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ベルルッティの靴とパリのリッツ / マダム松澤

ショッピング > 渦巻く欲望

1865年創業のパリの高級老舗スーリエ(靴)のメゾン

ベルルッティをご存知ですか?

いわば靴のオートクチュール。アンディ・ウォーホールや
ピカソ、故JFK(ジュニアもね)たちがこよなく愛した、
セクシーで実に存在感溢れる靴です。

シャンペン、とりわけドン・ペリニヨンで磨くと革に気品ある
艶が生まれ、ショパンやワグナーを聴きながら磨けば
さらにベターとされている非常にスノッブな靴であります。

4代目当主でいらっしゃるマダム・オルガ・ベルルッティは
「この靴は自分で磨いて欲しい」と願い、弁護士や政財界の紳士、貴族たちを集めてパリのリッツにて靴磨きのレッスンも
するらしい、
それが有名な「クラブ・スワン」(名前の由来はプルーストの
『失われた時を求めて』から来てるとか)。

去年には東京のジョエル・ド・ロブションにて
ディナーを楽しみ、シャンパンで磨く、
靴磨きレッスンの夕べが執り行われたそうよ。



ベルルッティにまつわる話は枚挙にいとまがありません。
たとえば、アンディ・ウォーホールがパリのメゾンに
尋ねてきて
「荒々しい色の背信的な靴が欲しい」(なんという哲学的オーダー)とか。

良くベルルッティのお店に遊びに来たというピカソは
「フェルメールの描く夕陽の色の靴が欲しい」と言ったり。

顧客は古くはジャン・コクトー、ウィンザー公、
ルキノ・ヴィスコンティ。
そしてジャンポール・ベルモンドもフランソファー・トリフォーも、ロスチャイルド一族などそうそうたる顔ぶれだ。


革はベネチアン・レザーと呼ばれる特殊な革で、
マダム・オルガさんが30年の歳月をかけて考案。
雌牛の革にシャンパンに秘伝のオイルを加えて洗って
創り上げる独特の色と風合い。
だからシャンパンで磨くといいんですねー。


こんな話もあります。

ある日、このメゾンに、
14歳のときに母親からベルルッティの靴を買ってもらった、
ブルジョア階級の若い男がたずねてきた。
この店で何足目かになる靴をオーダーしにきたのだ。

そこへ、同い年くらいの別の男の子がたずねてきた。
彼はこの店で買った自分の給料の何ヶ月分もする靴の磨き方を教えてもらいにきたのだ。

でも、靴は新品のまま。なぜ履かないのか?とオルガさんが
尋ねると
「ベルルッティの靴は僕の憧れであり、僕の夢。でも、現実はカフェのボーイで屋根裏に住んでいます。この靴を履いていくようなところを知らないのです」と言う。

それを聞いた裕福な男の子が
「もし良かったら、僕のロールスロイスに乗って、パリのリッツにお茶を飲みに行きませんか?」といい、二人は一緒に
出かけていった。

わたしは、かつて新聞で読んだことのある、
マダム・オルガさんのこの話が好き。

オルガさんはこう結んでいる。

「金持ちの息子の方は、若い女の子なら誰もが彼と結婚したいと思うような本物の王子様です。そしてカフェのボーイも想像の中では王子様。2人ともわたしにとって王子様です。
わたしがこの話をしても誰も信じてくれないけれど、実際にあった話なんです」

いいなあ。
こういう話を聞くと、
老舗ブランドが持つ底力を感じますよねー。
2006年5月18日(木) at 00:50 

このエントリ(記事)へのコメント

ブランド / 本人マーク(認証コメント)Nine URL

マダムのブログを読んで、「ブランド」ってやっぱりステキって思いました。

日本人はたくさんブランド品を持っていますが、
どの程度の人たちが、「ブランド」を理解し、惚れて、持っているんでしょう?
マダムのような方は、きっと、少ないんでしょうね。
最近、おヴィトンのバッグを持つ小学生を見ました。
私は、27歳ですが、何1つ、持っておりません。
だって、私には似合わないから。分相応でない・・・。

色々偉そうなこと言いましたが、私、本当はお金がないだけ
2006年05月18日(木)   at 12:19

素敵なお話!! / 本人マーク(認証コメント)三田チェ・ジウ URL

 何てアッパークラスの素敵な話でしょう!!
読んでるだけで情景が想像出来て、勝手に王子様と擬似王子様のお顔まで浮かびます。
「いずれも本物だと思います」と言うメゾンのマダムオルガの解釈。
ん〜〜〜懐が深いですね=〜〜
こう言う本物の分かるマダムになりたいものです

ピカソが「フェルメール」の描く夕日色の靴がほしいと言う件は
わっ!きゃ!と思いました。フェルメールは大好きで会社の机にも
複製絵を貼っていますので。
さすがマダム! パリならではのお話をありがとうございます。
読むだけでhappyになれました


2006年05月18日(木)   at 20:24

Nineちゃーん。 / 本人マーク(認証コメント)マダム松澤 URL

ブランドって何でしょうねえ・・・。

おいらもいまだにわかりません。

最近は小学生でもシャネルやおヴィトン持ってます。
ひええええ。

この前は日程合わなくて残念でした。
ぜったい近いうちにね!
2006年05月19日(金)   at 10:31

チェ・ジウさんもっ! / 本人マーク(認証コメント)マダム松澤 URL

フェルちゃんがお好きなんですねー。

わたしも大好きです。

フェルちゃんを観に、オランダやあちこち放浪しましたっけ。
しかし、いまいち、何が凄いんだか、わかんない

オルガさんは本当に素敵なマダムみたいです。
彼女について書かれた本があれば読みたいなーと思っています。

2006年05月19日(金)   at 10:35

靴! / 本人マーク(認証コメント)mickey! URL

うーん、実にいい話です、
しかしさすがマダムのお話、日本に帰ってきてから読むと安心して読めるというかちゃんとした裏付けがあるというか、実に優雅に読めますね、
ワタシのええ加減な、ろくでもない話より格調がちゃいますね、、
改めて感じ入り。特にこのお話気に入りました、

 私もマダム前どっかで云っておられましたよね、いい靴を履きなさいって、
でNY渡航の折にはステッチの入ったブーツを新調しそれでぜんぶNYCの道を歩きました、きらきら光る5th Ave.も(コレはほんとうにきらきら光っていた、多分ダイヤモンドダストかなんかをアスファルトに混ぜているようでした)セントラルパークの北、ハーレムの入り口110th St.も。なんせ日頃1日に何十歩しか歩かない生活を致しておりますが故に、もう足が痛くて痛くて、それでもカナリ歩きました、別に節約したわけじゃなくってとにかく歩きたかったんですね今思うと、カツカツとブーツのかかとを鳴らし、ほんとうによかった新しいブーツを履いていって、そのことにより気の持ちようが違うというか、とてもうれしい感じでした。
 でもなー、上の服がジャージだからなー、それが失敗だった、もっとラフな格好の人が多いと思っていたらみなさんシックなんですねー、道もきれいだし、黒とサングラスできめて、でもまあいいや、ちょっとパンクな感じでポケットに手を突っ込んで、UKのグラスゴーあたりの設定でiPod聴きながら歩いてましたから。(笑)


ワタシがもし買えるとしたら、どう云って頼もうか、今なら!

「轟音と静寂、どちらも兼ね備えた切ない恋のような靴が欲しい」と。
(自分で書いてて照れています)


マダム・オルガは優しい人だ、人の幸せ、つらさ切なさをわかっている、
マダムのお話もはっきりと表には出てきませんがそのようなところがあります、
このようなことをこれからの日本の企業はもっと学ばなければいけませんね、そう思います。
2006年05月20日(土)   at 8:16

mickey! さん、それいいっ / 本人マーク(認証コメント)マダム松澤 URL

うわあ、そんなに言っていただいて、
穴があったらさらに掘って入りたいぃぃぃ。

でもありがとうございます。うれしいです。

そうですか?
NYでは新品のブーツで歩かれたのですね。
いやあ、お洒落やわ。
マンハッタンに似合うわ。

どんなに痛いくつも歯を食いしばって履くのがお洒落の真髄でありますゆえ。

って、わたしはとうていできません。
いつもドタグツでどこでも歩いてます。踵踏んづけて。
で、ホテルとか入るときだけ、履き替える・・ひえええ。

でも、mickey! さんのオーダーいいわ。
きっとマダムオルガも喜ぶでしょう。


「轟音と静寂、どちらも兼ね備えた切ない恋のような靴が欲しい」

うーん素晴らしい。
2006年05月23日(火)   at 13:15

ナルホド / 本人マーク(認証コメント)mickey! URL

そうかやはり履き替えるわけですね、
私もそうしたかった、しかし持っていったのが手荷物かばん一つ(made in USA、フィルソンのデニムのバッグ)ですからねー、入りません。上着も一枚だけ、シャネルでごまかしておきました。(笑)

お褒め頂きありがとうございます、

轟音と静寂、、自分でも何云ってるかよくわかりません。(爆)



切なすぎて、持ちこたえられそうにありません。(恋)
2006年05月24日(水)   at 20:32

FERRIRA / 本人マーク(認証コメント)mickey! URL

おひさしです、いつも麗しく。。

フェリーラ、っていうブランド知ってますか、
この前なんかで見たんですけれど、まさにそれが、
轟音と静寂、どちらも兼ね備えた切ない恋のような靴、だったのです、
ショートブーツなんですけど、全面に乱雑とも見える刺繍が轟音のようになされ、それがきれいな水色でその上に大きな赤い花が縫われていてその唐草が覆っているという、とにかくそれはすごいブーツでして、netでいくら探しても出てこない、プレミア、特注品だったのか、1足20万ぐらいだったかなー、何かとても高かったです。
でもアレなら一生屋根裏に置いておきたい、切ないほどの靴でした。
恋はもう終わりました、バカですね、やっぱり。どうしようもなく。
忘れ去る、忘れ果てるにはどうしたらよいのでしょう。(笑)(涙)
2006年08月14日(月)   at 0:26