村をんなの独白

村をんなのblog

HOME > ニュース・芸能 > 歌舞伎 > 第五回浪花花形歌舞伎 第一部

第五回浪花花形歌舞伎 第一部 / 村をんな

ニュース・芸能 > 歌舞伎
観劇日…2008年4月13日
劇場…大阪松竹座


 第一部の「妹背山婦女庭訓」を見てきました。

 「道行恋苧環」はおなじみの舞踊で、求女・橘姫・お三輪3人の恋模様を描いています。

 配役上、橘姫は新人が、お三輪はベテランが演じることが多いように感じます。今回の橘姫は翫雀さんの息子・壱太郎さんが演じられたのですが、やはり経験が少ないせいか、型通りではあるけれど、演技というところまではいってなかったような気がしました。

 それに比べると、扇雀さんや孝太郎さんはさすがで、孝太郎さんが舞台に現れてやっと「道行恋苧環」のストーリーが動き出したように見えました。

 「三笠山御殿」は大掛かりな芝居なので、「道行恋苧環」に比べると上演回数が少なく、私自身勉強になりました。

 今回の上演で求女・橘姫が舞台に出てきたときは、成駒屋一門中心に、お三輪や鱶七が出てきたときには松島屋の一門中心に脇役さんたちが周りを固めているようで、一つの芝居でありながら、きっちり住み分けできてるなぁと思いながら、拝見しました。

 お三輪をいじめる官女たちは、中村寿治郎さんや片岡當十郎さんを初めとした超ベテラン立ち役の皆さんがなさっていたのですが、さすがにこれは一門の枠を超えた手錬の方々だったので、面白かったです。

 藤原入鹿の妹・橘姫と求女が婚礼を挙げたことを知ったお三輪が嫉妬に狂うばかりか、官女たちに徹底的にいじめられ"疑着の相"が現れているところまで追い詰められるので、「道行恋苧環〜三笠山御殿」まで続くとお三輪を演じることは緊張状態を途切れさせることができない大変な役だと再認識いたしました。このお三輪を演じた孝太郎さんの忍耐力・気迫が凄かったと思いました。

 鱶七の愛之助さんは登場した瞬間、仁左衛門さんに指導された通り演じていたように感じました。
 三笠山御殿というのは、割りに舞台に掛けられること少ないとは思いますが、次回鱶七を演じられる時は愛之助さんのどんな味が出て来るのか、楽しみです。

 求女役は扇雀さんだったのですが、さすが一日の長で存在感がありました。橘姫の壱太郎さんを引っ張っていくという役目も担われていたので大変だなぁと思いながら拝見していました。

 壱太郎さんは、まだ海のものとも山のものともという感じでした。場数を踏んでいけば、壱太郎さんらしい個性も出て来るんでしょうね。

 上方歌舞伎会でもベテランお三輪、新人橘姫コンビで「道行恋苧環」が上演されることが多いんですが、久しぶりに実力伯仲した役者さんたちで見たいものだと思いました。
2008年6月1日(日) at 10:12