺の方に向かって歩いてくる。

俺:「(何だ、何を言いに来た?早めの勝負に出たか?)」

するとその客は、さわやかな笑顔で運転席の窓越しに信じられない一言、

20客:「運転手さん、コーヒーでいいすか?」

俺:「(なにぃ!)」


来たー!これ苦手だなあ。なんとその若者は俺にコーヒーを買ってくれるというのである。別にコーヒーが飲みたい気分ではなかったが、俺はこういう好意を断れない男である。現金でくれるチップより、自分のためにわざわざ買ってくれる缶コーヒーは心にしみる。

結局その客がATMで金をおろせたのか、どうなのか確認できないまま車を発車させる。コーヒーをもらった手前その後は客との会話も必然的に多くなる。

20客:「運転手さん、大変すね、夜遅くまで」

俺:「いや、そんなことないすよ、俺達朝は遅いから」

20客:「そうなんすか?俺なんか今日朝5時から仕事すよ」

俺:「えー!そんな早いの?それでこんな夜遅く帰ってきたん?」

20客:「いや仕事は(昼間の)2時頃終わってるんすけど、終わって家帰って、また電車乗って大阪出て飲んでたんすよ。そんで9時半頃からカラオケ行ったまでは覚えてるんすけど・・・」

俺:「(何してんの?お前・・・)」


こんな会話をしながらも俺は支払いを心配している。そのうち車は宝塚に着き、彼の指示通りに路地に入り車を停める。

俺:「9,110円です・・・コーヒーもらったからもう9千円でいいよ」

20客:「いや、いいすよ、払いますよ。金おろせたし、小銭あるから。はい、1万円と、110円」

俺:「・・・あ、ありがと、千円のお返しすね。ホントこれから(乗り越し)気をつけてね。コーヒーありがと」

20客:「そんなん、いいすよ。運転手さんも気をつけて帰ってくださいね。お休みっす」


その客が降りると、俺はドリンクホルダーに飲まずに残された、彼にもらった缶コーヒーを見つめながら、少したたずんでいた。

あの若者は今日(正確には昨日)朝5時から働いていた。それでもらった日当は恐らく1万円くらいのものだろう。その金は一日の終わりに、タクシーに吸い取られてしまった。

それだけではない。俺はあんな素直な若者を疑った・・・彼は俺に疑われていることなど微塵も感じていなかっただろう。恥ずかしかった。

バックには colo play の viva la vida (素晴らしきかな、人生?)がかかっていた。この曲いいなあ。


本日売上 30,380
最高メーター額 9,110
乗車18回 28名(喫煙0名)
乗務 11.25時間
走行 182K

直近5乗務平均 26,084
2008年6月29日(日) at 04:00 

キセキ / black cab

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5月28日(水) 景気指数50 曇りのち雨 気温15度

予報でも降ると言っていたが、予報どうりしっかりと、夜は雨になった。18時前からポツポツと降り始めて、だんだんと雨足は強まり、24時過ぎにはすごい雨になった。

明日の朝にかけてかなり降るらしい。先週(22日)の沖縄に続いて、今日九州南部と四国で梅雨入りしたらしい。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080528STXKD075028052008.html


*キセキ
今日GReeeNの新曲「キセキ」がリリースになったらしく、ラジオで朝から何回も聴いた。メロディも歌詞も頭に残る良い曲である。
http://www.uta-net.com/user/phplib/view_0.php?ID=65511

おそらく08年のナンバー1ヒットになることだろう。彼ら、歯医者さんらしい(1名はまだ学生?)がマーケティングもうまい。


今日の夜、雨の中乗車した女性客。見た目は40代に見えた。

40客:「どうですか?最近飲食店からの仕事はあります?」

俺:「いやあ・・・やっぱり減りましたねえ」

40客:「そうですか・・・私も以前は飲食店をしていたから気になるんですよ」


俺:「そうなんですか」

40客:「あの時やめてなかったら、今頃首つってますよ」

俺:「・・・」


随分深刻な話になってるな・・・

40客:「数年前(06年秋)に飲酒運転の取り締まりが厳しくなりましたよね、あの時にさっぱりあかんくなって、すぐに店閉めたんです」

俺:「そうなんですか」


車内は暗い雰囲気に。ここでまさか

「いやあ、少しくらい飲んだって、別にいいやないですかねえ!」

なんて言うわけにもいかず。

「そのうち飲食店にも客が戻ってくる思いますよ」

なんて、根拠のない楽観論をはべるわけにもいかない。

40客:「でもあの時やめて、本当に良かったわ・・・」

ボソッとお客さんがつぶやくと、俺も

俺:「きっと、そうなんでしょうね・・・」

とつぶやいた。

降り際に、

俺:「また(いろいろ)チャレンジしてください」

チャレンジとは人生における、いろんな意味のチャレンジとして言ったので、商売という意味ではなかったのだが、

40客:「もう結構!あんなのは2度とイヤ!娘にも商売人とは絶対結婚するな、って言ってるの」

と、言いながら、それでも笑顔で車を降りていった。

気持ちよくわかるなあ。俺も失敗者。やめた後は、もう2度と商売はしたくない、と思ったものだ。

歌のように、恋愛のキセキは起きても、商売でキセキは起きない。

しかし本当に人々に求められているものを提供すれば、必ずそれは受け入れられるはず。そして、金ではなく、そこに関わる多くの人が幸せになること。それはキセキではない。

いつかまた商売してみたい、と思い始めている。


本日売上 28,960
最高メーター額 7,670
乗車15回 20名(喫煙1名)
乗務 10.75時間
走行 182K
チップ 10(1名)
2008年5月29日(木) at 03:04 

ジョリーパスタ / black cab

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5月26日(月) 景気指数40 晴 

今日の昼間は暑かった。

「暑いですねえ・・・」

会う人会う人、こんな会話をしていたが、午後に軽い夕立があってからは少し落ち着いた。本当に真夏のような気候である。

夕方は車のドアを開けて待機していたら、蚊が侵入してきて戦っていた。蚊の侵入は今年初めて。

仕事は悪い月曜なりにまあまあ売上を作れたのではないか。


*ジョリーパスタ
http://www.sundays-sun.co.jp/jp/top.html

今日の夜、ホテルで待機していると玄関に呼ばれ、若い男女が乗車してきた。

男性は20代前半、背はすらりと高く、標準語で弱弱しそうな、しかしもてそうなソフトなマスク。女性は年齢不詳、ちょっとメタボ系。

二人はどうやらカップルのようで、これからデートのようである。

男客:「ジョリー・パスタまでお願いします」

俺:「はい、わかりました(ホテルからタクシーで2千円かけてジョリパでデート?・・・)」


タクシーに乗るなり、二人の男女は楽しそうに会話を始めた。

男客:「実は俺、昔ジョリパでバイトしててさ」

俺:「(そういうことか・・・納得)」

女客:「へー!」


男客:「ジョリパってさ、”イタリアンレストラン”なんて謳ってるけど、実は残念ながら”ファミレス”なんだよね」

俺:「(いや、思い切り”ファミレス”で業態展開してるやろ)」


男客:「”ファミレス”のくせにさ、手作りにこだわってて、ピザなんか粉から作るんだぜ」

女客:「へー!」
俺:「(へー)」

男客:「普通はレンジでチンだよね」

俺:「(いや、そこまで開き直ったファミレスは少ないだろ)」


男客:「でもメン場(パスタを作る係)よりピザ場(ピザ係)の方が楽なんだよね」

女客:「どうして?」

男客:「やっぱりパスタの方がオーダー多いでしょ、コンロが8つもあって、それを一人でまわさないといけないから」

俺:「(そーれは大げさやろー!)」

男客:「あとオーダーは15分以内で出さないといけない、っていう決まりがあってさ」

女客:「へー!」

男客:「ゆでる鍋は3つしかなくてさ、一つの鍋で2メンゆでして、同時に6つゆでられるんだ」

女客:「へー!」
俺:「(あと5つのコンロは?どうなってんの?)」

男客:「1つのメンをゆでるのに6分半かかるんだよね。それで一気に20オーダーとか流れてくるんだから、大変だよ。」

俺:「(ちょっと待てよ。一気に20オーダー来たら、6メンづつゆでて18オーダーこなすのに19分半、最後のオーダーはメンのゆで上がりまで最短で26分かかるぞ。15分ルールはどうなったんだ?)」

男客:「俺もXX金属に就職してなかったら今でもジョリパで働いてるよ」

俺:「(一流企業やないか・・・)」

男客:「それにXX交響楽団にも入ったよ。ビオラで」

女客:「へー!」
俺:「(なんか、話の流れがつかめないなあ・・・)」

男客:「運転手さん、黙って聞いてくれませんか?」

俺:「えっ???!!!」


って最後は嘘。

若い男女よ。お幸せに!楽しい夜を過ごしてくれ。

ありがとうございました!




本日売上 22,820
最高メーター額 6,310
乗車12回 20名(喫煙0名)
乗務 10.50時間
走行 140K
チップ 100(2名)



2008年5月27日(火) at 03:17 

乗り越し / black cab

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5月22日(木) 景気指数60 晴 気温16度

昨日に続いて今日も最高の天気。昼間は少し汗ばむほどの陽気だが、それほど暑すぎず、夜は涼しい。

仕事は先月期(20日締め)があまりにも悪かったので、月が変わって、ツキも変わるはずだと信じて今日の乗務に臨んだ。


*乗り越し客
俺が夜待機している駅は、(夜の)終点駅なので、乗り越し客の多い駅。夜は乗り越し客にあたるかあたらないかが、大きく売上を左右する。

乗り越し客を待つ、というのはモラルに欠けている、と思われるかも知れない。しかし、お客さんもタクシーがなければ家に帰れないどころか、寒い冬などは命にかかわる。持ちつ持たれつ、である。

今日は終電の前まででやっと、2万円に届くいつものペース

「今日もだめかなぁ・・・」

と思いつつ終電を待つ。終電で最初の客が¥950・・・

急いで駅に帰ってお客さんが並んでいることを願う。

駅に入ると、思ったより列は多く10人ほど、

最後と思って乗車したお客さん

・・・¥870

今月もダメか・・・と、本気でへこんでいると

客:「今日は(信号が)全部青ですねえ」

言われてみると、信号に一度もつかまらずにそのお客さんの目的地まで着いた。珍しい。

(ついてるのかも・・・)

急いで駅まで戻ると、まだ数人のお客さんが並んでいた。

「高速で、池田まで行ってもらえます?」

バックにロッキーのテーマが流れた。

1ヶ月以上ご無沙汰していた、乗り越し1万円口。嬉しかった(名刺未収になったが)。





本日売上 35,850
最高メーター額 13,720
乗車20回 27名(喫煙0名)
乗務 12.25時間
走行 196K


2008年5月23日(金) at 03:55