中島らも「心が雨漏りする日には」 / よしは
本 > 活字の荒野
故中島らも氏が、双極性障害だったというのは有名な話やと思う。
名門・灘高在学の頃からグレ始め、セックス・ドラッグ・ロックンロールと
とてもわかりやすい過程を迷走してきた。
数々の著作で披露されてるのでこれも有名だろう。
だから、らもさんが躁うつだったといわれても、「あ、そう」ぐらいしか言えない。
だって、普段から奇行・珍エピソードてんこ盛りの人やし
アルコールや薬物依存で1冊本が書けるんやから(またそれが高い評価を得るし)
彼にナニがあってもちょっとのことじゃ驚かない。
だから大麻で逮捕された時も、階段から落ちて亡くなった、と聞いた時も
「らもさんらしいなぁ」としか、思えなかった。
「心が雨漏りする日には」を読んでていちばん感じたのは
彼は常に周囲の人間に恵まれてる、ということ。
特に奥さんがよくできた方で、まるで聖母のような人だ。
他にも仕事仲間や劇団スタッフ、友人や主治医もみんな、
壁にわざとぶつかって走り続けるような彼の生き方を
とりあえず見守ってくれていたのだと思う。
それはたぶん、らもさんの憎めない人柄のおかげかもしれない。
病気の具体的な内容としては、中島らも作ということを考えると
当たり前すぎていつものエッセイみたいにもみえるけど、
実際に体験した者でないとわからないヘビーな記述も多くあり、
自分が「もしや双極性障害では?」と迷ってる方にはかなりショックかも。
すでに患者になってしまった人が読んだら、共感も持てると思う。
逆に、精神疾患と無縁の人が読んでも十分に面白く勉強になる。
でも、躁うつの人がみんなこんな感じというわけではないので
(近いところはあるけど)誤解しないでほしいなぁ(^^;
それにしても、「厄年は躁にご用心」というのには思わず苦笑い。
私が双極性障害と診断されたのも、後厄の年やったから。
らもさんは42歳で躁病を発症。男の厄年である。
厄年はやっぱり、気を遣わなあかん時期なんや・・・・としみじみしてしまった。






