団塊世代の挑戦 2008

週末農園を趣味として、映画、読書、スポーツ等にチャレンジする

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映画『母べえ』鑑賞記 / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
 職場の新聞に以下のコラムを掲載しました。2008.2.21(木)

映画『母べえ』鑑賞記

 映画『母べえ』が好評です。戦争下、昭和10年代の日本の家族を描いた山田洋次監督作品です。戦時中の庶民の暮らしを描いた映画は意外と少なく『二四の瞳』位しか思い浮かびません。『母べえ』が新鮮に映りました。

 ドイツ文学者野上滋は妻・佳代と初子・照美の二人の子どもの四人家族。互いに「べえ」を付けて呼び合っていた。滋の論文が特高の目に触れ拘束され、家族の生活は一変する。治安維持法違反。佳代は代用教員の職を得て必至に暮らしを支える。教え子山崎が現れて何かと家族を助けるのだが、戦争は町全体を包み込んで‥‥。

 「戦争反対」の考えを持つことが逮捕の対象となる時代。夫を尊敬し周りの圧力に凛として動じることなく、子どもを育てるために身を粉にして働く母の姿を描いています。どの家族にも丸いちゃぶ台があって、叔母さんや叔父さんがいて助け合いの輪がありました。隣組みの会合や国防婦人会による「ぜいたくは敵だ」の街頭指導や小学校の御真影や出征兵士の見送りやの日常がありました。

 原作は黒澤明監督のスクリプター(記録)を長く勤めた野上照代さんが実話を綴った『父へのレクイエム』とのこと。次女の照美とダブります。夫婦や家族で来ている人が多い気がしました(M)
2008年2月21日(木) at 06:19 

母べえ / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
母べえ 鑑賞 大津7シネマにて 2008.2.17 (今年13本目)

2008年 松竹映画
監督 山田洋次
原作 野上照代「父へのレクイエム」
出演 吉永小百合/浅野忠信/壇れい/志田未来/戸田恵子/坂東三津五郎/他

 昭和15年の東京。ドイツ文学者野上滋は、母・佳代、長女・初子、次女・照美の4人暮らし。お互いを「べえ」を付けて呼んでいた。ある日の早朝、特高が家に押しかけ治安維持法違反で滋を逮捕する。面会もままならない。母べえの2人の子どもを抱えての生活が始まった。野上の教え子だという山崎が尋ねてきた。野上家の助力を惜しまない山崎だった‥‥。

 日本が満州事変から太平洋戦争へと突入していく時期にあって、治安維持法違反に問われた主とその家族が時の権力の弾圧と世間の目にトコトン冷たくされながら、懸命に生きていく物語です。
 黒澤監督の下で長くスクリプターを務めた野上照代さんの実体験がベースになっているとのこと。次女が野上さんと思うと、どうもその視点から映画をみてしまいます。

 ドイツ文学者が治安維持法違反で逮捕されるのですから、「共産主義−民主主義−自由主義−宗教」何でも弾圧の対象となった時代です。
 滋さんの教え子が検事で出てきます。「君付けで呼ぶな」と叫びます。大学の先輩教授が出てきます。「迷惑だ」と席を立ちます。佳代さんのお父さんが出てきます。「考えにかぶれたな、勘当だ」と言い渡します。そういう時代でした。それでも佳代は滋を尊敬し支えようと必至です。

 おばあちゃんと妻と3人で鑑賞しましたが、おばあちゃんが昭和6年うまれで、ちょうど長女・次女の真ん中くらいの年齢になるとのこと。出てくる学校の様子や近所のことなどが本当に体験したそのとおりだと感心していました。時代考証が行き届いている証拠です。

推薦度★★★★☆
2008年2月18日(月) at 12:55 

歓喜の歌 / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
歓喜の歌 鑑賞 金沢ユナイテッドシネマにて 2008.2.13(水)(今年11本目)

2007年 邦画 シネカノン
監督 松岡錠司(「東京タワーオカンとボクと、時々オトン」)
出演 小林薫/安田成美/伊藤淳史/由紀さおり/浅田美代子/田中哲司/藤田弓子/他

 みたま町の文化会館主任の飯塚は大晦日の会館使用許可確認の電話を受けていた。みたまレディースコーラスからだった。部下の加藤は不思議に思う。確かみたま町コーラスガールズから予約が入っているはずでは。確かめると、見事にダブっていた。大晦日の夜の大ホールの貸出がダブルブッキングしていたのだ。これは大変なことに。両方の代表者を呼んで話し合うが日程は譲れないという。主任はこれまで「適当」に世渡りしてきた。今度も何とかなるだろうと、タカを括っていたのだが‥‥。

 大晦日に2つのママさんコーラスグループが文化ホールで発表会を催す予定が会場がダブってしまっててんやわんやの大騒ぎとなる喜劇映画です。最後まで楽しんで鑑賞できました。ホロッとさせるところもあって、挿入歌もたくさんあって楽しみました。勧善懲悪ではなく、二つのコーラスグループがそれぞれめざすところがあって、各々の居場所で活動しているというのがいい。
 原作があって立川志の輔さんの創作落語だとか。ゲスト出演もしていました。いい話です。落語でも聴きたい気分になります。きっと。
 製作はシネカノンでした。この会社はいい映画をつくる会社です。これからもこの会社には注目していきたいと思います。

推薦度★★★★☆
2008年2月13日(水) at 12:45 

県庁の星 / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
県庁の星 鑑賞 レンタルDVDにて 20007.6.3 (55本目/150本/年)

2006年 邦画 131分
監督 西谷弘(デビュ作)
出演 織田裕二/柴咲コウ/佐々木蔵之介/和田聡宅/他

 県庁職員野村は文書主義・上意下達・出世主義のエリート公務員。200億円のプロジェクトを実現させることで出世を狙っている。地元企業経営者の娘と婚約するなど抜かりはない。プロジェクトのため民間との人事交流が課題となって、野村は半年間、スーパーへ派遣される。受入先の地元スーパー「満天堂」に働くパート従業員二宮が彼の教育係となる。腰掛けの半年間のつもりが‥‥。

 公務員の意識改革を求める映画です。200億円のプロジェクトは県民と対話して本当に必要なことを確認できていますか。このままで決行すれば県は財政破たんになる。計画を縮小すべきB案が必要では。問題提起が展開される所がヤマです。

 プロジェクトの話も大切ですが、私はスーパー経営の動向の方により関心がありました。
 最近、近くで地元スーパーが倒産、沢山のアルバイト職員の方が解雇されました。全国展開するスーパーとの競合があってのことのようです。経営努力だけでは対処できない今のスーパー業界の中で、地元スーパーが生き残っているために必要なこと、そんなテーマが浮かんできました。

 公務員には倒産がないと思われている分、自治体経営に対する危機感が薄いのは確かでしょう。しかし、夕張市の例のように、倒産はあるし、その時は、市民も公務員も丸ごと被害を受けます。「無駄な公共事業」を選別して、実施させないようにするには、先ず選別する確かな目が必要ですが、公務員の力だけではどうしようもないのも確か、結局、県民の声と力が必要です。映画を観ながらそんなことを考えました。

推薦度★★★☆☆
2007年6月4日(月) at 12:28 

ゴール!(GOAL!) / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
ゴール!(GOAL!) 鑑賞 地上波にて 52/150/年 (2007.5.21)

2005年 FIFA公認映画
監督 ダニー・キャノン
出演 クノ・ベッカー/スティーブン・ディレイン/アンナ・フリエル/他


 メキシコから不法入国して、ロス・アンジェルスのヒスパニック地区に暮らすサンティアゴは、庭師の仕事でお金を貯めながらプロのサッカー選手になることを夢見ていました。地元のチームで活躍する花形選手である彼のプレイを見た元イングランド・プレミアリーグの選手だったグレン・フォイは、何とかイングランドで入団テストを受けさせるように努力するのですが、そのためには、地球の裏側まで行く必要があります。余りにも遠い。


 ベッカム・ラウール・ジダンが選手として出演しています。FIFA公認映画だから、その宣伝に一役買っているということでしょうか。サッカーが上手な青年がイングランドに渡り、プレミアリーグの公式試合に出場するまでを描くスポーツ・サクセス・ストーリーです。
 試合の雰囲気や出場選手たちのベンチ裏の表情などは伝わってきます。ただ、最後はうまく行くことが約束されているのがこの種の映画の運命だと思います。従って、途中の紆余曲折をいかに上手に描くかに腕がかかっているといえるでしょう。持病の喘息やお父さんの死などのエピソードはそうした波の表現。それでも全体としては、ちょっと、型どおりかな。
 三部作の構成であと2作が制作されるとのこと。どんな内容になるか楽しみではあります。

推薦度★★☆☆☆
2007年5月22日(火) at 12:17 

かもめ食堂 / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
かもめ食堂 鑑賞 CATVにて 2007.4.30 (47/150/年)

2006年 日本映画 102分
監督 荻上直子
出演 小林聡美/片桐はいり/もたいまさこ/他

 フィンランドのヘルシンキで食堂を開いているサチエ。ある日日本通の青年が訪ねてきて「ガッチャマンの歌の歌詞」を聞くが答えられずにいた。本屋で日本人だと思う人(ミドリ)にそのことを聞くと全文答えることができた。これも縁だと食堂に来てもらう。食堂を手伝いはじめた‥‥。

 日本人がフィンランドのヘルシンキで日本食の食堂を営む日常生活に日本からの客が関わって、という形で物語が進行していきます。「かもめ食堂」と「おにぎり」がキーワード。経営者・サチエと旅人ミドリとマサコの奇妙な3人が織り成す日常生活。オールフィンランドロケで作製されたとあります。フィンランドの海や森を垣間見ることができます。
 経営者ミドリがなぜ「フィンランド」で食堂を開こうとしたかは不明です。

推薦度★★☆☆☆
2007年5月1日(火) at 12:56 

カポーティ(CAPOTE) / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
カポーティ(CAPOTE) 鑑賞 レンタルDVDにて 2007.4.18 (43/150/年)

2006年 アメリカ映画 114分
監督 ベネット・ミラー
出演 フィリップ・シーモア・ホフマン/エド・ハリス/キャサリン・キーナー/クリス・クーパ−/他

 1959年11月15日、アメリカ・カンザス州のホルカムという町で一家4人が惨殺される事件が起きます。興味を抱いたニューヨークに住む作家トーマス・カポーティは、気心が知れた女流作家リーとともに取材のためカンザス州を訪れる。地元は事件で動揺していた。やがて2人の青年が逮捕される。カポーティは彼らに会うために留置所を訪れる‥‥。

 主演のフィリップ・シーモア・ホフマンはこの演技で2006年のアカデミー賞主演男優賞を(ゴールデングローブ賞の主演男優賞も)獲得しています。そのところの興味があってレンタルした作品です。
 アメリカに実在した作家カポーティ(私は知りませんでした)の伝記映画です。彼がノンフィクション小説『冷血』を書いた事情が主題となっています。殺人事件を取材して小説にするという過程を映像化することで作家の実像に迫ろうとしたものと思われます。作家に特徴的だっただろう高い声を「再現」しています。

 伝記映画独特の人物像の抽出には成功しているように思いますが、何を考え何をしようとしているのか、がもう一つ分かりませんでした。犯人の青年達は小説の題材であることは確かですが、それ以外に青年たちに何をしたいのか、何をしようと思っているのか。そこの所を洞察できませんでした。残念。

推薦度★★★☆☆
2007年4月19日(木) at 13:13 

華麗なる一族 / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
華麗なる一族 (前編/後編) 鑑賞 CATVにて 2007.4.2〜3 (39/150/年)

1974年 東宝映画 211分
監督 山本薩夫
出演 佐分利信/月丘夢路/仲代達矢/山本陽子/目黒祐樹/酒井和歌子/田宮二郎/香川京子/京マチ子/二谷英明/他

 万俵コンツエルンの総帥で阪神銀行頭取万俵大介は、子どもの結婚を政略に使うやり方で政・官に太いパイプを持ち、次々に野望を遂げている。金融再編成の波が銀行合併に向かうと読んだ頭取は人脈を使って策略をめぐらす。長男鉄平は、阪神特殊鋼で鉄鋼一筋、高炉建設の夢を抱いている。次男は跡を継いで銀行に残っている。高炉建設のための融資がメインバンク・阪神銀行と大同銀行と間で微妙にズレが生じて、激動の前触れか‥‥。

 今年話題の多いタイトルです。同名の連続ドラマが鉄平=木村拓哉、万俵大介=北大路欣也でテレビ放映され、話題となりました(私は見ていませんが)。

 元々山崎豊子さんが、週刊新潮に1972年に連載した同名小説を原作にして、山本薩夫監督が、豪華なオールスターキャストで望んだ長編映画です。

 長い映画のため、二日間に分けて鑑賞しました。なかなか迫力のある映画でした。銀行再編という大きな波の中で、企業が生き抜くためにはたとえ親・兄弟であっても手段を選ばぬ、という企業論理を地でいく万俵大介は迫力満点でした。時と場所によって言う内容をゴロっと変えるポーカーフェイスもたいしたものです。

 山本薩夫監督は、これだけのキャストを良く集めてさばいたと思います。それほど豪華な顔ぶれ。
 山本薩夫監督は、同時代的な社会的テーマを大きなスケールで映画化できる数少ない監督の一人だと思います(「戦争と人間」等)。
 同じ山崎豊子さんの小説に『沈まぬ太陽』があります。是非とも映画化してほしいスケールの大きい物語です。名前を挙げるとしたら、山本監督が最適でなないかと思うのですが、既に故人となっていては、叶わぬ願いです。
2007年4月4日(水) at 06:13 

グッド・ウイル・ハンティング/旅立ち / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
グッド・ウイル・ハンティング/旅立ち 鑑賞 BS2にて 2007.3.6 (32/150/年)

1997年 アメリカ映画 127分
監督 ガス・ヴァン・サント
脚本 マッド・デイモン/ベン・アフレック(アカデミー賞脚本賞)
出演 ロビン・ウイリアムズ/マッド・デイモン/ベン・アフレック/ミニ・ドライバー/他

 グッド・ウイルは20歳、学校の清掃や建物の解体作業などをして暮らしている。男友達三人といつも一緒だ。廊下に張り出された宿題をいとも簡単に解いてしまうほど類まれな数学の知識を持っていたが、対人恐怖なのか、生かそうとしない。暴力事件を起こして保護観察になったウイルは、妻を亡くして自信を無くしている教師と出会う‥‥。

 20歳の青年の心の悩みと成長を描いたヒューマン映画。マッド・デイモンが大ブレイクした映画でもあります。ベン・アフレックも同様。相談役のロビン・ウイリアムがいい役をしています(アカデミー賞助演男優賞を受賞)。脚本を彼ら二人が共同執筆していきなりアカデミー賞脚本賞を受賞しています。青年の心の成長が周りの人物との関わりでうまく表現されています。

 2度目か3度目の鑑賞です。何度観てもいい映画です。

推薦度★★★☆☆(2度目につき

2007年3月7日(水) at 12:19 

グエルム−漢江の怪物− / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
グエルム−漢江の怪物− 鑑賞 レンタルDVDにて 2007.3.2 (29/150/年)

2006年 韓国映画
監督 ボン・ジュン
出演 ソン・ガンボ/ビョン・ヒボン/バク・ヘイル/他

 韓国の河・漢江に米軍が大量のホルムアルデヒドの劇薬を廃棄した。5年後、漢江の畔に巨大な魚に似た怪物が出現する。逃げ惑う市民。漢江の畔で出店を経営する一家に娘がいた。娘が怪物に飲み込まれてしまった父親は必死に捜索するのだが‥‥。

 韓国製パニック映画です。魚が突然変異によって巨大な怪物に変身して暴れ回る特撮場面を鑑賞する映画です。ゴジラのように大きくはなく、人間を飲み込める程度の怪物。人間を襲ってくると思えばエイリアンのようなスタイルで下水溝に生息しているような、人間をコレクションしているような、不思議な怪獣です。人間の方は何処までもドジでうまく行かない連中が集合しています。
 変わった映画ですが、韓流と同じ国から発信されたパニック映画ということで、韓国映画の幅を見せる映画として値打ちがあるのかも知れません。

推薦度★☆☆☆☆
2007年3月3日(土) at 08:09 

嫌われ松子の一生 / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
『嫌われ松子の一生』鑑賞 レンタルDVDにて 2007.2.19 (24/150/年)

2006年 邦画
監督 中島哲也『下妻物語』
原作 山田宗樹
出演 中谷美紀/瑛太/伊勢谷友介/香川照之/市川実日子/黒沢あすか/柄本明/木村カエラ他

 昭和22年11月福岡県大野島で生まれた川尻松子。妹の久美は身体が弱かった。父恒造は久美を可愛がっているように松子には見えた。学校の教師に成長した松子。修学旅行でお金が無くなる事件が発生する。担任クラスの龍が疑われるが、松子の質問に答えない。松子はとりあえずお金を返すことにして「自分が盗んだ」とその場を治めたはずだったが、足らず分を教師のサイフから寸借したことが分かって教師をクビになってしまう。家から飛び出して、東京へ。松子の数奇な人生のスタートだった‥‥。

 独特の編集方法で構成された映画。CG・アニメ・短いカットの組み合わせで物語が展開していきます。ワンシーンが短くセリフも短い。花で飾られた架空のカットも多い。松子の波乱に富んだ人生を2時間の映画に収めるためにはこうした構成が不可欠なのかも。新感覚の映画を観た思いです。それでいて松子の歩んだ道がしっかりと伝わってきます。松子を熱演している中谷美紀が光ります。独特のひょっとこ顔は驚いた時にとっさに出る表情です。

推薦度★★★☆☆
2007年2月20日(火) at 12:21 

機関車先生 / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
機関車先生 鑑賞 レンタルDVDにて 2006.8.30 (115本目/150本/年)

2004年 邦画(同制作委員会)
監督 廣木 隆一
原作 伊集院 静
出演 吉岡誠吾 堺正章 倍賞美津子 伊武雅刀 他

 瀬戸内海に浮かぶ島・葉名島。第二次大戦中に島を脱出した夫婦の子どもが代用教員となって島を訪れる。吉岡誠吾は剣道の達人だが試合中「突き」によって声を奪われ、話すことができない。島の子どもたちは「口をきかん先生」ということで「機関車先生」と名づける。8人の子どもたちを相手にして授業が始まった‥‥。

 伊集院静の原作を映画化したものとのことです。「口をきけない」先生と子どもたちとの交流、機関車先生の親夫婦が島に残した足跡、漁業で生計を立てる島人の暮らし振り、子どもの世界などが静かに描かれていきます。8人の子どもたちが走り回る姿や飾らない言葉が印象的です。教師にとって、言葉を使わないで授業を行うことがいかに大変か、これは想像するだけで分かります。
 昭和30年代の時代設定。初期のテレビジョン画面から「月光仮面」の歌が流れてきていましたから、丁度、今の団塊の世代が8人の子どもたちに相当する頃ではないか、と思います。
 美しい島の景色と楠の巨木、こじんまりした小学校の風景、狭く続く石の階段、そうした背景画面を楽しむ映画でもあります。

推薦度★★★☆☆
 
2006年8月31日(木) at 22:15 

ガール・ネクストドア(隣りのお嬢さん) / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
ガール・ネクストドア(隣りのお嬢さん) 鑑賞 レンタルDVDにて 2006.8.29 (114本目/150本/年)

2004年 アメリカ映画 110分 日本未公開
監督 ルーク・グリーンフィールド
出演 エリシア・カスバート エミール・ハーシュ(卒業の朝) ティモシー・オリファント他

 高校生マシューは優等生(生徒会長)で有名大学をめざしている。友人3人で三脚と呼んではいるが、勉強以外では、想像は働くが冴えないと思っている。そんな折、彼の家の隣りにダニエルと名乗る可愛い女性が引越ししてきた。一目ぼれしたマシュー。友だちがけしかけてデートを申し込んだりする。そのうち、彼女がAV女優であることが分かりショックを受けるマシュー。そんなダニエルの前に怪しげな男ケリーが現われる‥‥。

 青春ラブコメディです。日本未公開とのこと。邦題は『隣家のダニエル』でどうですか。隣りに引っ越してきた女の子に振り回されながら、彼女を好きになったことで、見えない周りが見えてきて、最後の学園生活をエンジョイしていく物語です。友だち3人組も楽しい。特に映画監督をめざす友人が楽しい。怪しげな男ケリーが大人の世界を垣間見せて、厚みを増しています。気楽に楽しめた映画でした。

推薦度★★☆☆☆

2006年8月30日(水) at 12:39 

キング・コング / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
キング・コング 鑑賞 レンタルDVDにて 2006.8.6 (106本目/150本/年)

2005年 アメリカ映画 134分
監督 ピーター・ジャクソン
出演 ナオミ・ワッツ ジャック・ブラック エイドリアン・ブロディ他

 1933年のニューヨークの話。映画監督カールは、脚本家ジャックと新人女優アンを巻き込んで、映画で一発逆転を狙う撮影航海に出発する。舟が着いたのはスカル・アイランド。うっそうと茂る樹木と30メートルの壁。島に生息するのは‥‥。

 アメリカ映画で第6作目となる伝統の映画です。今回は監督がロードオブザリングのピータージャクソンであるのが、ミソの映画です。ナオミ・ワッツが一人熱演しています。キングコングは実写とCGの組み合わせだと思いますが、表情などよく出来ています。

 スカルアイランドに生息する生物と侵入者の人間との闘いが一つの見物となっています。

 見世物映画といったら言い過ぎでしょうか。ストーリーを変更することはできない中での奮闘は拍手します。

推薦度★★☆☆☆
2006年8月7日(月) at 06:16 

コーラス / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
コーラス 鑑賞 BS2にて  2006.8.1 (105本目/150本/年)

2005年 フランス映画 96分
監督 クリストフ・バラティエ
出演 ジェラール・ジュニョ フランソワ・ベルレマン ジャン・バティスト・モニエ マリー・ビュネル

 世界的指揮者となっているピエールは母の葬儀に帰ってきた。そこへ古い友人ベビンが訪ねてきた。一冊の日記を携えて。音楽教師だったマチューのもの。ピエールはその日記の頁を開く。
 1949年のフランス。「池の底」という寄宿舎に音楽教師マチューがやってきた。校長は管理教育を徹底している。「やられたらやりかえせ」。マチューは疑問を感じる。マチューは生徒に歌を歌わせようとする。ついてこない生徒を何とか歌に向かわせようと努力するマチュー。学校の問題児ピエールは、実は素晴らしい歌声を持っていることを発見する‥‥。

 コーラスは2度目の鑑賞ですが、「天使の歌声」と呼ばれるボーイソプラノのピエールの歌声がとにかく素晴らしい。役柄は問題児でどこか憂愁の顔をしていますが、リヨンのサンマルク少年少女合唱団の現役団員が選ばれて出演しているとのこと。

 教師役マチュー役のジェラール・ジュニョは、少し道化気味に演技していますが、教師としての暖かさが感じられます。適役です。

 この映画はサウンドトラック盤を購入する値打ちがあると思います。

推薦度★★★☆☆(4つ星映画ながら2度目なので)

 
2006年8月2日(水) at 05:26 

キッド / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
キッド 鑑賞 BS2にて 2006.7.26 (102本目/150本/年)

1920年アメリカ映画54分
監督 チャーリーズ・チャプリン
出演 チャーリーズ・チャプリン他

 キャプリンは一人暮らし。街を歩いていて「赤ちゃん」を拾う。「この子をよろしくお願いします」の手紙。見放そうとするが警官に見つかったりしてうまく行かない。結局自ら育てることにする。5年後、子どもは成長して今や家族の一員。ガラスを割って父親がガラスを販売するコンビ。母親は今やスターとなっているが昔捨てた子どもが気になって仕方がない。ある時、チャリティーで子どもと遭遇するがそんな事情は互いに分からない。‥‥。

 チャプリンの無声映画です。1920年の作。実に86年前の映画です。それだけでも貴重な映画です。帽子とステッキと靴、燕尾服という独特の出で立ちで既に登場しています。目を黒く塗っているのも同じ。チャプリンが拾った子どもを育てる親子愛のストーリーで、喜劇性よりもドラマ性に重きをおいているように見えました。時々、大きな文字でセリフが入るのは、これが無声映画と、新鮮です。
 このあと、円熟味を増していく初期の作品として、興味を持って見ました。

推薦度★★☆☆☆
2006年7月26日(水) at 12:20 

君の帰る場所 アントワン・フィッシャー / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
君の帰る場所 アントワン・フィッシャー 鑑賞 レンタルDVDにて 2006.7.20 (101本目/150本/年)

2002年 アメリカ映画
監督 デンゼル・ワシントン
出演 デレク・ルーク ジョイ・ブライアント デンゼル・ワシントン サリー・リチャードソン アール・ビリングス

 アメリカ海軍の水兵アントワンは喧嘩っ早くて、いつも同僚とトラブルを起こし、降格などの処分を受けている。今回の処分は精神科医に通うというものだった。担当医ダヴェンポートが聞く問いに「家族はいない。岩の下で生まれた」と心を開かない。彼には気になる女の子がいた。同じ軍隊にいるが、声をかけるタイミングを計っている。担当医に生い立ちを語るように促されたアントワンは、次第に担当医の問いに答えるようになる。その生い立ちは、何と過酷な内容であることか‥‥。

 監督がデンゼル・ワシントンです。出演兼監督です。アントワンが語る生い立ちの記がすごい。過去の全てを断ち切っているアントワンが「心を開いて帰ることのできる場所」を見つけることができるのか、をテーマに描いています。アントワンが自らのルーツを掘り当てた時、そこに待っていたものは何か。

 担当医自身も奥さんとの関係で問題を抱えているようですが、それは余り浮き上がってきません。監督業に忙しいデンゼルワシントンでした。

推薦度★★★☆☆

 
2006年7月22日(土) at 06:15 

逆境ナイン / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
逆境ナイン 鑑賞 2006.6.25 CATVにて (87本目/100本/年)

2005年 邦画
監督 羽住英一郎
出演 玉山鉄二 堀北真希 田中直樹 藤岡弘他

 全力学園の野球部は弱小につき、廃部を言い渡される。キャプテン不屈闘志は、校長の前で「甲子園出場」を宣言する。9名の部員で可能かどうか、ではなく、決めたら出るのが不屈の生き方です。特訓くらいで野球が上手になるかは、問わずに、マネージャーの月田に恋心を抱いたり、ハチャメチャだが、最後には男・不屈が、決まるから不思議だ‥‥。

 スポーツ根性モノの漫画(原作は島本和彦)を「海猿」の羽住監督が映画化したものです。コメディには違いないが、実写で撮る映画で表現するにはちょっと無理があったんじゃないかな、と思いました。ハチャメチャを実写で映像化するのは、非常に難しいのです。

 この種の映画は笑いを取れないと、観るほうがしらけてしまいます。30分で止めようかと思いながら、とにかく最後まで観ましたから、関心です。

 「タッチ」は未見ですが、比較してみようと思います。

推薦度★☆☆☆☆
2006年6月26日(月) at 12:20 

クラッシュ / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
クラッシュ 鑑賞 高槻市生涯学習センターにて 2006.6.8 (80本目/100本/年)

2005年 アメリカ映画 112分
監督 ポール・ハギス(ミリオンダラーベイビーの脚本家)
出演 サンドラ・ブロック ドン・チードル マット・ディロン他

 冬のロス・アンジェルス。黒人刑事のグラハムは恋人マリアと交通事故に遭遇する。ペルシャ人の雑貨店経営者ファハドは娘とともに拳銃を購入するため銃店に入る。白人を敵視する黒人青年アンソニーと友人ピーターは白人乗用車の乗っ取りを計る。地方検事のリックと妻ジーンは母を訪れる。黒人を差別する白人警官ライアンと同僚ハンセンは高級乗用車を止める。裕福な黒人夫婦キャメロンとクリスティンは車を止められ、尋問を受ける。カギ屋は銃に怯えている子どもにマントの話をする。等々の人々が行動を起こす時、何かが始まる。

 2005年のアカデミー賞作品賞・脚本賞受賞作品です。月一シネマで鑑賞しました。

 7組から8組の、人種も仕事も収入も生きがいも違う人たちが織り成す人間模様。本音なのか会話の装飾なのか、人種差別の言葉が派手に飛び交い、ロスは人種のルツボであることを描いていきます。それらの人々が偶然交差する時、その人の人生は思っても見ない方向へ転んでいってしまうのです。

 群像劇をみているようで、登場人物をストーリーに位置付けるのが大変です。彼らが交差する時、あの時のあの人、となっていきます。「衝突する」両者を知っている構成。

 黒人を蔑視してやまない差別警官が事故を起こした自動車から黒人女性を身体を張って助ける。逆に、そんな彼を非難していた青年警官がふとしたことで黒人青年を殺害してしまう。気持ちとは別の思わぬ方向へ進んでいくのが人間であり人生なのだと、人の多面性を描く映画です。

 雑踏のような世界を描いていて、これがロスと言う都市か、とちょっと怖くなりました。

推薦度★★★☆☆
2006年6月9日(金) at 15:48 

影のない男 / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
影のない男 鑑賞 レンタルDVDにて 2006/4/29 (63本目/100本/年)

2004年 ドイツ映画
監督 ネナン・ヤポ
出演 ヨアヒム・クロール、ナディヤ・ウール、クリスチャン・ベルケル、ルドルフ・マーティン他

 ヴィクトールは7歳の時に両親を殺され、その年に復讐を遂げている。秘密警察のある人物が殺されるが、内偵中だったのに警察は犯人さえつかめなかった。一緒にいた女性が疑われるが、ラング刑事はプロの仕業だと決め付ける。ヴィクトールに次の仕事が来る。ギャングの親玉を消すこと。ヴィクトールと殺さなかった女性とラング刑事と次の犯罪と。絡み合って進展していくが、落ち着く先は‥‥。

 珍しいドイツ映画のサスペンス・アクション映画でした。プロの殺し屋と刑事と女性と、組み合わせは新しくありません。殺しの手口が計算されて繊細というところが新しいか。プロの殺し屋なのにそれらしくないところもいいのかも。

推薦度★★☆☆☆
2006年5月1日(月) at 21:34 

殺しのベストセラー / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
殺しのベストセラー 鑑賞 CATVにて 2006/3/9 (39本目/100本/年)

1987年 アメリカ映画 日本未公開
監督 ジョン・フリン
出演 ジェームズ・ウッズ ブライアン・デネヒー ビクトリア・テナント他

 1972年、ロス警察の証拠物件保管所が襲われる。警官3名射殺。残り1名の警官デニスは2発の銃弾を浴びながら犯人をナイフで刺すなど格闘するが、大金は強奪され、瀕死の重傷となる。デニスはこの事件を本にしたところ、ベストセラーとなり一躍ベストセラー警官となった。
 15年度、デニスの前にクリーブと名乗る男が現れる。彼は、自分をモデルとする小説を書くなら、ある男の過去を暴露すると持ちかける。15年前の事件の首謀者というのだ。それは本当だろうか。

 ハードボイルド・アクション映画。冷酷無比の殺し屋とベストセラー警官という奇妙な取り合わせで、過去の事件の真相を小説に現わして暴くという特異な要求は本当に実現するだろうか。

 日本未公開とのこと。殺し屋は殺人が仕事だとはいえ、これだけバンバン殺られると、ちょっとウンザリ。ベストセラー警官は最後までしっかり意思を貫いていて、好感が持てます。物語性という点ではもうひとつかな。

推薦度★★☆☆☆


2006年3月9日(木) at 23:26 

君よ憤怒の河を渡れ / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
君よ憤怒の河を渡れ 鑑賞 CATVにて 2006/2/19 (33本目/100本/年)

1976年 大映(永田プロダクション)
監督 佐藤純弥
原作 西村寿行
出演 高倉健 中野良子 原田芳雄 大滝秀治 岡田英次 池辺良他

 街を歩いていて突然「この人が私の指輪を取った犯人!」とゆび指されたのは現職検事である。交番で本庁の刑事を呼ぶが、次に「カメラを盗まれた」と被害者の面通しがあり「この人だ!」とまたも名指しされる。本庁に連行され、家の家宅捜索に同行すると、家からはカメラと指輪が発見される。無実を叫びながらも、その場から脱走する検事。ここから彼の困難極める逃避行と、無実を証明するための犯人探しの長い旅が始まったのだった‥‥。

 「君よ憤怒の河を渡れ」に主演した高倉健はこの映画で中国では最も知られた日本俳優となったと言われています。中国では1978年公開。日本映画第一号とのこと。中国の映画監督チャン・イーモウ氏が、その高倉健を主演にした映画「単騎、千里を走る」が公開されて、もう一度、この映画に関心が集まっています。そういうこともあって見た映画。封切り当時も観たと思いますが、忘れていました。

 無実の罪を晴らすために、真犯人探しをする日本版「逃亡者」の雰囲気。彼を手助けする北海道の事業家の娘・中野や、本庁刑事が徐々に真相に近づいて協力していくとか、周りの援助があって段々と核心に近づいて行きます。
 最後はハードボイルド小説独特の処理となっています。
 それと、挿入音楽が何とも独特です。場面の雰囲気に本当に合っているんでしょうか。それでも中国で音楽も人気になったということですし、あれでいいんでしょう。

推薦度★★★☆☆
2006年2月20日(月) at 12:17 

カーテン・コール / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
カーテン・コール 鑑賞 高槻市生涯学習センターにて(四つ星シネマ例会) 2006/2/17  (31本目/100本/年)

2005年 邦画 111分
監督 佐々部清(半落ち・四日間の奇跡)
出演 伊藤歩 藤井隆 鶴田真由 奥貫薫 津田寛治 藤村志保 夏八木勲他

 下関出身の香織は東京で出版社に勤めている。ある時、福岡への転勤を命じられた。タウン誌の編集の仕事である。任されたのは「懐かしマイブーム」の投稿を記事にすること。はがきの中に「昭和30年代〜40年代、下関の映画館『みなと劇場』というころで、幕の合間に歌を歌う芸をしていた人がいた」という投書があった。香織は下関の劇場に向かった。切符切りをしている絹代から安川修平という名前を聞く。絹代の話は昭和40年の途中で途切れてしまう。そのあと、香織の育った町でもある下関で何があったのか。

 四つ星シネマの例会での鑑賞。入場はギリギリでしたが、8部の入りで、前の方で見られました。
 幕の合間に歌を歌って間を持たす芸人がいた、という所から話は始まって、見初めた良枝と修平が結婚して美里が生まれるが、映画の斜陽とともに修平は職業を失い、良枝は病に倒れる。大きくなった美里の口から父と良枝との結婚や、父との生活と別離、一人で育った美里は父を恨んでいる、と物語は親子のあり方に発展していきます。背景には民族問題が絡んでいて根を深くしています。

 まじめ映画で、楽しい幕間芸人の一代記を思いきや、在日の民族問題が背景となった、恋愛・結婚・職業・生活をめぐる葛藤というテーマがあって、主人公・香織のかっての恋人も在日だったという絡みも出てきて、親子のめぐり合い映画としては、深い内容のものだったと思います。いつも笑顔の若き修平を藤井隆が好演していました。

推薦度 ★★★★☆
2006年2月18日(土) at 17:46 

交渉人 真下正義 / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
交渉人 真下正義  鑑賞 レンタルDVDにて 2006/1/15  (7本目/100本/年)

2005年 東宝
監督 末広克行
出演 ユースケ・サンタマリア 寺島進 高杉豊 国村準 金田竜之介他


 警視庁で初の交渉課準備室が設けられた。真下正義が警視庁交渉人(アゴシエーター)として認知された形だ。2004年12月24日のクリスマスイブの日。新鋭実験車両(通称クモ)が何者かに乗っ取られる。情報を得た警視庁は、真下チームをダイヤ指令センターに送る。責任は室井管理官が取ると。
 犯人が連絡してきた。真下を出せと。交渉人と犯人との「ゲーム」が始まる。東京地下鉄には公表されていない線路があることが明らかになる。爆弾が爆発する。一回目は小規模だったが、木島警視は3回あると「カン」を頼りに必死に追いかける。犯人の意図は何か、どこを爆破しようというのか。

 人気シリーズ「踊る大捜査線ムービー」のNO3ともいうべき映画。エゴシエーター・真下正義に焦点を当てて、犯人とのシーソーゲームを映画にした。地下鉄駅の目まぐるしいまでの移動カメラと、指令センターに陣取った真下の落ち着き払った態度。その態度で犯人とやり取りしてヒントを引き出し、狙いを絞っていく。過去の名映画のタイトルやシーンがヒントに使われています。どれもインターネットで即座にデータを入手して対話できるすばやさは楽しい。ただし、不満があります。
 それは、誰かが述べていましたが、結局誰が問題を解決したか、それが「勘」だとは何とも情けないではないか、ということ。
 それと、真犯人像が不明というのも納得できない。消化不良である気がします。事件と犯人像とは切っても切れないからこそ謎を追うのです。結末の展開を逃げている感じがします。
 そして、映画として必要な情緒・人間・感情が描かれていないと感じるのが、ちょっとね。

推薦度★★☆☆☆
2006年1月16日(月) at 12:01 

北の零年 / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
北の零年 鑑賞 レンタルDVDにて 2006/1/13 (5本目/100本/年)

2005年 東映映画
監督 行定勲
出演 吉永小百合 豊川悦司 柳葉敏郎 石原さとみ 石田ゆう子 石橋連司 香川照之 渡辺謙


 明治維新の淡路島・稲田藩。徳島藩との内紛で北海道・静内への移住を命じられる。500人余を乗せた船が北海道をめざす。小松原志乃は娘の多恵とともに、先発隊で渡っていた小松原英明と合流する。「殿が来るまで」「我らが国をつくろう」が合言葉だったが、北海道の自然は厳しい。淡路島の作物は育たない。稲田家の屋敷はできたが、第2船は難破してしまう。その殿から廃藩置県を知らされる。武士を捨てる覚悟をする。


 明治初期の北海道・静内を舞台に、武士階級が崩壊していく様を織り交ぜながら「我らが国」を作るという「夢」に向って、夢も追いつづければ現実となる、という志乃と、「夢は所詮たわ言」と言い放す小松原英明とを、対照的に描きながら、物語は進んでいきます。志乃の生き方への共感が、入植者全員の生活力を伴った時、未開の地北海道に生活が根付くのですが、それはそんなに簡単なことではないことを、映画は語っています。
 吉永小百合さんの11本目の映画だとのこと。迫力ある演技で大地に夢を追い求める姿を熱演していました。

推薦度★★★☆☆ (2度目の鑑賞ですので)
2006年1月13日(金) at 12:27 

コーラス / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
コーラス 鑑賞 レンタルDVDにて 2006/1/8 (1本目/100本・年)

2004年 フランス映画
監督 クリストフ・バラテイエ
出演 ジェラール・ジュジョ、フランソワ・ベルレアン、マリー・ビュネル他

 1949年のフランス。戦後4年、ある寄宿舎の話。「池の底」とヤユされている寄宿舎。孤児らが暮らしている。そこへマチューという新任の音楽教師がやってくる。生徒たちのいたずらに迎えられるが、校長の管理教育「やられたらやり返せ」に疑問を持つ。音楽を封印していたマチューだったが、自らの作曲の歌を子供たちに歌わせようと、歌唱指導を始める。子供の中にビエールという子がいた。彼は不良ぶっていたが、歌が好きなのがわかる。彼の声は「天使の声」ともいえるボーイソプラノ。彼の音楽の才能を見抜いたマチューは、働く母親に好意を持ちながら、音楽学校入りを進めるのだった。

 フランスで絶賛をもって迎えられた秀作。1949年当時の寄宿舎で、一音楽教師が生徒の才能を見抜いて伸ばしてやろうとする、両者の交流がいい。映画のトップ画面で、今や世界的指揮者となったビエールと友人ベピノ(孤児でやがてピエール教師の養子となった)が音楽教師の日記を読むところから始まっています。彼らの50年前の話として展開する手法です。リヨンにあるサン・マルク少年少女合唱団がサントラで歌っているとのこと。少年ビエールを演じたジャン=バティスト・モニエはそこの団員だとのこと。実際に素晴らしい歌声です。
 私は、教師役を演じたジェラール・ジュジョの名演に拍手を送りたい。『バティニョール叔父さん』の主役の人です。どこか喜劇的で三枚目役で、画面を柔らかく包み込む力をもっています。

推薦度★★★★☆
 
2006年1月8日(日) at 09:57 

皇帝ペンギン / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
皇帝ペンギン 鑑賞 レンタルDVDにて 2005/12/24  (101本目/100本/年)

2005年 フランス映画
監督 リュック・ジャケ

 南極大陸に暮らす最も大きい種類である皇帝ペンギン。カメラは彼らの集団行動を黙って追う。3月末、南への大移動を始める。安全な氷山の地で、ツガイを確認し卵を産み育てるために。100kmに及ぶ距離をひたすら歩くペンギンたち。そうしてたどり着いた約束の地ではダンスを踊る。オスが少ないための争いもある。卵を産んだが、外は極寒。足元の毛の中で温める。卵は今度は雄に預けて、メスは食料調達の旅に出る。また、100kmを歩きとおす道だ。その間、オスは食料なしで過ごす。卵が孵り、鄙がが生まれる。懸命に守るオス。母親が帰って来るまで持つかどうかが勝負。やがて、母親が帰り、次はオスが自分の食料到達の旅に出る。母親の元で、大きくなる雛。やがて、一人立ちの日を迎える。海に入る雛たち。これから4年、海で泳ぎ続けるために。

 ストーリーで書くとこんな感じです。とにかく、監督と撮影スタッフのフランス人に乾杯。よくぞ映像化したものだと思う。極寒の地・南極で、これだけのことをフィルムを収めるには、この50〜100倍は撮影したということ。大変な努力です。
 大自然とともに、自分たちの法則を守って生きるペンギンたちの姿が本当に生き生きと描かれています。

推薦度★★★☆☆
2005年12月24日(土) at 22:22 

カレンダーガールズ / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
カレンダーガールズ 鑑賞 レンタルDVDにて 2005年12月4日(日) (94本目/100本/年)

2003年 イギリス映画 108分
監督 ナイジェル・コール
出演 ヘレン・ミレン、ジュリー・ウオルターズ

 イギリス北部にあるヨークシャーのある町。クリスとアニーは婦人会の親友。クリスの夫は白血病で亡くなっている。アニーはクリスの夫を偲ぶために、白血病対策の基金を集めようと提案する。しかも、自分たちのカレンダーの収益金によって。ヌードカレンダーの提案に戸惑う女性たちも、ついに撮影を決意する。完成したカレンダーは話題を呼び、マスコミが殺到する。遂には、ハリウッドまで。しかし、クリスは何か違和感を感じていた。

 痛快な映画といったらいいでしょう。イギリスにあった実話がもとになっている映画とあります。カレンダーによる自己主張が見事に実を結んで、生活に張りを持ち、そして自分の家族を考え直すきっかけになった、という映画です。物語の展開が外へ外へと向っていく映画ですが、内へも向くことも忘れてはいません。
 楽しく見ました。

推薦度★★★☆☆
2005年12月5日(月) at 12:17 

長編アニメ ガラスのウサギ / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
長編アニメ ガラスのウサギ 鑑賞  大津市生涯学習センターにて
2005年12月4日(日) (93本目/100本/年)

監督 四分一節子
出演 (声)竹下景子、最上莉奈、原康義他
原作 高木敏子著『ガラスのウサギ』(金の星社)

 東京に住む江井敏子は12歳。父竹雄はガラス工場を経営している。母・ヒデと長男恒夫、次兄行雄、妹信子、妹光子の5人兄弟で家族7人で暮らしている。1939年、太平洋戦争が始まり、長男と次男が志願兵として出兵する、学徒出陣で近くの音楽と本が好きな大学生が出征していく、学童疎開が始まり、家族がバラバラになる、父親は満州へ、空襲が始まり、防空壕へ逃げる住民、3月10日の東京大空襲は家族を襲い父親が助かるが、二宮駅で機銃掃射に会う、一人ぽっちとなった敏子、やがて8月15日を迎える、東京で次兄と再会、秋保の田舎暮らしは過酷な毎日、長男が帰って来るが秋保へ帰っていく‥‥。

 1939年の太平洋戦争突入から1947年の新憲法制定までを描く長編アニメ。原作はロングセラーとなっている同名の児童文学です。戦後60年の節目の年に、太平洋戦争と憲法について考えるきっかけに、と製作されたようです。
 アニメはいろいろな事件を描きながら淡々と流れているようですが、お父さんを荼毘にするために薪を集めるシーンはジーンときました。

 主催者の挨拶の中で、私は満州東北部でソ連軍と戦闘を行った(ノモンハン事件?)。兵隊2千人のうち数十名の帰還兵がいるのみの激しい戦闘だった。私は奇跡的に生き延び、終戦を迎えたが非常に酷い状況だった。兵隊はすでにとっくに引き上げ、民間人それも弱い婦女子のみが満州に残された。その引き上げは悲惨だった。という体験談がありました。想像以上の惨状だったと強調されていました。印象に残るあいさつでした。

推薦度★★★☆☆
2005年12月4日(日) at 22:24 

ガタカ / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
ガタカ 鑑賞 WOWOWにて 2005年12月1日(木) (91本目/100本/年)

1997年アメリカ映画
監督 アンドリュー・ニコル
出演 イーサン・ホーク、ユマ・サーマン、ジュード・ロウ、ゴア・ヴィダル他


 近未来社会では、両親のDNAを組み合わせることで優秀な子どもが作られていた。自然に出来た子どもには劣勢遺伝があるとして「不適正者」の烙印を押される。自然児ビンセントは、宇宙飛行士になる夢があったが、不適正者に未来はない。そこで、事故で下半身が不自由となったユージンと取引して彼の身体情報をもらうことで、ジェロームとして適正人間になりすます。宇宙をめざして「ガタカ」社に見事入社。内部検査も潜り抜けていく。そんな時、殺人事件が起きて社内に不適正者がいることが判明する。

 DNA鑑定によって全てを決めてしまう社会は何とも怖い社会です。生まれながらにして、全てが決まってしまう階級社会と全く同じ。科学の名前が語られるだけで、時代は明らかに逆流しています。自然児であることがなぜ「不適正者」なのか。劣勢遺伝が種の多様性の表現でもあると思うのですが。
 映画のタイトルとなっている『ガタカ』とは、主人公が入社する会社名ですが、それは、DNAを決定付ける4つの要素の頭文字から取った社名であるとのこと。内容を象徴するタイトルです。
 全てが人間の話であるだけに、何とも怖い話でした。

推薦度 ★★☆☆☆
2005年12月2日(金) at 12:16 

コールドケースが面白い / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
「コールドケース」が面白い  2005年11月11日(金)

 火曜日の午後8時からNHKBS2で放送されている「コールドケース」を面白く見ています。
 アメリカの連続TVドラマシリーズで、一回完結の物語です。コールドケースとは、迷宮入りした事件の意味。過去の事件を洗い直し、丹念に追っていくことで新事実を発見して、そのことを糸口にして紐解いて事件を解決していく話です。
 一件完結の45分の物語ですが、展開もしっかりしているし、謎解きに飛躍や無理はなく、なるほどと進んでいく気がします。
 TVドラマ「24」の対極として、こんな形もいいなと思っています。
2005年11月11日(金) at 12:21 

キング・アーサー / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
キング・アーサー 鑑賞 WOWOWにて (84本目/100本/年)

2004年 アメリカ映画 126分
監督 アントワン・フークワ
出演 クライヴ・オーウエン、キーラ・ナイトレイ、ヨアン・グリフィズ、ステラン・スカルガルド他


 西暦415年、ブリテン島。ここではローマ帝国のローマ軍とローマからの独立を求めるブリテン島のウオード、それに異民族のサクソン族の三者が闘いを繰り広げていた。ローマ軍の司令官アーサーは円卓の騎士とともにパドリアヌスの城壁を守っていた。15年の兵役が切れて、故郷へ帰る日が来た。ローマ法皇からの使いは、しかし最後の使命を与える。敵軍に囲まれた中からローマ人一家を救出せよ、と。死を意味する使命に敢然と挑むアーサーと騎士たち。そこで、囚われの身となっていたウオードのグウイネビアと出会う。一行を連れた逃避行が始まる。すぐにサクソン民族が迫っていた。氷の湖を渡る一行。そこで戦闘となる。


 この映画は3回目の鑑賞です。封切時・レンタル開始時・WOWOWと3回。ブリテンに住むウオードが自由に住む土地を確保するための闘争の話です。筋立てが分かっていると、細かい所に目がいくようになります。封切時には騎士といえば中世だから、ローマ帝国と合わずに、時代背景がいつかなのか迷いながらの鑑賞でした。サクソン族の襲撃もフン族の大移動の話かな、と思ったりして。アーサーは父がローマ人で母がウオードだと後から知りました。時代スペクタクルという設定ですが、ウオードに視点をおいて映画を見ると、ローマ人も含めて侵略者が誰か見えてきます。

推薦度 ★★★☆☆
2005年10月31日(月) at 06:05 

キングダム・オブ・ヘブン / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
キングダム・オブ・ヘブン 鑑賞 レンタルDVDにて (79本目/100本/年)

2005年アメリカ映画
監督 リドリー・スコット
出演 オーランド・ブルーム、エヴァ・グリーン、ジェレミー・アイアンズ、リーアム・ニーソン、ハッサン・マスード他

 12Cのイタリア。バリアンは鍛冶屋をしている。妻と子を亡くしてしまった。そこへ、父を名乗る男が現れる。聖地エルサレム王国の騎士だという。誘いに乗って聖地に向かうことに。そこは、十字軍の遠征によってイスラムが占領し「王国」を築いて100年。王が病気にかかり、サラセンの王サラディンが奪回を狙っていた、混乱の前触れの土地だった。バリアンは騎士イベリンの子として迎えられた。国内は、戦闘派がサラセンの商隊を襲い、一発即発の危機になっていく。バリアンは人望を集め、除々に力を付けていく。聖地エルサレムを巡るサラセンとの戦争は不可避なのか。


 時代を12世紀のエルサレムに置き、イスラム教とキリスト教の宗教対立を背景に、聖地占領をめぐる領土争いの戦争スペクタクルに仕上がった映画です。オーランド・ブルームがエルサレム王国を守る騎士として主演しています。CGを使った戦争シーンが迫力があります。
 サラセン帝国の王サラディンが敵王として重要な役割を果たしています。騎士道はキリスト教だけではないと。
 聖地の役割や宗教対立のことは全く分かりませんが、娯楽・時代スペクタクルとして画面を楽しみました。

推薦度 ★★★☆☆
2005年10月15日(土) at 05:40 

君に読む物語 / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
君に読む物語 鑑賞 レンタルDVDにて (77本目/100本/年)

2004年 米映画 123分
監督 ニック・カサヴェテス
出演 ライアン・ゴズリング、レイチェル・マクアダムス、ジーナ・ローランズ他


 ある特別擁護老人ホーム。認知症にかかった老婦人のために、その老人はある物語を読んで聞かしている。老婦人は「次はどうなるの」「彼女はどうしたの」と問いを発するようになる。ストーリーの展開に興味を持ってきたようだ。
 その物語とは、1940年代のノースカロライナ州。ひと夏だけ家族で訪れた資産家の娘アリーは、地元の青年ノアと出会う。貧富の差は越えがたく、青年は地元で、材木切り出しの仕事に就く以外に無い。一方のアリーはニューヨークの大学に進学を予定している。この二人が出会い・愛するようになるが、それは一時のものなのか、という物語。老人は、何故一所懸命に語って聴かそうとするのか。それは‥‥。


 語って聴かす物語は、身分の違い=貧富の差が結婚を左右した1940年代の男女のいわゆる純愛物語。語っているようにして、画面が展開していきます。その中で、老人の子供と孫が老人ホームに訪れるシーンがあります。その時、老婦人の間の採り方が、絶妙で、挨拶しながらも、この人たちは誰?といった表情をします。子供たちは悲しみの顔でお父さんに「もう帰ろう」と言います。このとき、全ての事情が飲み込めました。
 二人の青年たちの純愛物語は、渡り鳥の白鳥が湖に沢山飛来していたがやがてはまた飛び立っていくように、アリーが渡り鳥になることによって、待つ湖のノアと、白鳥のアリーの物語となっています。
 構成に気づいたあとも最後の結末までしっかり物語を引っ張って行ってくれる映画です。

推薦度★★★☆☆
 
2005年10月11日(火) at 06:10 

コンスタンティン / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
コンスタンティン 鑑賞 レンタルDVDにて (74本目/100/年)

2005年 アメリカ映画 121分
監督 フランシス・ローレンス
出演 キアヌ・リーヴス、レイチェル・ワイズ他


 コンスタンティンは超能力者。地獄の使者も天国の使者も見えてしまう。少女に乗り移った悪魔を追い出す祈祷をしている。彼自身、かって自殺したことがある。自殺した者は天国に行けないのが掟。タバコが好きで肺は真っ黒、余命1年と言われる。彼は、自ら天国へ行くために、少女を助けたりして、善行している。しかし、天国の使者からは「助けているのは自分のため」と、指摘される。彼は、天国へ行くことができるだろうか。


 何とも変った感覚の映画です。未来には違いないが、天国も地獄も見える超能力者で、自殺の経験があり、余命一年(肺がん?)で天国に行きたいがために人を助ける人物が主人公。超能力者ゆえに彼が見ることのできる世界として、現実以外の場面が沢山流れます。ストーリーを追うよりも、映像を楽しんだほうがいいのかも。2005年公開とありましたが、話題になったのかどうか。私は知りませんでした。

推薦度★★☆☆☆
2005年9月30日(金) at 13:34 

コントロール / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
 コントロール 鑑賞 レンタルDVDにて

 2005年8月2日 (62本目/100本/年)
 2004年アメリカ映画
 監督ティム・ハンター
 出演 レイ・リオッタ、ウィレム・デフォー、ミシェル・ロドリゲス、スティーヴン・レイ他

 リー・レイは麻薬強盗で多数の人を撃ち殺して、死刑の執行を受ける。しかし、目を覚ます。執行はなかったのか。神経薬理学者であるコープランドが博士は提案する。ある新薬開発試験の実験者になれば命を与えようと。アナグレスと名づけられた新薬は脳を変化させて怒り・狂気を抑え込む薬だという。実験開始。レイは本当に生まれ変わることができるのか。

 
 死刑囚を新薬開発の実験人として「生かし」て協力させる異色のサスペンスです。凶暴性が新薬によって「直る」のか。個性派の俳優が目立ちました。死刑囚役のレイ・リオッタは初めて見た顔です。ハンニバルに出演していたとのことですが、気づきませんでした。凶暴性が顔に出ています。実験をリードする学者役のウィレム・デフォーは久しぶりに見ました。痩せ顔に凄みがあります。
 新薬開発の場合効き目とともに副作用が心配されます。今回の薬はどうだったのか。映画を見ながら考えたところです。結論は最後に出ますが。

推薦度 ★★☆☆☆


2005年8月3日(水) at 23:00 

クジラの島の少女 / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
くじらの島の少女 鑑賞 WOWOWにて2005年6月9日(42本目/50本/年)
2002年ニュージーランド・ドイツ 
監督 ニキ・カーロ 原作 「ザ・ホエール・ライダー」 出演 ケイシャ・キャッスル=ヒューズ、ラウィリ・バラティーン他 
2002年トロント国際映画祭観客賞受賞、2003年サンダンス映画祭観客賞受賞 2003年ロッテルダム映画祭観客賞受賞 76回アカデミー賞主演女優賞ノミネート

 ニュージーランドの海沿いの村。マリオ族の族長の長男に赤ちゃんが生まれるところから始まる。しかし母親と生まれたばかりの長男は死亡してしまう。残されたのは一緒に生まれた長女。族長は後継ぎを望んでいた。「女では駄目」。族長と合わない長男は生まれた赤ちゃんを「バイケア」と名づけてドイツへ去ってしまう。族長のもとで育てられるバイケア。バイケアとは勇者で、昔マリオ族が新天地を求めてクジラに乗ってやって来たという伝説がある。族長の自転車に乗って学校に通う。族長はマリオ族の族長として後継ぎが欲しいため、男の子を集めてマリオ族の歴史と伝統を継承しようとする。興味を示すバイケアを族長は冷たく拒否する。海に出た男の子は族長の印を海に落としてしまう。落胆する族長。ある日、長男がドイツから帰国する。そして、バイケアをつれて帰ろうとする。


 ニュージーランドのラグビーチーム・オールブラックスは踊りを踊ります。それがマリオ族の民族舞踊です。独特の顔をして、肩を怒らして相手を威嚇する踊り。ユニークで、楽しい。
 ニュージーランドに住むマリオ族の村にも「現代化」の波が押し寄せます。その中で必死になってマリオ族の歴史と伝統を継承しようとする族長。後継ぎが女では駄目なのかをテーマにしながら話は進みます。棒による格闘技、海中への素潜り、踊り、歌などはバイケアは得意です。
 学芸会でのバイケアのスピーチは圧巻です。自らの生い立ちとマリオ族とを絡めて族長に訴える姿は「主演女優賞」ものです。
 久しぶりに、民族の誇りを保とうとする映画に、高ぶる心を感じました。

推薦度 ★★★★☆
2005年6月10日(金) at 22:37 

コラテラル / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
2005年3月13日(日)  (23本/50本/年)

コラテラル(巻き添え)鑑賞 DVDにて
2004年アメリカ映画
監督 マイケル・マン 出演 トム・クルーズ、ジェイミー・フォックス、ジェイダ・ピンケット=スミス他

ヴィンセント(トム・クルーズ)は殺し屋で仕事として殺人を請け負う。一方のマックス(ジェイミー・フォックス)はタクシーの運転手で、客と話しながら生活費を稼いでいる。マックスには病院に入院している母がいる。マックスのタクシーの客となったヴィンセントが一夜のうちに5人の家を訪ねるのに600ドル出すと持ちかけられる。いい話に乗るマックス。しかし、最初の訪問でヴィンセントが殺人を犯したことを知っていまうマックス。


この映画の主人公は、殺人者ヴィンセントではなく、タクシー運転手マックスです。今年のアカデミー賞で最優秀主演男優賞を獲得したジェイミーフォックスが演じています。少し優柔不断でヴィンセントに脅されると、断れなくなります。トムクルーズは悪役に挑戦です。プロにしては殺人のしかたがスマートではありません。証拠を沢山残したり、ダンスホールの射撃戦では殺人後よく抜けられたものと思います。

推薦度 ★★★☆☆

2005年3月14日(月) at 23:14 

解夏 / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
2005年2月27日(日)  (17本/50本/年)

解夏 鑑賞 DVDにて

2003年東宝 監督磯村一路 原作さだまさし 出演大沢たかお 石田ゆり子 富司純子 田辺誠一 古田新太 鴻上尚史 石野真子 渡辺えり子 柄本明 林隆三 松村達雄他

 東京で小学校の教師をしている隆之(大沢たかお)は幼なじみの医者博信(古田新太)の診察を受ける。診断結果はベーチェット病。視力を徐々に失っていくケースだった。隆之は大学の恩師朝村(林隆三)に会う。恋人は朝村の娘陽子(石田ゆり子)だった。陽子は研究のためにモンゴルにいた。隆之は職を辞し母(富司純子)の住む故郷長崎に帰った。やがて陽子が尋ねてきた。隆之はこの先の人生を思い悩むのだった。


 タイトルの解夏が何とも難しいタイトルだった。仏教用語で、3ヶ月の座禅に入るのが結夏、それが終わって解き放たれるのが解夏とのこと。視力を失うことへの恐怖感・絶望感からの解放が暗示されています。
 原作はさだまさしさん。長崎の街が綺麗に映像化されています。坂道や海の青やお寺や。しっとりとした映画。「私の目になって下さい」という純愛映画でもあります。本人も恋人も母親も「視力を失う」という圧倒的事実の前にたじろぎ、身の処し方が分からない。じっくりと見た映画でした。

推薦度 ★★★☆☆
2005年3月2日(水) at 12:25 

北の零年 / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
2005年2月1日(火) (10本/50本/年)

北の零年 鑑賞 TOHOシネマズ高槻にて
2005年1月15日公開 東映映画
監督 行定 勲
出演 吉永小百合 渡辺謙 豊川悦司 柳葉敏郎 石原さとみ 石田ゆり子 香川照之 他


今話題となっている『北の零年』を鑑賞しました。三時間弱の大作。明治初期に北海道に移住した徳島藩・淡路の稲田家家臣たちの物語です。未開の地に「自分たちの国をつくる」希望と過酷な自然との闘い。淡路の野菜が育たない。イナゴの大襲来。廃藩置県による武士階級の崩壊。侍が髷を捨てる。七か月に渡る北海道ロケ、ゼロから作ったオープンセットが映像に臨場感を生んでいます。主人公志乃は吉永小百合です(百十一本目の映画出演)。武士の妻から大地に生きる女性に変身する志乃を熱演しています。夫英明は渡辺謙。札幌に農業技術を学びに旅立つが帰ってきません。影で志乃と娘多恵(石原ひとみ)を助ける謎の男アシリカ(豊川悦司)がいい役どころ。志乃に牧場経営を教えるアメリカ人エドウイン・ダンは北海道に牧畜と競馬を根付かせた実在の人物とか。沢山入っていた観客は比較的高齢の方が多かった気がしました。今年推薦の邦画一作です。
推薦度 ☆☆☆☆★
2005年2月1日(火) at 21:36 

金融腐蝕列島〔呪縛〕 / 晴耕雨読

映画 > 作品名(か行)
2005年1月23日(日) (8本/50本/年)

映画 金融腐蝕列島〔呪縛〕 WOWOWにて鑑賞。
1999年 東映映画 116分
監督 原田真人 出演 役所広司 仲代達矢 椎名桔平 風吹ジュン 若村真由美 原作 高村良  

 1997年、丸野証券が利益供与した疑いで総会屋小田島が逮捕される。朝日中央銀行はこの小田島に300億円もの融資を行っていた。揺れる銀行と対応におおわらわの幹部。しかし誰も責任を取ろうとしない。影の実力者が銀行を支配している実態。役員総辞職と中山常務の代表取締役を掲げてミドル4人組が銀行改革に立ち上がる。


 導入はドキュメンタリータッチの社会派ドラマ。銀行内部の自浄作用のなさを暴いていく。映画ではミドルの活躍で、朝日中央銀行は再生をめざすが、時の経過ということかも知れないが、これが2004年の今の事件だとすると、「銀行は潰れない」という神話はすでに消えて久しく、きっとこの銀行は消えてなくなっていたと思う。

推薦度 ☆☆★★★
2005年1月24日(月) at 23:09