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父親たちの星条旗 / daisy

映画 > シネマ
アメリカから見た硫黄島。
父親たちの星条旗

監督 クリント・イーストウッド
製作 スティーブン・スピルバーグ

注:内容について触れている部分もありますので、嫌な方は「続きを読む」をクリックせずに素通りして下さい。

1945年2月23日に撮影され、ピューリッツァー賞をとった1枚の写真。
「硫黄島での国旗掲揚」
この1枚の写真は、戦争に疲れていたアメリカ国民の心を一つにした。
擂鉢山(すりばちやま)の頂上に星条旗を掲げる6人の姿は、バージニア州エーリントン墓地にある海兵隊記念碑にもなり、彼らはアメリカの英雄となった。


映画の中には、日本兵のセリフも感情もまったく出てきません。
完全にアメリカ側からみた「硫黄島の戦い」

国旗掲揚者の中で生き残った3人のうちの1人、衛星下士官だったジョン・ドク・ブラッドリー(ライアン・フィリップ)。
硫黄島での出来事を決して語ろうとせず、沈黙を守り通した彼が、年老いて自分の息子に真実を語り始めるところからこの映画はスタートします。

日本のほぼ最南端、東西たった8キロの小さな島、硫黄島。
上陸のシーンは、とても長い時間をかけて描かれます。
考えられないような状況の中で、上官の命令に従い、自分の任務を遂行し、ただ前に進む・・・。
そしてやはり上官の指示によって、国旗掲揚は行われ、その写真がアメリカを陶酔させることになるのです。

英雄として呼び戻されたドク、アイラ(アダム・ビーチ)、レイニー(ジェシー・ブラッドフォード)の3人は、戦費調達ツアーにかり出されることになります。
行く先々で熱狂的に歓迎される彼ら。
しかし、危険の及ばない本土で浮かれる人々、繰り返されるお祭り騒ぎ、戦死した友の母親にさえ偽らなければならない、国旗掲揚にかかわる真実。
硫黄島の悲惨な情景と裏腹に、人々の無知ゆえに放たれる無神経な言葉。
その中で耐えられなくなっていくアイラ。

アカデミー監督でもあるクリント・イーストウッドは、等身大の人間の思いや苦しみを、静かなメロディーにのせて、淡々と描いてゆきます。
誰かを美化するわけでも、非難するわけでもなく。
それがなおさら、感情移入を生み、アイラが泣きながら心の内を吐露するシーンは深く胸を打ちました。

彼らを讃えるなら、ありのままの彼らを記憶してほしい。

必要なのは、英雄でも伝説でもなく、事実。

今もなお、映画と同じようにイラクの地で命を懸けている兵士がいるということ、そしてその状況は、安全な場所でいくら想像しても、決して完全に理解することはできないということを、揶揄しているようにも感じました。

次は日本側からみた硫黄島。

硫黄島からの手紙

12月9日公開です。


2006年12月1日(金) at 00:32 

このエントリ(記事)へのコメント

はじめまして。 / 本人マーク(認証コメント)ほねたろう。 URL

こんばんは。

なかなか良い作品でしたね。
二部構成ですから、「硫黄島からの手紙」を観れば一段と良いのかもしれませんね。

TBさせていただきます。
2006年12月10日(日)   at 23:28

ほねたろう。さん / 本人マーク(認証コメント)daisy URL

お返事遅ればせながら・・
今日、硫黄島・・観て来ました。

最近硫黄島関係の番組が多いですね。
恥ずかしながら、私はこんな事実があったことも知らなかったので、
こうして今、硫黄島がクローズアップされることは有難いと思います。
多分、全てを理解することはできないんでしょうけど、理解しようとすることが大事ですね。
2006年12月13日(水)   at 21:30

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