村をんなの独白

村をんなのblog

HOME > ニュース・芸能 > 花組芝居 > 「婦系図」 花組芝居

「婦系図」 花組芝居 / 村をんな

ニュース・芸能 > 花組芝居
観劇日…2001年7月20日
劇場…近鉄劇場


 「婦系図」といえば新派の代表的な演目ですが、この「婦系図」は泉鏡花の原作に忠実に花組らしく仕立てられた芝居です。原作が新潮文庫で復刊されているのですが、400ページもある長編です。
これを座長であり演出家である加納幸和が上演時間3時間半にまとめるという大変な作業を成し遂げてます。
 そこでスピードアップを図るために、加納は舞台にメリーゴーランドを設置し、それを回り舞台として使用し舞台転換による無駄な時間を省いています。そしてセリフのスピードが新劇や新派に比べるとかなり早い(小劇場の俳優の語るセリフとしては普通の速さなのかもしれませんが)ことによって実現できたのかもしれません。
 主役の早瀬主税は各務立基、彼は俳優座出身で京都労演には「復活」・「巨人の帽子」で来演しています。2000年12月に上演された「海神別荘」の主役の公子役で抜擢された時、セリフがちゃんとしゃべれるということで驚いたのですが、カーテンコールの時の紹介で俳優座出身と聞いて「やっぱり」と肯きました。
 妙子役は森川理文、彼も青年座の研修所出身だそうです。ただ研修所にいたときの新劇の芝居の組立方について疑問を持ち、花組芝居に入ってやっと自分らしい芝居ができるようになったのだそうです。
 座長の加納は日大芸術学部出身で、自ら新劇の落ちこぼれと言っておられますが、同世代の私から見ると私達の学生時代は新劇は若者の代弁者という時代が終わり掛けていた頃なので、落ちこぼれとはいえないと思うんですけれど。
 私が花組芝居に惹かれるのは、今度は何を見せてくれるのだろうかと期待と裏切りを楽しませてくれることです。今回は植本潤のお蔦(彼は小劇場界で売れっ子の若女形)を堪能することができました。新派のお蔦は年増の元芸者というイメージがあるのですが、原作は23歳くらいの女性なのです。惚れた男と暮らすために借金を整理し、主税の為なら日陰の身でも構わないという一途な女性です。
 植本潤の演技は彼の持ち味の可愛らしさの上に、しっとりとした風情が加味されて原作のお蔦のイメージにピッタリだなと思えました。

2005年10月26日(水) at 20:38