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「検察側の証人」 / 村をんな

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観劇日…2002年10月13日
劇場…近鉄劇場
 

 労演では83年8月の例会で見ていたはずだったのですが、すっかり肝心のストーリーを忘れていました。
 山田和也の演出は古い映画でも見ているように始まりました。
「1952年」と黒幕の上に照らし出し印象づけたところは、気配りがよく効いていたように思えました。
 それと法廷のシーンで証言者が変わる度に裁判官席・容疑者席・証言者席・検事、弁護士席が移動するのも映画のクローズアップの効果を狙ったものなのでしょうか。
 最初ロバーツ卿の弁護士事務所のシーンで、ローマインはドイツ人で女優と一言紹介されていました。ここでアガサ・クリスティは正々堂々とヒントを与えてくれていました。ローマインは1952年当時イギリス人が考えていたドイツ人をみんなの前で演じていたのです。麻美れいの演じるローマインがあまりにも感情を押し殺し、冷静さを装っていたので、初めは敗戦国のトラウマがある演技なのかと深読みしながら見ていました。しかしローマインが娼婦に変装して現れた時に女優だったことを思いだしたのです。それにロバーツ卿の事務所にはいつもレナードとは別に現れて証言していたことなどを芝居を見終わってから気が付きました。この作品はミステリーの基本中の基本ではありますが「さすが!!」と唸る面白さでした。
 ロバーツ卿役の古谷一行はサスペンスドラマの常連だけのことはあって、安心して見られました。
 レナード役の河原雅彦は年上の女をメロメロにさせるような女たらしの役だからか、どことなく甘ったるくてどうも私は苦手な感じがしました。
 ローマインの麻美れいは冷静さを装っているところ、娼婦を演じているところ、本心を表したところなど演技のメリハリがはっきりしていて、彼女の持ち味が最大限に生かされていたのではないでしょうか。
 現在の演劇界でこれ以上の配役の「検察側の証人」は求められないのではないかと思われるほどでした。 

2005年11月3日(木) at 14:02