「第十四回 上方歌舞伎会」 / 村をんな
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観劇日…2004年8月22日
劇場…国立文楽劇場
今年の演目は「寿曽我対面」「一谷嫩軍記」「紅葉狩」の三本でした。
まず「寿曽我対面」から。今回この芝居の配役は上方歌舞伎塾卒業生が中心となって割り当てられました。たぶん平均年齢は30歳を越えていないと思われます。このメンバーの中で、どの役も大変だったろうとは思うのですが、その中でも普通なら座頭が演じる工藤左衛門祐経役の松四朗がセリフの多さに加えて、格の高さを表現しなければならないので、もうどうしようもない壁にぶつかっていたのではいたのではないでしょうか。
曽我五郎時致役の松之は、きっちり形が決まらなかったのが残念でした。
曽我十郎祐成役の千壽郎は普段は女形の勉強をしているのですが、今回は若衆役にチャレンジされました。セリフが良いので松之よりは安心して見られました。
最後に鬼王新左衛門が宝刀友切丸を持って出てくるのですが、この中では先輩格にあたる竹志郎が演じていました。やはり舞台慣れしてる人が出てくるだけで見ているこっちはホッとしてしまいました。
「一谷嫩軍記」はうって替わって、ベテラン中心の配役となりました。その中で藤の方を演じたのがりき弥だったのですが、ベテランを相手に大奮闘だったんではないでしょうか。年齢的にも役柄的にも今まで娘役が多く、16歳の敦盛という息子を持ち、その息子が殺されたという極限の精神状態を演じるというのは小学3年生が大学受験をするようなもので、本来なら手も足も出ない役柄に挑戦し、何はともあれ形だけはなんとか付いていってたようにと思います。この経験が生きて来るにはあと30年くらいかかると思うのですが。
熊谷直実の松之助・相模の嶋之亟・弥陀六の當十郎は手堅くまとまっていたと思います。
「紅葉狩」これもまた大変な舞踊を取り上げたのではないでしょうか。普通の歌舞伎公演でもなかなかこの踊りを見ることはなく、雀右衛門さんとか鴈治郎さんがたまになさるくらいのような気がします。主役の更科姫は、仮の姿で実は戸隠山の鬼女ですから、ただ上品にたおやかなだけではなく、踊りの途中で二枚扇を自在に操るという振りが付いています。そして最後には鬼女に変身して、毛振りという大技まで披露しなければなりません。
扇乃丞は二枚扇の時に緊張から手が震えているのが見え、こちらまでどきどきしながら扇を凝視してしまいました。二枚扇が終わるとまた何もなかったように堂々と舞い始められて、私の肩の力も抜けたような気になりました。
去年の上方歌舞伎会で滑稽な丁稚役を演じていた純弥は今年は本来の女形に戻って侍女野菊を勤めました。去年の丁稚役があまりにも強烈な印象だったので、今年のうってかわった女形姿にちょっと大人になったかなというイメージを持ちました。
今年の上方歌舞伎会のがんばったボーイは片岡りき弥君だと思います。


