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「欲望という名の電車」 / 村をんな

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観劇日…2001年9月16日
劇場…青山円形劇場


 テロ事件で厳戒態勢の空港を利用し、わざわざ東京まで遠征した甲斐がありました。それほど素晴らしい芝居でした。
 青山円形劇場は一言で言うとまん丸のカレー皿の様な劇場です。真ん中に丸い舞台があり、それを囲むように7ブロックに分けられた5列の席がありました。普段額縁の芝居ばかり見ている私の頭にはいったいこの丸の中でどのような芝居をするのか想像がつきませんでした。しかし、答は簡単。私達はスタンリーとステラのアパートの部屋の壁だったのです。だから観客の視点はまるでテレビドラマを見ているようであり、隣人をのぞき見しているようでもあったのです。
 今まで私は京都労演の舞台で、杉村春子のブランチ・東恵美子のブランチを見てきましたが、彼女たちは私には偉大すぎたように思われます。それにくらべると篠井英介は42歳の女形。生身の女の私より、よっぽどナルシストで加齢による美貌の衰えに敏感かもしれません。それがブランチの抱く恐怖をグロテスクに分かり易く表現できたのではないでしょうか。
 実は9年前篠井はテネシー・ウィリアムズの遺族から女形であるという理由で上演直前に「欲望〜」を差し止められているのです。しかし篠井はあきらめず執念でもってこの公演にこぎつけたのだそうです。
 私はこの9年の執念がブランチの狂気を熟成させていき、年齢が苦悩を深めたのではないかと思いました。
 役者人生にとって分岐点となるような役は、やるべき時に廻ってくるように演劇の神様が計っているのではないかと思えてしまいます。
 さて、ステラ役の久世星佳、今回その自然な演技に宝塚時代は随分無理をしていたんだろうなと感じました。
 スタンリー役の加勢大周、本当いい男で、セクシーだし、野心もあるし、ウザイ小姑へのイライラ感も伝わってきました。
 で、今回初めて拝見したと思うのですが、ミッチェル役の田中哲司。最後の場面でポーカーをしながらブランチを盗み見ているときの切なそうな目の演技、印象的でした。

2005年10月28日(金) at 22:02 / コメント( 0 )/ トラックバック( 0 )
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