勝負根性 (5/7巨人8回戦) / Kaleido
スポーツ > 2008年虎の足跡
いろんなことがいっぺんに起こりすぎたので、G流ですべて見直しました。
図らずも両チームともに『聖戦状態』になっていたよな・・・。
■試合結果
阪神 5−4 巨人 詳細
[G]木佐貫(2・2/3)-藤田(1・1/3)-門倉(2)-●山口(2)-西村健(2)
[T]下柳(6)-能見(1/3)-渡辺(2/3)-○江草(1)-S藤川(1)
[勝]江草1勝0敗 [S]藤川1勝1敗12S
[負]山口1勝1敗1S
[HR]ラミレス9号 鳥谷4号 矢野1号 金本5号
■プロローグは一発の応酬
1回裏、ラミレスの先制2ランでゴングが打ち鳴らされる。
すると2回表、即座に鳥谷の2ランで同点、矢野も続いて二者連続アーチで逆転!
今シーズンは下柳が打たれると、なぜかすぐに援護点が入る仕組みだw
鳥谷の2ランは、このところよく見せるインローに適応したバッティング。
テイクバックからスイングに入る時、グリップをすっと下げてそこからひっぱたく。
振り出し位置が低いので、ああやって膝もとの窮屈なコースでもうまく打てるのだ。
矢野のホームランはうまく右におっつけたが、あれはドームランくさいなw
2回裏、下柳はまだピリッとせず、6番ゴンザレスから3連打を食らって無死満塁。
木佐貫ライトフライ、亀井三振で2アウトまでこぎつけて、坂本をライトフライ・・・。
と思ったら、カメラが抜いたのは葛城がすっ転んでる姿www
落下点近くだったので、すぐに立ち上がって事なきを得たが、下柳は苦笑いw
下柳もよく踏ん張ったが、ここで点が取れないのは展開上相当キツイ。
流れは完全に阪神が掴んでいた。
■危機で起こす奇跡
3回表、簡単に2アウトを取られた後、金本の打席で惨劇が起こった。
2−2から阿部が外に構えていたが、木佐貫の投球は金本の後頭部に直撃・・・。
しばらく起き上がらない金本、生気が抜けたような表情の木佐貫、
ぞっとしたような顔のラミレス、心配そうな顔の新井と鳥谷。
3分ほどして金本は起き上がり、自力でベンチに治療に戻った。
解説でも言われていたが、この避け方は非常にうまかった。
同じ頭部直撃でも側頭部に当たれば、それこそ命の危険に直面する。
偶然かもしれないが、ヘルメットのちょうどカーブを描いている部分に当たったので、
ボールは大きく跳ね返り、その運動エネルギーは外部に逃れたのだ。
「誰かのため」という大儀がつくと、我がチームはすごい団結力を生み出す。
チームの大黒柱であり、フルイニングの記録を続けている金本への蛮行。
ここから阪神は絶対に負けられない試合、すなわち聖戦モードに突入する。
一番奮起したのは、下柳と矢野の同級生バッテリーだろう。
立ち上がりボールが浮いていた下柳が豹変。
変化球が低めに集まりだし、「らしい」ピッチングが戻ってきた。
そして矢野は、3回裏にランナーなしで阿部の打席が回ってきたが、
体に近いコースは投げさせず、あえて因縁を残さぬリードを見せた。
このあたりのフェアプレイ精神も素晴らしかった。
しかしながら、当たっているラミレスに対しては非常に厳しいインコース攻め。
絶対に点はやらんという矢野の信念が垣間見えた。
1点差のままで迎えた6回表、1アウトから金本が打席に入る。
先程のことがあったので、厳しいインコース攻めはやりにくい。
またピッチャーが東北福祉大の後輩となる門倉である。
投げにくいことこの上ない状況であっただろう。
金本もそのあたりのことがわかっているので、あえて踏み込んでくる。
頭に向かってくるボールの残像がありながら、それに打ち克つ精神力。
真ん中付近の落ちきらないフォークを、弾丸ライナーでライトスタンドにぶち込んだ。
感嘆・・・!
金本という男は、度々信じられない出来事を起こす。
その神業とも奇跡とも言える出来事は、自身に大きな危機が降りかかった時に起こすのだ。
偉大な功績を残したプロの先輩ですら、褒め称える言葉が見つからないような男。
それが金本なのである。
■技術とハート
2点差となって試合展開上は、非常に楽になった。
ただこのところ失点を重ねる久保田は出しにくい状況。
7回裏、下柳の後を受けたのは、見事な変身を遂げつつある能見だった。
先頭の亀井を打ち取った後、坂本に内野安打を許し、左の小笠原を迎える。
まず一つ目の課題、ランナーありでのピッチングはどうか。
すると急にコントロールがつかず、ストレートの四球を与えてしまう。
低めやコーナーを狙った投球なのに、ボールになるのは去年と同じである。
次に二つ目の課題、右の強打者への対応はどうか。
ラミレスに対しても低めが外れ、変化球が甘く入ってしまう。
そして真ん中付近のスライダーを思い切り引っ張られ、ホームラン性の打球となった。
ここも去年の能見と変わりばえしない結果となった。
フォームが変わって素晴らしいピッチングを見せられるのが、
ランナーなしの左打者に対してだけではブルペンで投げてるのと同じこと。
もう少しセットやクイックでの状況でしっかりコントロールをつけること。
そして技術を磨くだけでなく、ハートの部分がしっかりしないと、
また一軍と二軍のエレベーターになってしまいかねない。
たった1試合でそれまで築き上げたものが崩れそうな予感がよぎってしまった。
■許されざる行為だが…
さて、このラミレスの打球だが、観客の手に当たってグラウンドに落ちてしまった。
審判の判定は「観客の妨害で2ベース」だった。
過去を振り返ると、新庄の横浜スタジアムでの幻のホームランと同じ状況だ。
あの時は味方のホームランを消したが、今回は反対のシチュエーション。
ルール上、ホームラン性の打球を観客が妨害した場合2ベースとするのであれば、
敵味方関係なしに公平に裁かれるべきなので、今回のケースは正しいジャッジ。
ただし、その行為が正当化されるようなイメージを持たせてしまうのなら、
そのルールは速やかに変更するか、球場の構造を変える必要があるだろう。
ボールが自分の近くに来たら、思わず捕ってしまいたくなるのは人間の性だし、
ファンにモラルを持って行動しろと言っても、全員が善良なファンではない。
メジャーの試合ですらこういうシーンは起こっているのだから。
もちろんこの行為を正当化したり、擁護する理由はどこにもない。
あんなことをして、緊迫した試合のムードをぶち壊すなど言語道断である。
ただ冷静に考えると、起こるべくして起こったとしか言いようがないのが残念だ。
関係ないが、この観客はおそらく右利きで左投げなのだろう。
スローVTRを見ると、妨害した客は右手でボールに触りに行っている。
左利きならば利き手の方でもボールは捕れるし、右投げなら左手で捕るのが一般的。
わざわざボールから遠い方の手を差し出していると言うことは、
左手でボールを捕れない人に限定されてしまうのだ。
つまり、右手でボールを捕りに行ったと考えられる。
■矢野が鬼となった
この観客の妨害で2ベース扱いとなり、認められた点数は1点だけ。
もしこれがなければ、3ランホームランで一気に逆転だった。
納得いかない出来事で負けてしまうようなことは巨人側としても許しがたい。
ここからは、巨人も絶対負けられない聖戦モード突入である。
金本の頭部死球で聖戦モードの阪神と、逆転3ラン帳消しで聖戦モードの巨人。
どちらの強い気持ちが勝つか、最大の見せ場となった。
1アウト2・3塁で阿部を迎えたこの場面、初球2球目と胸元にストレート。
1塁が空いているので、あえて歩かせて塁を埋めてしまう策もある。
そこでぶつけてしまうと、金本の報復とも取られてしまう場面でもあるのだ。
続く2球を外のスライダーで追い込むと、また胸元にストレート。
そして2−3からもインコースギリギリにミットを構える矢野。
だが能見は手元が狂い、頭付近に外れて四球となってしまった。
満塁となり、ゴンザレスには渡辺をぶつける。
このゴンザレスに対しても、矢野はインコースに構え続けたのだ。
まさに鬼のリード。
絶対にリードは許さないという強い気持ちが垣間見えた。
■最終盤のキーマン・葛城
そのゴンザレスの2球目、やや真ん中低めに外れた球を打ち返された。
打球はふわっとしたハーフライナー気味で、ライト前にポトリと落ちる。
三塁走者が生還し、同点に追いつかれてしまった。
だが、この打球でスタートが遅れた一塁走者の阿部を見ると、
前進守備の葛城がすばやく二塁へ送球し、セカンド封殺のライトゴロ。
このプレーが本日の勝敗を分ける結果になったと言ってもいいだろう。
そして2アウト1・3塁から、谷の打球は詰まった当たりの三遊間へのゴロ。
鳥谷が深い位置で逆シングルキャッチすると、矢のような送球。
谷も必死のヘッドスライディングを見せるが、間一髪アウトとなった。
もし1アウトのままだったら、この当たりで三塁走者が生還し、逆転となっていたのだ。
すると8回裏、平野がピッチャーの頭を越すショートゴロでヘッスラ。
タイミングは全然間に合わなかったが、元オリックスの同僚谷ですら
頭から行ったのを見て、元祖ヘッスラ男の血は収まらなかったのだろう。
もう互いのチームの選手がなりふり構わずプレーをする。
そんな試合に決着をつけたのは、阪神のクリーンアップトリオだった。
1アウトから新井のセンター前ヒットが出ると、金本は泳いだバッティングながらも
サード後方へのポテンヒット。
この当たりで新井は一気に3塁を陥れ、金本のヒットを無駄にしない。
そして守りで珍プレーと好判断を見せていた葛城が初球ヒッティング!
前進守備のセカンド右を僅かに抜けて、勝ち越しのタイムリーとなった。
対左投手ながら結果を残したことで、今後簡単に代打を送られなくなるだろう。
葛城は勝負を決める一打を、自身の生き残りの一打にも変えたのである。
■エピローグ
再び勝ち越した8回裏、ここのところ失点が続く久保田ではなく江草を出してきた。
少し冷却期間を置いた方がいいと考えたのか、ここで使ってゲームを壊した場合、
さらに重いダメージを残してしまうのを避けたのかは不明だが、よい判断だと思う。
するとこの江草が、1点リードしている場面での起用とは思えない快投を見せた。
8番木村拓をインコースまっすぐで見逃し三振。
9番代打清水をスライダーで空振り三振。
そして1番亀井をアウトコース低めのまっすぐで見逃し三振。
勝ち越した直後のイニングを三者三振で切り捨てる。
これほど試合の流れを相手に渡さない結果があるだろうか。
江草のこんなピッチングは、3〜4点リードの場面ではよく見るのだが、
強烈な勝負根性の試しあいとなった1点リードの場面でやってくれるとは。
実質、今日の試合はここで終わったと言ってもいいぐらいだろう。
9回表は、代打桧山のヒットと赤星の送りバントでもう1点を取りに行ったが、
平野がセカンドゴロに倒れてトドメはさせず。
しかし9回裏、チーム一の熱血漢・藤川球児がこんな試合を壊すわけがない。
坂本をライトフライ、小笠原を二ゴロ、ラミレスを遊ゴロにしとめゲームセット。
■金剛の輝き
金本の頭部死球やラミレスの幻のホームランがあり、お互いの絶対に勝つ気持ち
激しくぶつかり合った試合だったが、結局は阪神の選手の気持ちが勝った。
その中心にいたのは、死球後の打席でホームランを打った金本であり、
3回以降冷静に立ち直った下柳であり、勝負所で鬼のリードを見せた矢野だった。
この3人は、大きな勝負になると存在感がダイヤモンドのように輝く。
ダイヤモンドは日本語に直すと金剛石で、その輝きと結束の固さは最高の証。
『金剛の輝き』
金本知憲の金、下柳剛の剛、矢野輝弘の輝。
奇しくも、今年40歳を迎える3人の名前が一文字ずつが入っていた。
■本日のやらかす賞:金本(5)
今日のこの男に余計な言葉は要らない!すごいの一言!
>>ブログランキングへ
図らずも両チームともに『聖戦状態』になっていたよな・・・。
■試合結果
阪神 5−4 巨人 詳細
[G]木佐貫(2・2/3)-藤田(1・1/3)-門倉(2)-●山口(2)-西村健(2)
[T]下柳(6)-能見(1/3)-渡辺(2/3)-○江草(1)-S藤川(1)
[勝]江草1勝0敗 [S]藤川1勝1敗12S
[負]山口1勝1敗1S
[HR]ラミレス9号 鳥谷4号 矢野1号 金本5号
■プロローグは一発の応酬
1回裏、ラミレスの先制2ランでゴングが打ち鳴らされる。
すると2回表、即座に鳥谷の2ランで同点、矢野も続いて二者連続アーチで逆転!
今シーズンは下柳が打たれると、なぜかすぐに援護点が入る仕組みだw
鳥谷の2ランは、このところよく見せるインローに適応したバッティング。
テイクバックからスイングに入る時、グリップをすっと下げてそこからひっぱたく。
振り出し位置が低いので、ああやって膝もとの窮屈なコースでもうまく打てるのだ。
矢野のホームランはうまく右におっつけたが、あれはドームランくさいなw
2回裏、下柳はまだピリッとせず、6番ゴンザレスから3連打を食らって無死満塁。
木佐貫ライトフライ、亀井三振で2アウトまでこぎつけて、坂本をライトフライ・・・。
と思ったら、カメラが抜いたのは葛城がすっ転んでる姿www
落下点近くだったので、すぐに立ち上がって事なきを得たが、下柳は苦笑いw
下柳もよく踏ん張ったが、ここで点が取れないのは展開上相当キツイ。
流れは完全に阪神が掴んでいた。
■危機で起こす奇跡
3回表、簡単に2アウトを取られた後、金本の打席で惨劇が起こった。
2−2から阿部が外に構えていたが、木佐貫の投球は金本の後頭部に直撃・・・。
しばらく起き上がらない金本、生気が抜けたような表情の木佐貫、
ぞっとしたような顔のラミレス、心配そうな顔の新井と鳥谷。
3分ほどして金本は起き上がり、自力でベンチに治療に戻った。
解説でも言われていたが、この避け方は非常にうまかった。
同じ頭部直撃でも側頭部に当たれば、それこそ命の危険に直面する。
偶然かもしれないが、ヘルメットのちょうどカーブを描いている部分に当たったので、
ボールは大きく跳ね返り、その運動エネルギーは外部に逃れたのだ。
「誰かのため」という大儀がつくと、我がチームはすごい団結力を生み出す。
チームの大黒柱であり、フルイニングの記録を続けている金本への蛮行。
ここから阪神は絶対に負けられない試合、すなわち聖戦モードに突入する。
一番奮起したのは、下柳と矢野の同級生バッテリーだろう。
立ち上がりボールが浮いていた下柳が豹変。
変化球が低めに集まりだし、「らしい」ピッチングが戻ってきた。
そして矢野は、3回裏にランナーなしで阿部の打席が回ってきたが、
体に近いコースは投げさせず、あえて因縁を残さぬリードを見せた。
このあたりのフェアプレイ精神も素晴らしかった。
しかしながら、当たっているラミレスに対しては非常に厳しいインコース攻め。
絶対に点はやらんという矢野の信念が垣間見えた。
1点差のままで迎えた6回表、1アウトから金本が打席に入る。
先程のことがあったので、厳しいインコース攻めはやりにくい。
またピッチャーが東北福祉大の後輩となる門倉である。
投げにくいことこの上ない状況であっただろう。
金本もそのあたりのことがわかっているので、あえて踏み込んでくる。
頭に向かってくるボールの残像がありながら、それに打ち克つ精神力。
真ん中付近の落ちきらないフォークを、弾丸ライナーでライトスタンドにぶち込んだ。
感嘆・・・!
金本という男は、度々信じられない出来事を起こす。
その神業とも奇跡とも言える出来事は、自身に大きな危機が降りかかった時に起こすのだ。
偉大な功績を残したプロの先輩ですら、褒め称える言葉が見つからないような男。
それが金本なのである。
■技術とハート
2点差となって試合展開上は、非常に楽になった。
ただこのところ失点を重ねる久保田は出しにくい状況。
7回裏、下柳の後を受けたのは、見事な変身を遂げつつある能見だった。
先頭の亀井を打ち取った後、坂本に内野安打を許し、左の小笠原を迎える。
まず一つ目の課題、ランナーありでのピッチングはどうか。
すると急にコントロールがつかず、ストレートの四球を与えてしまう。
低めやコーナーを狙った投球なのに、ボールになるのは去年と同じである。
次に二つ目の課題、右の強打者への対応はどうか。
ラミレスに対しても低めが外れ、変化球が甘く入ってしまう。
そして真ん中付近のスライダーを思い切り引っ張られ、ホームラン性の打球となった。
ここも去年の能見と変わりばえしない結果となった。
フォームが変わって素晴らしいピッチングを見せられるのが、
ランナーなしの左打者に対してだけではブルペンで投げてるのと同じこと。
もう少しセットやクイックでの状況でしっかりコントロールをつけること。
そして技術を磨くだけでなく、ハートの部分がしっかりしないと、
また一軍と二軍のエレベーターになってしまいかねない。
たった1試合でそれまで築き上げたものが崩れそうな予感がよぎってしまった。
■許されざる行為だが…
さて、このラミレスの打球だが、観客の手に当たってグラウンドに落ちてしまった。
審判の判定は「観客の妨害で2ベース」だった。
過去を振り返ると、新庄の横浜スタジアムでの幻のホームランと同じ状況だ。
あの時は味方のホームランを消したが、今回は反対のシチュエーション。
ルール上、ホームラン性の打球を観客が妨害した場合2ベースとするのであれば、
敵味方関係なしに公平に裁かれるべきなので、今回のケースは正しいジャッジ。
ただし、その行為が正当化されるようなイメージを持たせてしまうのなら、
そのルールは速やかに変更するか、球場の構造を変える必要があるだろう。
ボールが自分の近くに来たら、思わず捕ってしまいたくなるのは人間の性だし、
ファンにモラルを持って行動しろと言っても、全員が善良なファンではない。
メジャーの試合ですらこういうシーンは起こっているのだから。
もちろんこの行為を正当化したり、擁護する理由はどこにもない。
あんなことをして、緊迫した試合のムードをぶち壊すなど言語道断である。
ただ冷静に考えると、起こるべくして起こったとしか言いようがないのが残念だ。
関係ないが、この観客はおそらく右利きで左投げなのだろう。
スローVTRを見ると、妨害した客は右手でボールに触りに行っている。
左利きならば利き手の方でもボールは捕れるし、右投げなら左手で捕るのが一般的。
わざわざボールから遠い方の手を差し出していると言うことは、
左手でボールを捕れない人に限定されてしまうのだ。
つまり、右手でボールを捕りに行ったと考えられる。
■矢野が鬼となった
この観客の妨害で2ベース扱いとなり、認められた点数は1点だけ。
もしこれがなければ、3ランホームランで一気に逆転だった。
納得いかない出来事で負けてしまうようなことは巨人側としても許しがたい。
ここからは、巨人も絶対負けられない聖戦モード突入である。
金本の頭部死球で聖戦モードの阪神と、逆転3ラン帳消しで聖戦モードの巨人。
どちらの強い気持ちが勝つか、最大の見せ場となった。
1アウト2・3塁で阿部を迎えたこの場面、初球2球目と胸元にストレート。
1塁が空いているので、あえて歩かせて塁を埋めてしまう策もある。
そこでぶつけてしまうと、金本の報復とも取られてしまう場面でもあるのだ。
続く2球を外のスライダーで追い込むと、また胸元にストレート。
そして2−3からもインコースギリギリにミットを構える矢野。
だが能見は手元が狂い、頭付近に外れて四球となってしまった。
満塁となり、ゴンザレスには渡辺をぶつける。
このゴンザレスに対しても、矢野はインコースに構え続けたのだ。
まさに鬼のリード。
絶対にリードは許さないという強い気持ちが垣間見えた。
■最終盤のキーマン・葛城
そのゴンザレスの2球目、やや真ん中低めに外れた球を打ち返された。
打球はふわっとしたハーフライナー気味で、ライト前にポトリと落ちる。
三塁走者が生還し、同点に追いつかれてしまった。
だが、この打球でスタートが遅れた一塁走者の阿部を見ると、
前進守備の葛城がすばやく二塁へ送球し、セカンド封殺のライトゴロ。
このプレーが本日の勝敗を分ける結果になったと言ってもいいだろう。
そして2アウト1・3塁から、谷の打球は詰まった当たりの三遊間へのゴロ。
鳥谷が深い位置で逆シングルキャッチすると、矢のような送球。
谷も必死のヘッドスライディングを見せるが、間一髪アウトとなった。
もし1アウトのままだったら、この当たりで三塁走者が生還し、逆転となっていたのだ。
すると8回裏、平野がピッチャーの頭を越すショートゴロでヘッスラ。
タイミングは全然間に合わなかったが、元オリックスの同僚谷ですら
頭から行ったのを見て、元祖ヘッスラ男の血は収まらなかったのだろう。
もう互いのチームの選手がなりふり構わずプレーをする。
そんな試合に決着をつけたのは、阪神のクリーンアップトリオだった。
1アウトから新井のセンター前ヒットが出ると、金本は泳いだバッティングながらも
サード後方へのポテンヒット。
この当たりで新井は一気に3塁を陥れ、金本のヒットを無駄にしない。
そして守りで珍プレーと好判断を見せていた葛城が初球ヒッティング!
前進守備のセカンド右を僅かに抜けて、勝ち越しのタイムリーとなった。
対左投手ながら結果を残したことで、今後簡単に代打を送られなくなるだろう。
葛城は勝負を決める一打を、自身の生き残りの一打にも変えたのである。
■エピローグ
再び勝ち越した8回裏、ここのところ失点が続く久保田ではなく江草を出してきた。
少し冷却期間を置いた方がいいと考えたのか、ここで使ってゲームを壊した場合、
さらに重いダメージを残してしまうのを避けたのかは不明だが、よい判断だと思う。
するとこの江草が、1点リードしている場面での起用とは思えない快投を見せた。
8番木村拓をインコースまっすぐで見逃し三振。
9番代打清水をスライダーで空振り三振。
そして1番亀井をアウトコース低めのまっすぐで見逃し三振。
勝ち越した直後のイニングを三者三振で切り捨てる。
これほど試合の流れを相手に渡さない結果があるだろうか。
江草のこんなピッチングは、3〜4点リードの場面ではよく見るのだが、
強烈な勝負根性の試しあいとなった1点リードの場面でやってくれるとは。
実質、今日の試合はここで終わったと言ってもいいぐらいだろう。
9回表は、代打桧山のヒットと赤星の送りバントでもう1点を取りに行ったが、
平野がセカンドゴロに倒れてトドメはさせず。
しかし9回裏、チーム一の熱血漢・藤川球児がこんな試合を壊すわけがない。
坂本をライトフライ、小笠原を二ゴロ、ラミレスを遊ゴロにしとめゲームセット。
■金剛の輝き
金本の頭部死球やラミレスの幻のホームランがあり、お互いの絶対に勝つ気持ち
激しくぶつかり合った試合だったが、結局は阪神の選手の気持ちが勝った。
その中心にいたのは、死球後の打席でホームランを打った金本であり、
3回以降冷静に立ち直った下柳であり、勝負所で鬼のリードを見せた矢野だった。
この3人は、大きな勝負になると存在感がダイヤモンドのように輝く。
ダイヤモンドは日本語に直すと金剛石で、その輝きと結束の固さは最高の証。
『金剛の輝き』
金本知憲の金、下柳剛の剛、矢野輝弘の輝。
奇しくも、今年40歳を迎える3人の名前が一文字ずつが入っていた。
■本日のやらかす賞:金本(5)
今日のこの男に余計な言葉は要らない!すごいの一言!
>>ブログランキングへ

2008年5月7日(水) at 23:59 / コメント( 9 )
このエントリ(記事)について コメントを書く
このエントリ(記事)へのコメント
喜怒哀楽が全部つまった試合 / uriko1999 URL
笑いあり(葛城)
怒りあり(木佐貫)
悲しみあり(スタンドのファン)
奇跡あり(アニキ!)
全部がつまった試合だったと思います。
まぁ、勝ったからいえることなんですがwww
「金剛の輝き」とは、うまいこといいますね!!
怒りあり(木佐貫)
悲しみあり(スタンドのファン)
奇跡あり(アニキ!)
全部がつまった試合だったと思います。
まぁ、勝ったからいえることなんですがwww
「金剛の輝き」とは、うまいこといいますね!!
2008年05月08日(木) at 7:07
鉄人の力 / rihito13
頭にデッドボールを食らった後の打席でホームランなんか聞いたことがないですよ。今日の朝刊に載っていたコメントでは木佐貫に対して、気にせんでいい、というようなことも言っていました。本当に野球選手のお手本のような選手だと思います。
2008年05月08日(木) at 7:55
サンタテ必須 / マイアフ
昨日のMVPは間違いなく江草でしたね。
あそこで三者三振に切って取るところがやはり能見とはモノが違うことを痛感させられる。
あれで巨人に完全にトドメさせました。
それと葛城の決勝タイムリー。
相変わらずいいとこでよく打ってくれる。
もう今岡さんいらないでしょ…?
5番イクローで固定すべきですよ。
金本はもう言葉はいらないですね。
あえて言うならあの人は神。それだけです。
さて、あちこちで暴れてる巨人ファンや
好き勝手書きまくる関東版マスゴミを黙らせるために今日はなんとしても勝ちたいですね。
あそこで三者三振に切って取るところがやはり能見とはモノが違うことを痛感させられる。
あれで巨人に完全にトドメさせました。
それと葛城の決勝タイムリー。
相変わらずいいとこでよく打ってくれる。
もう今岡さんいらないでしょ…?
5番イクローで固定すべきですよ。
金本はもう言葉はいらないですね。
あえて言うならあの人は神。それだけです。
さて、あちこちで暴れてる巨人ファンや
好き勝手書きまくる関東版マスゴミを黙らせるために今日はなんとしても勝ちたいですね。
2008年05月08日(木) at 10:01
退場 / rainbow hill
昨日レフトスタンドにジーコが来てたとは知りませんでした...。本当はそんな彼は球団側が強制退場にするべきですよね。
昨日の江草は、いつもの柔和な表情ではなく引き締まった顔をしてたのが印象的でした。
昨日の江草は、いつもの柔和な表情ではなく引き締まった顔をしてたのが印象的でした。
2008年05月08日(木) at 12:54
神の手〜!? / 田舎の虎おばさん
朝刊開いて驚いた。<神の手で阪神勝ち星。>あれは、悪魔の手!!そんなんで勝っても、めちゃめちゃ、後味悪い。悪魔の手のお兄さん(おっさん?)静かに自宅で、テレビ観戦してください!!
2008年05月08日(木) at 22:57
>5/7分お返事 /
Kaleido URL
■urikoさん
勝てば官軍とは言ったもんですよね。
木佐貫が金本に当てた時、善良な市民が誤って人を刺したような顔をしていましたよね。元々打ち込まれたりすると怯えたような顔になりますし、人柄が表れてると思いました。
■rihito13さん
金本は一人の人間としても尊敬に値します。
あのホームランは後輩から先輩への気遣いがあったのかもしれませんねw
■マイアフさん
勝ち越した直後を三者連続三振でしたから、完全に流れをこっちに引き寄せました。
あれで勝利を確信した人は多かったでしょう。
葛城はだいぶ5番が板についてきましたね。
でも今岡さんは必要ですよw
■マチスの部屋さん
お褒めの言葉をいただきありがとうございます。
2008年度のなんとか賞を取れるよう、これからも頑張りますw
■rainbow hillさん
敵の本拠地ですから無闇に追い出そうとすると、逆に暴れそうですね・・・。
横からの映像だと、完全にフェンスを越えて手を出してました。
逆にあの状態でボールを捕ってたら、フェン直をホームランにしていた可能性も
捨てきれないんですよねぇ・・・。そうすると巨人側にとっての神の手なんですから。
■田舎の虎おばさん
どちらにしろ、インフィールド内に手を出すのはあきません。
最前列に座るぐらいの客ですから、相当熱心なトラキチであることは間違いないですね。
東京ドームは、最前列の客がフェンスをメガホンで叩いてるシーンも良く見られるので、
これを期に1列目の席を取っ払って、客が入れないようにしたら再発防止になるんですが。
勝てば官軍とは言ったもんですよね。
木佐貫が金本に当てた時、善良な市民が誤って人を刺したような顔をしていましたよね。元々打ち込まれたりすると怯えたような顔になりますし、人柄が表れてると思いました。
■rihito13さん
金本は一人の人間としても尊敬に値します。
あのホームランは後輩から先輩への気遣いがあったのかもしれませんねw
■マイアフさん
勝ち越した直後を三者連続三振でしたから、完全に流れをこっちに引き寄せました。
あれで勝利を確信した人は多かったでしょう。
葛城はだいぶ5番が板についてきましたね。
でも今岡さんは必要ですよw
■マチスの部屋さん
お褒めの言葉をいただきありがとうございます。
2008年度のなんとか賞を取れるよう、これからも頑張りますw
■rainbow hillさん
敵の本拠地ですから無闇に追い出そうとすると、逆に暴れそうですね・・・。
横からの映像だと、完全にフェンスを越えて手を出してました。
逆にあの状態でボールを捕ってたら、フェン直をホームランにしていた可能性も
捨てきれないんですよねぇ・・・。そうすると巨人側にとっての神の手なんですから。
■田舎の虎おばさん
どちらにしろ、インフィールド内に手を出すのはあきません。
最前列に座るぐらいの客ですから、相当熱心なトラキチであることは間違いないですね。
東京ドームは、最前列の客がフェンスをメガホンで叩いてるシーンも良く見られるので、
これを期に1列目の席を取っ払って、客が入れないようにしたら再発防止になるんですが。
2008年05月09日(金) at 10:22
ドーム初観戦!! / 美濃の虎
ゴルデンウィークを必死で働き、自分へのご褒美で行って来ました、初ドーム遠征!
金本!まさに鉄人!当てられた瞬間レフとスタンドは、悲鳴と罵声が入り乱れて凄い事になっていました。
そして数分後、金本コールと共に、復活”これだけでも凄い事なのに、次の打席で魂の弾丸アーチ!打球はあっとゆうまにライトスタンドに飛び込みました。
まさに鉄人”金本!凄すぎます。
そしてこの試合にとどめを刺したが、例のマラドーナ事件
自分はこの観客の後方、数段の位置に居たので、肉眼で事件を目撃しました。
この事件に関しては、あえて何も語りません。
ただ、あの日のレフトスタンドは、金本へのデットボールで、怒り、感動、色々な感情が入り乱れて、異様な雰囲気だった事は、間違いありません。
だからと言ってけして許される行為ではありませんが・・・・
ただ金本が無事だった事が何よりでした。
昨日の木佐貫へのコメント、感動しました。
初ドームがこんな凄い試合になりおそらく一生忘れないと思います。
長々と失礼しました。
金本!まさに鉄人!当てられた瞬間レフとスタンドは、悲鳴と罵声が入り乱れて凄い事になっていました。
そして数分後、金本コールと共に、復活”これだけでも凄い事なのに、次の打席で魂の弾丸アーチ!打球はあっとゆうまにライトスタンドに飛び込みました。
まさに鉄人”金本!凄すぎます。
そしてこの試合にとどめを刺したが、例のマラドーナ事件
自分はこの観客の後方、数段の位置に居たので、肉眼で事件を目撃しました。
この事件に関しては、あえて何も語りません。
ただ、あの日のレフトスタンドは、金本へのデットボールで、怒り、感動、色々な感情が入り乱れて、異様な雰囲気だった事は、間違いありません。
だからと言ってけして許される行為ではありませんが・・・・
ただ金本が無事だった事が何よりでした。
昨日の木佐貫へのコメント、感動しました。
初ドームがこんな凄い試合になりおそらく一生忘れないと思います。
長々と失礼しました。
2008年05月09日(金) at 10:25
このエントリ(記事)にコメントを書く


