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「新・八犬伝」  平成若衆歌舞伎 / 村をんな

ニュース・芸能 > 歌舞伎
観劇日…2002年8月4日
劇場…シアタードラマシティ


 舞台は全体が黒(床も含めて)です。で、装置は普通の歌舞伎でよく使ってる屋台だったり書き割りだったりしました。下座は生(5回しかない公演なのに録音ではない!)を使っていて、それにプラスして今時風の効果音(例えば雷とか)が使われています。照明は歌舞伎のベターっとした明るさのものではなく、陰影のある今時風な感じでした。
 シアタードラマシティという歌舞伎をするには花道もなく盆も無いというちょっと使いにくい劇場を活かす為でもあり、平成若衆歌舞伎らしくもありということなのでしょうか。
 ストーリーも判りやすく作られていました。今回は伏姫の悲劇、妖刀村正の重要性、崇徳院の祟りによる扇谷定正の妖術という八犬伝らしいモチーフがしっかり描かれていました。これらが埋没してしまうとただのお家騒動になってしまうと思われます。
 上方歌舞伎塾1期生たちが随分がんばってました。
 まずは伏姫の弟馬鹿殿・義成役の片岡佑次郎君、昨年・一昨年上方歌舞伎会公演で松葉目物の大名・太郎冠者のひょうひょうとした演技を思い出しました。あの明るさは天然なのか、それがとても生きていたように思いました。
 伏姫役の片岡千壽郎君はちょっと持ち味が地味なので、華が無い感じもありましたが薄幸の姫役の苦しい胸の内を吐露するところなどセリフの良い人なので聞かせてくれたと思います。
 犬山道節役の片岡松次郎君、ダンマリの最後の目を寄せてぐっとにらむ見得が良かったです。上方歌舞伎だとなかなか荒事を見ることはできないとは思うんですけど、夢のまた夢と言うことでは江戸系の荒事などをさせてみたくなりました。
 犬坂毛野役の片岡千次郎君、大磯の花魁朝毛野実は犬坂毛野という難しい役だったのですが、結構力強く演じていて見直してしまいました。千次郎君て大人しいというイメージがあったものですから。
 片岡りき弥君と片岡千志郎くんもがんばってましたけどまだまだ力不足かなという気がしました。
 最後に片岡愛之助さんですが、やっぱり芝居がしっかりして大きくて“一日の長”がありました。が、崇徳院も扇谷も左母次郎も皆同じってところは否めなかったかもしれません。
 演技の危ういところを照明とか効果で補っているなと思わせるところもありましたけれど、結構面白かったですし、歌舞伎として十分成立するものになっていたと思います。
2005年11月2日(水) at 22:13