チョコちょこ読書雑記

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ブログ移転のお知らせ / チョコちょこ

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2008年7月11日(金) at 17:31 

『ながいながい旅』のこと… / チョコちょこ

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今日は、朝からヒドイ雨でしたね。
雷も鳴っていましたし…

もう、梅雨も終わりでしょうか。


先日、岩波書店から『ながいながい旅』(ローセ・ラーゲルクランツ 文/イロン・ヴィークランド 絵)が出版されました。
リンドグレーン作品の殆どの挿絵を手がけた、ヴィークランドの自伝的な絵本です。

駅のホームで、大きな犬と大きなカバンに挟まれて、立ち尽くす幼い少女…表紙のこの少女がヴィークランドです。
誰もいないホーム。その果ては小さく、遠く…
…なんて孤独で寂しい絵でしょう。
でも、少女は毅然とした態度で立っています。。
この少女の、この姿が力強く…そのことに、少しだけ安心するのです…


戦時下のエストニアについて描かれている間は、少女には名前がありません。

美しい、平和なイラストと
不安で、辛いイラストと…

ドイツ軍の後、再びソ連軍が町にやってきた時、ヴィークランドは町を離れることになりました。

その時になって初めて…


女の子の名前は、そう、イロンといいました。


…ストックホルムから出ている、この絵本の原書を手にしている子どもたちがよく知っているイロン・ヴィークランドの名前。
絵本の前半に描かれていたのは、そんな、何処か遠くの、よく知らない女の子のお話ではなく…皆がよく知っている、このヴィークランドと同じ名前の女の子のお話…

どれだけ、子どもたちは身近に戦争を、悲しみを、感じることでしょう。


ヴィークランドは、避難先のスウェーデンで、絵を描く喜びを知りました。

…絵本は、再び美しく鮮やかなイラストに変わります。


そして今、女の子はようやく到着したのです。
2008年7月8日(火) at 09:51 

『うさこちゃんびじゅつかんへいく』のこと☆ / チョコちょこ

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福音館書店から出たばかりの本書を手にした時、「あれ? 邦訳は初めて?」って…思わず悩んでしまいました(苦笑)

うさこちゃんの前に並ぶ、色とりどりのうさぎさんの絵。

この表紙は…いえいえ、やっぱり、見たことがあります。

以前、講談社から『ミッフィーのたのしいびじゅつかん』というタイトルで、角野栄子さんが翻訳していましたね。

福音館書店の方は、版権をオランダの出版社から譲り受けたようです。
翻訳は松岡享子さん。



ある日、うさこちゃんのおかあさんは、美術館へ行くことにしました。


いっしょに いきたいひと いる?


でも、おとうさんは、うさこちゃんが美術館に行くには小さすぎるって言うんです。


ちいさすぎる? どうして?
わたし、もう おおきいよ。



えぇ、勿論、うさこちゃんは美術館に連れていってもらえました。


美術館には、いろいろなものがあります。

りんごの絵。
お星さまのモビール。
石で出来たくまさん。
青いお日さま、黄色いお日さま。
しま模様の絵。

青いうさぎさんもいました。


まあ、きれい、と、うさこちゃんは、
おおきな こえを あげました。
たくさんの うつくしい いろ。
まるで はさみで きりぬいたよう。



美術館で楽しかったうさこちゃんは、最後に決心します!


おおきく なったら、
そう、あと 2、3ねんしたら、
わたしが なにになるか わかったわ。
わたし がかに なるの!



本当に可愛い絵本ですね♪

色々な美術館の作品が、小さな子どもにも分かるように描かれています。

作品の観方は、それぞれです。
幼い子どもには、幼い子どもなりの受け止め方があります。
その描き方が…やっぱり、ブルーナですね!
本当に、素直な気持ちで読める絵本です。

この絵本を手に、ぜひぜひ、美術館へ行ってみてくださいね☆
2008年7月6日(日) at 20:13 

不思議な感覚に浸ってしまいます…『かかし』のこと / チョコちょこ

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水を張った田圃に、青い稲がすくすくと伸びています。

涼しげな風景ですが…西日は強烈ですね(苦笑)

もう、すっかり《夏》の日差しです。

今年の夏も、水不足になるのでしょうか……


さて、今日手にしているのは『かかし』(シド・フライシュマン 文/ピーター・シス 絵/ゴブリン書房)なのですが…

この絵本は、とても不思議なものですね。

内容はシンプルなのですが、読後に何だか、穏やかで静かな“何か”が…胸の奥に漂います。
不思議な感じで掴まえ所が無いのは…その漂っている“何か”が、幾つもの感情を重ねているからですね…


ある日、ひとりぼっちのジョンじいさんは、頭の無いかかしをつくりました。
でも、何だか不安な気持ちになってくるのです。
顔を上げるたびに、頭の無いかかしが見えます。


「なんとまあ、おそろしい ながめだろう」


ジョンじいさんにとって、きっと、頭の無いかかしは一層の孤独を感じさせたのでしょう。


「ああ、あの かかしの姿には、ぞっとする!」


そこで、じいさんは頭を作ってあげました。

…いいえ、それだけではありません。

話しかけ、ハーモニカを聞かせ、軍手と靴をあげました。
一番上等な帽子と、黄色いレインコートも。
そして、かかしとチェッカーを始めた時……

目の前に、一人の若者が立っていました。


「こんちは! 人手が必要だって、町で 聞いてきたんですが」


若者はサムと言いました。


…その日の晩、ジョンじいさんはハーモニカを吹きませんでした。


じいさんはかかしがしていた軍手をサムに与え、帽子を与え、靴も黄色いレインコートも渡しました。


…ジョンじいさんは、サムに去ってもらいたくなくなっていたのです。

サムがハーモニカを吹くと、じいさんも競うように吹き出します。


ふたりは あたりが すっかり暗くなるまで、次々と 演奏していきました。
そろそろ おしまいにしようかというころ、
ジョン・ハンバックルは、長いあいだ かかしのほうを ながめやっていましたが、
やがて サムにむかって こう言いました。
「チェッカーゲームでも どうだい?」



そのページでは、沈む赤い夕日に照らされ、頭だけが残ったかかしがジョンじいさんに手を振っているようにも見えます。

…ジョンじいさんにとっては、いい結果でしょう。

でも、この絵がどうしても、とても寂しく感じられるのは…
そこに、かかしの想いも映されているからなのでしょう。


ジョンじいさんは、かかしを孤独な生活の中の相棒にしていました。
でも、最後には、そのかかしを孤独にしてしまうのです。

相反する複雑な感情が胸を過ぎり…
それが、読後に“何か”はっきりとは言い表せない感覚を残すのでしょうね。



読む人の、それぞれの状況や性格によって受け止め方がかなり違うだろう絵本の一つです。
2008年7月4日(金) at 20:39 

今日は、内田新哉さんの絵を… / チョコちょこ

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今日の帰り道。

少し小高くなった所から、数車線の道を車に乗ったまま遠く見ていました。

ぼんやりと、焦点も合わさずに…

その幾つもの道を、無数に湧き出す車の群れが、ぶくぶくと泡粒が流れるように押し流されていきます。


…ぞっとしました。


自分もまた、その便利な機械に頼って生活をしています。
それを否定するつもりはありませんし、出来るはずもありません。
…分かっています。

でも…

…ぞっとしてしまったんです。



何かを間違ってしまっているんじゃないか、って……



無性に、内田新哉さんが描く自転車を見たくなりました。

こんなイメージを抱いてしまうのも、仕事の疲れからかも知れません。

2年前の4月にも、『そろそろ疲れてきた時に☆』と題して『サウスウインド』(サンリオ)を紹介していましたね。

今日、今、手にしていたのも、まさにその本なのです。

当時も書きましたが、この画集には懐かしく、寂しく、愛おしい…そんな絵が一杯です。

絵の中の自転車が紡ぎ出す、独特な《時間》…

…何だか、ほっとしてきます。
心が絵の中へと溶け込み、広がっていく気がします…


何度も何度も、帰ることが出来る本があるということ。


そんな本と巡り会えているチョコちょこは、きっと幸せなのでしょうね…
2008年7月2日(水) at 20:10