飛行機輸送オペレーション完了 / 山崎 哲秀
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春の訪れを告げるアッパリアスという水鳥が、5月2日にシオラパルクに飛来したと噂に聞いた。決まって5月初句に産卵のため、群れをなして飛来するのだが、よく時期を間違わずに帰って来れるものだ。産卵後、雛を育て夏の終わりと共に去っていく。アッパリアスの訪れを境にするかのようにこの時期は霧が多く発生するのだが、昨日までこの数日はカナック周辺でも霧が濃く、視界が500m程と心もとなかった。
いよいよ飛行機輸送オペの日を迎え、朝8時頃から荷物をまとめて準備に取りかかった。ローカル時間のPM3時頃、予定通りカナダKenn Borek社のツインオッター機が、思いもかけない心強い援軍を乗せてカナック飛行場へとやってきた。時間が取れないと言っていたはずが、日本から有佐が駆けつけてくれたのだ。また、カナックでいつもお世話になっているキム&トク夫妻も積込みを手伝ってくれた。色んな意味で、一人で出来ることは何もない。感謝しつつ、心地よいエンジンの音を聴きながら、ローカル時間のPM4時半頃、カナダ、ヌナブット州のレゾリュートベイに無事到着した。
※写真上左:橇を積込む。写真上右:右からパイロット、アリサ、キム、トク、山崎。写真中左:輸送中の機内の風景。写真中右:すっかり海が開いたスミス海峡。写真下:緑線が輸送ルート。
いよいよ飛行機輸送オペの日を迎え、朝8時頃から荷物をまとめて準備に取りかかった。ローカル時間のPM3時頃、予定通りカナダKenn Borek社のツインオッター機が、思いもかけない心強い援軍を乗せてカナック飛行場へとやってきた。時間が取れないと言っていたはずが、日本から有佐が駆けつけてくれたのだ。また、カナックでいつもお世話になっているキム&トク夫妻も積込みを手伝ってくれた。色んな意味で、一人で出来ることは何もない。感謝しつつ、心地よいエンジンの音を聴きながら、ローカル時間のPM4時半頃、カナダ、ヌナブット州のレゾリュートベイに無事到着した。
※写真上左:橇を積込む。写真上右:右からパイロット、アリサ、キム、トク、山崎。写真中左:輸送中の機内の風景。写真中右:すっかり海が開いたスミス海峡。写真下:緑線が輸送ルート。
2008年5月4日(日) at 22:04
4月16日〜5月3日 / 山崎 哲秀
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久しぶりにインターネットがゆっくり出来る環境にある。犬橇旅行から帰ったあとのことを書いておく。
4月16日〜4月25日、シオラパルクに不在だった20日弱ほどで、村周辺はさらに春の陽気が漂い始めていた。旅行から帰ってからは14頭のうち怪我をした犬2頭をリハビリさせつつ、来シーズン以降、カナダ北極圏で取り組みが出来るようにドックチームをチャーター機で移動させるべく段取りを進めた。日程が5月5日前後と煮詰まりつつあるのを見計らい、4月25日にシオラパルクに別れを告げ、14頭の犬達と共に隣町のカナック周辺へと移動した。シオラパルクをベースキャンプに長期滞在するのは今回が最後になるだろう。
4月26日〜5月3日、シオラパルクから移動後、カナックから5kmほど離れた飛行場真下の沿岸でテントを張り、そこをベースとして動いた。このあとのことで一番安心のできる地点だった。日本からチャーター機の日程を詰めてもらったところ5月4日に決定。飛行機でライフルをカナダへ持ち出すのは問題ないかなど、カナックの警察でもう一度確認をとったりしながら、「本当に移動できるのだろうか?」と不安を抱えたままで待ち続けた。
※写真上:カナックの町へ
写真下:飛行場の下でキャンプを張る
4月16日〜4月25日、シオラパルクに不在だった20日弱ほどで、村周辺はさらに春の陽気が漂い始めていた。旅行から帰ってからは14頭のうち怪我をした犬2頭をリハビリさせつつ、来シーズン以降、カナダ北極圏で取り組みが出来るようにドックチームをチャーター機で移動させるべく段取りを進めた。日程が5月5日前後と煮詰まりつつあるのを見計らい、4月25日にシオラパルクに別れを告げ、14頭の犬達と共に隣町のカナック周辺へと移動した。シオラパルクをベースキャンプに長期滞在するのは今回が最後になるだろう。
4月26日〜5月3日、シオラパルクから移動後、カナックから5kmほど離れた飛行場真下の沿岸でテントを張り、そこをベースとして動いた。このあとのことで一番安心のできる地点だった。日本からチャーター機の日程を詰めてもらったところ5月4日に決定。飛行機でライフルをカナダへ持ち出すのは問題ないかなど、カナックの警察でもう一度確認をとったりしながら、「本当に移動できるのだろうか?」と不安を抱えたままで待ち続けた。
※写真上:カナックの町へ
写真下:飛行場の下でキャンプを張る
2008年5月3日(土) at 23:01
4月13日(日)〜4月15日(火) / 山崎 哲秀
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4月14日、台地を犬橇で走り続けて、日付けが変わったAM12時過ぎに、氷帽との境に到着し、テントを張ることに。やや風が強く低い地吹雪だ。
AM9時頃目が覚める。腹ごしらえをしたあとAM11時頃出発。最初は氷河を登る急勾配。犬達を叱咤しながら、なだらかな斜面まで橇を引っ張り上げる。汗だくだ。地吹雪の中、アグチンギアとピーターと共に、ひたすら内陸氷帽を走り続ける。氷帽を越えて、海氷に下りたのがPM10時半頃。この時点ですでに70km以上は走っていたが、彼らはこのまま一気に50kmほど離れたシオラパルク村へ戻るという。
4月15日、走りに走り、AM4時頃ようやくシオラパルクに到着。犬達は重い荷物を曳き、よく走ってくれた。早朝で村は静まりかえっている。犬達を橇から外し、繋ぎ直してからテントを張る。エサをたっぷり与えたあと、自分も空腹を満たしてから、ようやく一眠りについた。
今回カナダ側へ犬橇で渡ることはできなかったが、観測課題を実施したり、雄大な自然に触れて納得のいくものだった。昨シーズン、そして今シーズンと14ヶ月間に渡るグリーンランドでの滞在、活動の成果を、今後報告することが出来ればと思う。一旦グリーンランドでの活動は一区切りつけ、次に進みたい。
このあとのオペのことを考えないといけない。来シーズン以降、カナダ側で活動が出来るように、ヌナブット州のレゾリュートベイに犬達をチャーター機で輸送移動させておきたい。すでにスノーモービルが移動手段に変わってしまったカナダ側では、有能なソリ曳き犬を手に入れるのは、至難の業なのだ。だから犬達の輸送にこだわっている。今のチームに愛着もある。一度はチャーター機を利用することを断念し、海氷が安定しない危険な海峡を犬橇で渡り、犬達をカナダ側に連れていくことに賭けてみたのだが至らなかった。「冒険」というセンスは自分には無いのだと思う。現在、チャーター機の再調整に入っている。5月上旬に輸送オペをするべく、日本から有佐に手配してもらっているが、無事終了できるように集中したい。
漠然と来シーズンは計画ルート上をレゾリュートから、2シーズン続けて犬橇で渡ることが出来なかったスミス海峡(カナダ側)までの観測などを実施出来ればと考えている。帰国後詳細を練り直したい。また幅を持たせるためにも一緒にフィールドワークを出来る相棒をなんとか見つけたい。一人で出来る作業量は限界があるのを痛感している。アバンナット計画はまだまだ続くのだ。
※写真上:海氷より雄大なInglefield Landを望む。写真中央左:海氷観測風景。写真中央右:双眼鏡を覗く。写真下左:Inglefield Landの台地にてアグチンギアと。写真下右:鼻が凍傷。
2008年4月15日(火) at 23:45
4月6日(日)〜4月11日(金) / 山崎 哲秀
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4月7日、犬橇で沿岸に沿ってRussel岬を少し回り込んだ地点から、沖合いの乱氷帯に橇を走らせて、海氷上にて観測のためキャンプ。ここでも見渡す限りカナダ方向は乱氷、乱氷、乱氷。すでに20日分用意した犬達と自分の食糧の半分を消費してしまっている。カナダ領に入ればチャーター機での補給の手配を進めていたが、このまま乱氷帯に突入してカナダ側に行けるのか、もし何かあった場合に飛行機が降りれる平らな氷が見つかるのか全く保障はない。ここに来て犬橇を走らせて、実際に海氷を確認して見て状況はよく分かった。また北のケネディ海峡からスミス海峡にかけては潮流が速く、常に海氷も動いていることから、一人で突進する気は全くない。乱氷帯を渡るにしても、北のほうから回り込んで犬橇で渡るにしても、一緒に根気よく取り組んでくれるエスキモーの人を探すか、あるいは一緒にフィールドワークできる相棒が必要だろう。一人で出来るとは思わない。今回犬橇でカナダ側に挑むことは止めることにする。
4月8日、白熊狩りに出かけたアグチンギアとピーター達とは、取り合えず10日前後にアウンナットで落ち合うことになっていたので、今日はアウンナットへ戻った。上陸はせずに海氷上にテントを張ることにした。
4月9日、昨夜から天気が崩れて軽い地吹雪となった。夕方に風が弱まったので、乱氷帯で橇が横転した際に壊してしまった取柄の部分を修理したり犬の世話をしたりして過ごす。
4月10日、雪がちらつき視程不良。夕方の気象観測では気温が−9.8℃とやたら暖かい。
日本の有佐とイリジウム衛星電話で連絡をとり、チャーター機でのカナダ側への犬達の輸送について方法を模索している。
4月11日、AM4時頃、テントの中でウトウトしてると、アグチンギアとピーターが帰ってきた。白熊を1頭ずつ仕留めたそうだ。さすが猟師だ。今夜からアウンナットの小屋で一緒に寝ることに。数日中にシオラパルクへ戻るとのことで、犬の餌が手元にあるうちに僕も一緒に戻ることにする。
※写真上:内陸氷帽より海の開いたスミス海峡を望む。手前が氷帽、中間が海が開いたスミス海峡、奥がカナダのエルズミア島。写真下:行く手を阻む乱氷帯。
2008年4月11日(金) at 00:47
アノイト偵察 / 山崎 哲秀
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アグチンギアたちとアウンナットから沿岸沿いに、スミス海峡の一番狭まっているアノイトまで行く。アノイトから見るスミス海峡は、乱氷がひどく、沖合は海が開いていた。カナダまで40〜50キロくらいなのだがひどく遠く感じる。アグチンギアたちは、これ以上、カナダ側には危なくて行かないという。自分も一人で越えられるとは思わない。風が吹いたらいつ流されるかわからない。アウンナットに戻り、再び海氷調査を続けることにする。
2008/04/04 21:03 アノイト
N78 33' 06.1" W72 08' 24.3""
4月5日
夕べは夜12時頃アウンナットに戻った。アノイトまで往復12時間ほど走ったことになる。アグチンギアたちはシロクマ狩りに行った。10日ほどは帰ってこないだろう。彼らは捕えたものを食べるので、簡単な装備だけを持って身軽に動く。こちらは重装備なので身軽にとはいかない。
今日は橇の手直しをする。昨日走行した定着氷はガタガタすごかったが、我ながら、自分の作った橇はイヌイットたちのものよりも丈夫にできている。
アウンナットから見るスミス海峡も沖合は乱氷ばかりだ。かつてイヌイットたちがカナダとグリーンランドを犬ぞりで行き来することはよくあることだったけれど、スミス海峡を渡るのには条件がある。できて3,4日くらいの新しい氷が張ること。新しい平らな氷であれば、スミス海峡も4,5時間で一気に渡りきれる。しかしこの乱氷を越えて行くとなると、かなりの時間と体力を必要とするだろう。
※下の地図は、衛星からの解析画像。スミス海峡に大きな海水面が開く。
2008年4月6日(日) at 01:39
ジャコウウシ / 山崎 哲秀
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4月2日
休息日。アウンナットにいる。シオラパルクからここまで、同行を依頼しているアグチンギアとその仲間のほかに、親子二組が猟のためにここまでの道のりを一緒に来ている。ここアウンナットは、かつては人が住んでいたのだろうが、今は無人の狩猟小屋があるだけだ。このあたりはシカなど動物が多く、今日はジャコウウシを見つけた彼らがさっそく狩りに出てしまった。目前の海氷調査を行う。スミス海峡の沖合には乱氷が見える。
4月3日
天気がよい。対岸のカナダのエルズミア島が見える。明日の出発に備える。アグチンギアたちは、昨日、3匹のジャコウウシを捕ってきた。自分の犬たちにも食べさせてくれた。数日走らせ数日休むというのが彼らの流儀らしい。
休息日。アウンナットにいる。シオラパルクからここまで、同行を依頼しているアグチンギアとその仲間のほかに、親子二組が猟のためにここまでの道のりを一緒に来ている。ここアウンナットは、かつては人が住んでいたのだろうが、今は無人の狩猟小屋があるだけだ。このあたりはシカなど動物が多く、今日はジャコウウシを見つけた彼らがさっそく狩りに出てしまった。目前の海氷調査を行う。スミス海峡の沖合には乱氷が見える。
4月3日
天気がよい。対岸のカナダのエルズミア島が見える。明日の出発に備える。アグチンギアたちは、昨日、3匹のジャコウウシを捕ってきた。自分の犬たちにも食べさせてくれた。数日走らせ数日休むというのが彼らの流儀らしい。
2008年4月4日(金) at 01:24
アウンナット到着 / 山崎 哲秀
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08/04/01 08:05
N78 36' 38.2" W70 51' 09.4"
下の地図は、グーグルの衛星写真を利用したもので、夏に撮影されたものでしょう。今の季節のグリーンランドはまだまだ白い世界で、この地図のように露面に犬ぞりを走らせるわけではありません。
2008年4月1日(火) at 23:59
出発しました。 / 山崎 哲秀
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山崎有佐です。
お初にお目にかかる皆さん、こんにちわ。
それから、昨年よりテツの遠征を応援して下さっている皆さま、大変ご無沙汰しております。今シーズンは、私自身、仕事で手一杯で余裕がなく、「北極街道をテツが行く」を秋に一度発刊した限りとなっています。いつも心待ちにしていただいていた皆様には申し訳ありませんが、続編は今しばらくお待ち下さい。
10月に日本を出発して以来、半年近い準備期間を経て、ようやくテツの遠征がスタートしました。海氷がしっかりと張ってテツと犬たちが安全にソリを走らせることができるよう願っています。
この先のブログは、テツに代わって、私からテツの様子を報告します。衛星携帯電話により交信しています。バッテリーの消耗を防ぐため簡潔ですが、その日の位置と無事の確認を行っています。
以下の報告時間はすべて日本時間です。現地時間は日本から-12時間です。
08/03/30 10:30
N77 59' 46.7" W71 47' 49.5"
標高400mの氷河上にいる。
08/03/31 11:06
N78 25' 49.3" W71 03' 33.9""
昨日の氷河を越えた。
では、今後ともどうぞよろしくお願いします。
お初にお目にかかる皆さん、こんにちわ。
それから、昨年よりテツの遠征を応援して下さっている皆さま、大変ご無沙汰しております。今シーズンは、私自身、仕事で手一杯で余裕がなく、「北極街道をテツが行く」を秋に一度発刊した限りとなっています。いつも心待ちにしていただいていた皆様には申し訳ありませんが、続編は今しばらくお待ち下さい。
10月に日本を出発して以来、半年近い準備期間を経て、ようやくテツの遠征がスタートしました。海氷がしっかりと張ってテツと犬たちが安全にソリを走らせることができるよう願っています。
この先のブログは、テツに代わって、私からテツの様子を報告します。衛星携帯電話により交信しています。バッテリーの消耗を防ぐため簡潔ですが、その日の位置と無事の確認を行っています。
以下の報告時間はすべて日本時間です。現地時間は日本から-12時間です。
08/03/30 10:30
N77 59' 46.7" W71 47' 49.5"
標高400mの氷河上にいる。
08/03/31 11:06
N78 25' 49.3" W71 03' 33.9""
昨日の氷河を越えた。
では、今後ともどうぞよろしくお願いします。
ダイビングワールド5月号に記事が掲載されました。
