上方の宵 若旦那のお座敷入門

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芸妓さんへ とらばーゆ / 若旦那

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前回に引き続きまして、芸妓さんについてお話しいたしましょう。

見習いさんを経まして、座敷に出るようになる訳ですが、お座敷は舞台と同じくお客さまと一期一会の時間を過ごします。お客さまに「またこの芸妓さんを呼んでみたいなぁ」と思っていただくには、当たり前のことですが、不愉快な思いをさせず満足して帰っていただかなければなりません。本人の向き不向きもありますが、慣れるまでは難しいですし、慣れたら慣れたなりの難しさがございます。
「どれだけ誠実にお客さまに接したか」、私たちの言葉でいえば、「どれだけ座敷を勤めたか」、ということなのでしょう。私もお客さまをお見送りした後、振り返って反省したり、また逆に、満足したり、いろいろです。
その上で、気が利くこと、話し上手、聞き上手であること、身ぎれいであること、などが求められますし、必要になってまいります。

私は商売柄、若い娘さんを見ますと「芸妓さんになってみませんか」と声をかけるのですが、なかなか「なってみたい」と答えてくださる娘さんにお目にかかりません。女性の社会進出が進んで、広く自立して生きていけるようになりましたし、稼ぐという点では、もっと手っ取り早い仕事がいくらもあるのですから、芸妓なんてめんどくさい、と思うのでしょうか。「芸事ができなければいけないから」、「お酒が飲めなければいけないから」、とお答えになる方もいらっしゃいます。

もちろん、できないよりは芸に秀でた方がよいですし、飲めないよりは飲めた方がよいのですけれども、必ずしもそれだけではございません。なによりかより、まず「お客さまに満足して帰っていただく」。このことを大切に思える人でないと残っていかないように思います。

一方で、悲しいことに、世間の方が抱く芸妓像と、実際の芸妓像には、ずれがございます。時代劇で芸妓といえば、お客さまにしなだれかかるようにお酌をして、「あれぇ」と帯を解かれるものですから、芸妓が簡単にお客と寝るように思われているのは、残念でなりません。

地方や店によっては、そのようなことが行われていたことも事実ですが、それをもって芸妓はそういうものと、決めつけていただくのは、一生懸命、稽古に座 敷に励む芸妓がかわいそうですし、私どもも心外です。安易に流れる人は、どの世界にも居られます。芸妓は芸を売るのが商売、娼妓ではございません。

芸妓さんというお仕事は、自身を磨き、高めていくことがお好きな方には向いていると思います。この文を目にされた方で、なりたいと思われた方は、ぜひご一報くださいませ。親身にお世話いたします。(^^)

(つづく)画像は、南地・菊二三(きくふみ)さん。
2004年10月19日(火) at 22:57 

このエントリ(記事)へのコメント

人それぞれですよね / ハモン URL

お初にお目にかかります、ハモンと申します。
すごく下品な話になってしまいそうですいません。

わたし、お水のスカウトによく会います。昔、体験入店なるものをしてみたとき、お店の女の子が同じようなことを言ってました。世の中では、風俗嬢よりキャバ嬢の方がやれる率が高いなどと言われているらしく、それを効く度に「そんなもん人それぞれに決まってるやんけ」とか思います。

顔だけは、よく京都の人?と言われます。和、なようです。芸妓さんとかすごくやってみたい。仕事に忙殺されてはいますが、せめて体験入店みたいなのがあれば…、と悔しい思いです。

芸妓さん一日体験とかって出来るのでしょうか?
着物着て、あの頭をして、京都を歩いて、お座敷を体験してみたいんですが。。
2004年10月21日(木)   at 0:05

京都と南地では / 沢田眉香子 URL

京都と南地では、芸風というかルックスというか、ちょっと違うのでしょうかね?
喧嘩っ早い江戸の遊女と、何を考えてるのかわからない上方の遊女の違いってどヤンキーと癒し系、というくらい違うように想像できます。ホステスでも、北新地に比べて銀座は、和装でもぱりっとしたビジネスウーマン風が多いように思えます。
あ、やっぱりお客の男性に会わせてるのかも。
では、南地は芸妓さんも、開けっぴろげで豪快サン?
2004年10月21日(木)   at 9:57

芸子さんへの可能性 / planet91 URL

はじめまして。planet91と申します。
芸子さん、私にとっては異次元の世界です。

5年ほど前でしょうか、舞妓変身をした際に、その日数時間の体験だったにも関わらず観光客に「写真を...」とお声がけ頂いたことがあります。最初は「偽者ですから。」と断っていたのですが「それでもいい」という言葉から最後は訂正せず、撮影に応じていました。
舞妓さん、観光客の方々には申し訳ないので立居振舞を意識し、少しでも本物らしく見えるように気を使いました。変身ツアーがお商売として成り立つのも少なからず皆さん憧れがあるゆえでしょうね。

TVドキュメントなどの見過ぎでしょうか、踊りや三味線などのお稽古など大変、しきたりなどに縛られ厳しいというイメージがあるのですが、いかがですか?
若い方を見るとスカウトされるとありましたが、どのようなお嬢さんに可能性を感じられますか?
どのような人が現場で求められていますか?



2004年10月21日(木)   at 16:15

とらばーゆ!? / くらげ URL

「若い娘さん」ではないので、さすがにとらばーゆは無理ですが就職難なんて嘆く前に、いろんな道があることに気づいて欲しいです。
芸妓さんになれるようなさっそうとした人は、就職もクリアしちゃいそうな気もしますが

芸妓さんの修行は、幼い頃からの積み重ねというイメージがありますが、何歳くらいまでには始めたほうがいい、とかありますか?
お稽古は何種類くらい通うものなんでしょう?

きっと、やり始めたら夢中になれる職業だと思うんですけどね。
2004年10月21日(木)   at 16:21

願わくば、あわよくば。 / pan URL

「お客さまに満足して帰っていただく」と思える人であること、というのは分かるのですが、芸妓さんにふさわしい顔や体系ってぶっちゃけあるのではないでしょうか。
白衣が似合う人とか、オトコウケする顔とか、普通でもいるわけで、芸能人になれるような人っていうのも芸人に向いている人とかってあるように。だからスカウトとかがあるんでしょうか。

願わくばスカウトとかされて、あわよくば芸妓になってみたい。一瞬だけだけれど。
2004年10月21日(木)   at 19:35

こたえになりますでしょうか、 / 谷川恵 URL

たくさんのコメントありがとうございます。
十分お答えできないかもしれませんが、
できる限り誠実にお答えしますので、
気軽にお尋ねください。

まず、芸妓さん一日体験ですが、
こしらえをして街を歩くというのであれば、
京都には、そのようなことをさせてくれる写真館や
もと芸妓さんのお店があります。
お座敷にとなりますと、
やはり私どもはお客さまに対して、ある程度の品質保証をしなければいけませんから、
右も左もわからない方を芸妓さんでございますとは、難しいですね。
お運びあたりから、まずお座敷に慣れてもらうことは可能ですよ。

厳しいか、といいますと、
数が減っておりますから、昔より遥かに大切にされることは事実です。
どのお仕事を選ばれましても厳しいことはある訳で、
ご本人の思いようだと思います。

和の芸能のお稽古ごとをされている方、
着物の好きな方、
明るく朗らかで和ませるような方をお見かけすると、
どう?と声をかけてみますよ。

顔や体型には、こだわりません。
しょうゆ顔であろうとソース顔であろうと、それはその方の個性ですから。
実際、この世界に籍を置くと、垢抜けして、きれいになっていくんですよ。

お稽古は、まずは踊りのお稽古に通ってもらいます。
2004年10月21日(木)   at 20:58

芸妓になりたーい! / 信男 URL

はじめまして信男です。
お恥ずかしながら二年間、パーティーコンパニオンをさせてもらっていました。俗に言う「ピンク」ではなく、元気でおバカな女に子が宴の精神年齢を下げるためのお仕事です。
お酒大好き!おじさま大好き!の私には芸妓さんのお仕事、大変興味のあるお話です。
現在20歳、ピアノと習字以外、お稽古らしいことをしなかった私にも、チャンスはあるのでしょうか?
2004年10月21日(木)   at 22:17

男です、すみません。 / nakajiman69 URL

文末で自分を高め磨くことが好きな方に向いているとおっしゃられていました。私はそのような行為が大好きです、人生そのものと考えています。
どの世界でも相当することかもしれませんね。
以前、アルバイトでそういった世界(ボーイでしたが)にいた時に経験した事をコメントしたかったのですが、なんせお客さんがまったく来なかったのでずーとママの肩たたきしてたことがありました。
経験したのはそのくらいでした、私が女の子だったらやってみたいとは思いました。
2004年10月21日(木)   at 22:44

男っぽい性格のあたしでも芸妓さんになれるのでしょうか? / なっつ URL

こんばんわ。突然の訪問です。芸妓の世界、とても興味深いです!

気になった事が顔や体型などは関係ないとおっしゃってましたが、性格では実際向き不向きというのははっきりわかれるものなのですか?

例えばあたしも過去にバイトでパーコンをした事があるのですが、その際に「んー君はこの世界に向いてないよね。」ってきっぱり言われていた子が沢山いました。目の肥えたおじ様からみたらその向き不向きは雰囲気でわかるそうです。しかし、後々慣れれば別じゃ・・・という事実もくっついてくるのですが。

そういう意味も含め、芸妓さんの世界ではもっと厳しいのでは?と想像するのですが、どうなんでしょうか?芸妓さんに向いている性格なんてあるのでしょうか。
2004年10月22日(金)   at 0:01

こたえになりますでしょうか その2 / 谷川恵 URL

コメントありがとうございます。
若旦那です。
ご質問にお答えいたします。

現場で求められるのは、
理想ですけれど、
気の利く、頭の回転のいい方でしょうか?
ハッとした時に気の利いた一言をいえるか、いえないか、
は大きいですし、
そういう方でしたら、私たちも安心してお座敷を任せられます。

また、
芸妓さんになるには小さい頃からお稽古ごとをしてなければならないということは、
ございません。
芸妓さんになってから、あるいは、なると決めてから、お稽古を始める方が、ほとんどです。

性格が男らしいのであれば、
その個性を売りにされてはいかがでしょうか?
踊りを受け持つ立方(たちかた)の芸妓さんには、
踊りのうえでですけど、
宝塚のように男役と女役があるんです。
男役と女役では、かづらや着物が異なります。
ブログ「芸妓さんへ とらばーゆ」の画像で紹介している菊二三さんのこしらえは、男役のもので楽屋銀杏(がくやいちょう)という髪型、着物は裾を引かない着付けになります。
次のブログ「街それぞれ」の画像で紹介している京都の芸妓さんのこしらえは、女役のもので髪は高島田、着付けは裾引きになります。
2004年10月22日(金)   at 21:03

勉強になります! / なっつ URL

はぁーそうなのですか。返事ありがとうございます。確かにかづらが違いました。
見比べてみると「芸妓さんへ とらばーゆ」のほうがなんとなーく男っぽいかも・・・。

しかし実際気転を利かすというのはなかなか難しいのですよね。わたしの場合はそのバイトであたりさわりのない会話をひたすら考えながらすきやきや、鍋を作るという作業は結構大変だったぁ。(しかも鍋奉行はきびしーっ)臨機応変に!という言葉が毎回飛び交う世界でした。

「びーる、にほんしゅ、みずわり〜」をひたすらなくならないように見張っている番猫です。はは・・・。

・・・次元が違うくてすみません。
時々おその場で芸妓さんとお会いする機会があったのですが、毎回ほれぼれしておりました。あの喋り方とあの接し方はやっぱりすごい。

男っぽい性格でもそれを生かすというお言葉、とても勇気づけられます。

2004年10月23日(土)   at 2:57