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第十二回「上方歌舞伎会」 / 村をんな

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観劇日…2002年8月25日
劇場…国立文楽劇場


  今年の演目は「引窓」(双蝶々曲輪日記)、「乗合船恵方万歳」、「すし屋」(義経千本桜)でした。
 3本まとめて、印象に残ったところを述べておきたいと思います。
 「すし屋」でいがみの権太を演じた片岡松之助さんが最初から最後まで大阪のちんぴらだったところ。本来なら江戸時代の吉野のちんぴらだった権太がいつまにか江戸っ子になって洗練されてきたというのは、よく知られているところです。それを吉野とまではいかなくても、大阪まで引き戻して来た感じがしました。こんなに泥臭い権太というのはなかなか得難いものなのではないでしょうか。
 権太の妹、お里役の片岡千壽郎君の動きが良くなってきたように思いました。ただ、まだまだ内面の充実というところは勉強の余地があるとは思いましたが。
 権太の母お米役の坂東竹雪君、まだ20歳代の若さでの婆役とっても難しく、この経験が生かされるようになるには何十年も先のことと思いますけど、よく頑張ったのではないでしょうか。
 「引窓」の母お幸役の片岡松之亟さんはこの芝居を引っ張っていく重責を十分果たしていたと思います。前半の濡髪長五郎が戻ってきたとき単純に喜んでいた明るさがすてきだと思いました。
 南方十次兵衛の女房お早役の中村鴈秀君。上方歌舞伎塾2期生で上方歌舞伎会初出演での大役です。ちょっと中村福助さん風の味がありました。セリフの強弱がまだまだなのか、教えられたとおり強く出るところは突然セリフの声が大きくなるのが、ちとご愛敬でしたが。
 南方十次兵衛役の實川延郎さんは、町人らしい味が情と優しさがあって良かったと思いました。
 以上、3本まとめてと初めに書きましたけど、「乗合舟」のほうはこれといって目に付くことが無かったのがちょっと残念だったかもしれません。


2005年11月3日(木) at 13:52 / コメント( 0 )/ トラックバック( 0 )
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