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九月花形歌舞伎「三国一夜物語」 / 村をんな

ニュース・芸能 > 歌舞伎
観劇日…2002年9月16日
劇場…大阪松竹座


 この芝居は「南総里見八犬伝」を書いた曲亭馬琴の読本を原作にした新作歌舞伎です。たぶん大学時代に江戸文学を研究した人でもなければ聞いたこともない作品ではないでしょうか。これを主演の市川染五郎がインターネットで見つけたようです。

住吉の楽人(雅楽の演奏者)富士太郎とその父は親戚でもある浅間左衛門の父に妬まれてその地位を追われ、海辺で漁師をして糊口をしのいでいました。ある日将軍の御座船が通るために禁漁になっていたことを知らず、漁に出た太郎は警護の侍に怪しまれ、御座船に連れて来られます。そこで浅間と再会し富士家の家宝「高嶺の太鼓」を見つけた太郎は、将軍の前で舞楽を披露し再び楽人に戻って将軍に仕えることになっただけでなく、「高嶺の太鼓」も取り戻しました。ここで恥をかかされた浅間左衛門の復讐が始まります。
この話には所々に浦島伝説が織り込まれ、太郎が窮地に立たされると竜王や乙姫に助けられるのです。
こういうストーリーを歌舞伎通し狂言の様式にはめ込んで、郭の華やかな場面あり、貧苦に沈む愁嘆場あり、水中遊泳の宙乗りあり、へたではありましたがひちりきや琴・鼓などの生演奏も披露したりして若い観客にも飽きさせない構成にしてありました。

ストーリーの紹介が長くなってしまいましたので印象は手短に。
見せ場の一つに染五郎と亀治郎の早変わりがあったのですが、さすがに亀治郎は猿之助の3S(スピード・スリル・サスペンス)歌舞伎で鍛え上げられているので、見事に見せてくれました。それにしても桜子役の亀治郎が竜王に変わるのは何の違和感も感じませんでしたが、染五郎の乙姫はいくらご愛敬とはいえあまりいただけるものではありませんでした。(乙姫の笑顔はなかなか強烈な印象)
役者では市川高麗蔵の演技をじっくり拝見できたことが収穫だったように思います。高麗蔵が着実に勉強しているのが感じられるような誠実な演技を見せてくれ、派手さは無いもののまた高麗蔵の芝居をみたいなという気にさせられました。
2005年11月3日(木) at 13:57 / コメント( 0 )/ トラックバック( 0 )
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