「時には父のない子のように」 / 村をんな
ニュース・芸能 > ストレートプレイ
観劇日…2005年6月18日
劇場…京都府立文化芸術会館
とあるビルの屋上で翌日のテレビ収録に向けて、一人漫才のネタを練習する男(佐々木蔵之介)。彼の父は大阪の演芸界で一人漫才を演じる大御所だったのだ。そしてその日は父の四十九日でもあった。
彼がネタを練習しているところに、東京から弟(佐藤隆太)が戻ってくる。
兄は家を飛び出したまま音信不通で、葬式の日にも帰ってこなかった弟をなじる。弟は兄が練習している姿を見て「七三分けのアナウンサーの挨拶」と批評する。父の芸は、不真面目な人間が真面目なことをいうところに面白さがあったのだが、兄のような真面目人間が真面目な話をしても面白くないというのだ。
しかし兄は長男として父の芸を受け継がなければならないというプレッシャーを自ら課していた。子供の頃から友達が遊んでいるときも演芸場の席に座らされて、父の芸を見続けており、学校を卒業してからも地方の演芸場を回って仕事をしていたのだ。そしてある日父から一人漫才の芸を世に残すように命じられてしまっていた。
弟は、東京でバンドを組みドラムを担当していた。大阪にいたときにはバンド活動など一切していなかったので、兄にはなぜ弟がドラムを叩いているのかが理解できなかった。しかし弟は父から一人漫才を継がないかと言われたことに、反発して東京に出て行ったのである。後を継ぐ気のない弟に対して父は毎月のように自分の書いたネタ帳を送り続けていたのである。
父親に才能が無いと思われていた兄、一人漫才を継ごうとしている兄の苦労を知っているがゆえに東京へ行ってしまった弟。
普通漫才といえば二人でするものなので、ただ漫才師を継ぐのであれば兄弟二人揃っていれば才能があろうがなかろうがなんの問題もないのですが、そこに一人漫才という設定をはめてしまっているのです。
父に認められていない兄と認められた弟の葛藤。父から離れようとする兄自身の葛藤。一人漫才なので笑う場面も作られてはいましたが、ただ面白おかしいだけの芝居ではなく、最後までかなり重い芝居でした。
ネイティブな大阪弁をしゃべれる佐々木さんにはたっぷりと、大阪弁がしゃべれない佐藤さんには東京へ出て行ってるという設定をあてはめて、芝居を作ってあるところがまず贅沢だったのではないでしょうか。この戯曲は佐々木+佐藤コンビだけではなく、例えば関西系俳優や若手芸人などいろんなパターンの組み合わせで上演できる面白い作品だったと思うので、今回一回限りではなく、どんどん舞台に掛かって欲しいなと思いました。
舞台出身の佐々木さんはテレビで見せる知的で冷静なイメージの演技とは違い思い切りはじけておられたのではないでしょうか、そして舞台をきっちりリードして作っていたように思いました。
佐藤さんは今までテレビ・映画を中心に仕事をしてきた役者さんの癖で、目線などが舞台ではまだまだ狭い感じがしました。ただ発声などはしっかりしていたので、これから場数を踏んでいけばどんどんよくなっていくのではないでしょうか。
劇場…京都府立文化芸術会館
とあるビルの屋上で翌日のテレビ収録に向けて、一人漫才のネタを練習する男(佐々木蔵之介)。彼の父は大阪の演芸界で一人漫才を演じる大御所だったのだ。そしてその日は父の四十九日でもあった。
彼がネタを練習しているところに、東京から弟(佐藤隆太)が戻ってくる。
兄は家を飛び出したまま音信不通で、葬式の日にも帰ってこなかった弟をなじる。弟は兄が練習している姿を見て「七三分けのアナウンサーの挨拶」と批評する。父の芸は、不真面目な人間が真面目なことをいうところに面白さがあったのだが、兄のような真面目人間が真面目な話をしても面白くないというのだ。
しかし兄は長男として父の芸を受け継がなければならないというプレッシャーを自ら課していた。子供の頃から友達が遊んでいるときも演芸場の席に座らされて、父の芸を見続けており、学校を卒業してからも地方の演芸場を回って仕事をしていたのだ。そしてある日父から一人漫才の芸を世に残すように命じられてしまっていた。
弟は、東京でバンドを組みドラムを担当していた。大阪にいたときにはバンド活動など一切していなかったので、兄にはなぜ弟がドラムを叩いているのかが理解できなかった。しかし弟は父から一人漫才を継がないかと言われたことに、反発して東京に出て行ったのである。後を継ぐ気のない弟に対して父は毎月のように自分の書いたネタ帳を送り続けていたのである。
父親に才能が無いと思われていた兄、一人漫才を継ごうとしている兄の苦労を知っているがゆえに東京へ行ってしまった弟。
普通漫才といえば二人でするものなので、ただ漫才師を継ぐのであれば兄弟二人揃っていれば才能があろうがなかろうがなんの問題もないのですが、そこに一人漫才という設定をはめてしまっているのです。
父に認められていない兄と認められた弟の葛藤。父から離れようとする兄自身の葛藤。一人漫才なので笑う場面も作られてはいましたが、ただ面白おかしいだけの芝居ではなく、最後までかなり重い芝居でした。
ネイティブな大阪弁をしゃべれる佐々木さんにはたっぷりと、大阪弁がしゃべれない佐藤さんには東京へ出て行ってるという設定をあてはめて、芝居を作ってあるところがまず贅沢だったのではないでしょうか。この戯曲は佐々木+佐藤コンビだけではなく、例えば関西系俳優や若手芸人などいろんなパターンの組み合わせで上演できる面白い作品だったと思うので、今回一回限りではなく、どんどん舞台に掛かって欲しいなと思いました。
舞台出身の佐々木さんはテレビで見せる知的で冷静なイメージの演技とは違い思い切りはじけておられたのではないでしょうか、そして舞台をきっちりリードして作っていたように思いました。
佐藤さんは今までテレビ・映画を中心に仕事をしてきた役者さんの癖で、目線などが舞台ではまだまだ狭い感じがしました。ただ発声などはしっかりしていたので、これから場数を踏んでいけばどんどんよくなっていくのではないでしょうか。


