Googie の昨日と違う今日

ONE OF THESE DAYS

HOME > 映画 > FILMS > ●ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド

●ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド / Googie

映画 > FILMS
Brothers of the Head
タイトルのイニシャルBOTHがシンボリックだ。

木曜、映画の日に行ってきた。映画の日とて平日の2時3時ではガラガラ、楽勝で座れました。「カルト・ムービー」候補らしい映画なので、若いロックファンとか詰めかけてるかなと思ったんだけど、入りはしょぼかった・・・。

結合体双生児がヴォーカルとギターを担当するバンド、ザ・バンバン。1975年、パンクス以前のミュージック・シーンに一瞬上がった花火のような短い活動の後、消えて行った異形の兄弟トムとバリーの話である。映画は「擬ドキュメンタリー」の形式を取っている。つまりゆかりの人びとに取材しそれを語らせるのだが、それを実在の人物ではなく俳優が演じている、という「再現ドラマ」「再現ドキュメント」なのだ。それに、75年当時のプライヴェート映像(もちろんこの映画のために撮影された擬映像)、さらにケン・ラッセルがこのシャム双生児を題材に撮影した映画クリップと3つの映像作品をコラージュしてストーリーを構成している。

この手法のため、主人公トムとバリーの姿はオーディエンスが直接見る彼らではなく、終始誰かの目を、あるいはレンズを通した姿なのだ。この2段構えの構成のせいで、至近距離で撮影されたものでありながら、主人公の心理になかなか近づけない苛立ちが終始あった。映像的にはデレク・ジャーマンの「ザ・ガーデン」を彷彿させるシーンが数ヶ所あって「おや」と思わせたのだが。

音楽業界=フリーク・ショー。そんな業界のからくりはさておき、つながれた双子の、離れていたいときでも一緒に居なければならないという苦痛を思うとしんどかった。それと2人の入浴シーンなどは同性愛的なエロティシズムと、この世にたったふたり、というような哀切が漂っていて美しかった。プレ・パンク・バンドとしてのザ・バンバンと見捨てられた子供としての兄弟と。どちらも描ききれていなかった。どうも物足りないのだ。踏み込めていない。

バンドのベーシストを演じたブライアン・ディックが60年〜70年のミュージシャンの雰囲気を出していてよかった。実際俳優ではなくミュージシャン?と思ったくらい。イギリスのTVを中心に活動してきた俳優で、劇場映画では「マスター・アンド・コマンダー」に出演、気難しいのでならすラッセル・クロウと意気投合したらしい。2人ともギターを弾くのでそっち方面からえらく盛り上がったそうだ。双子を演じたハリーとルークのトレッダウェイ兄弟も実の双子で、音楽の専門教育を受けたのち、俳優としてのキャリアをスタートさせている。

≫≫ Googie's 映画ログ 2007
2007年2月3日(土) at 21:24