9月22日の日付 / チョコちょこ
日記・その他 > ◇366の覚書◇
赤の日付
ところでわたしはよく自分に訊いてみることがある、これがほんとうにわたしなのか、―パリ=リヨン=地中海線の機関士という辛い勤務についていたわたしと同じわたしなのか、と。
―そして一八六五年の九月二十二日のあの夜、よくもその場で斃れてしまわなかったものだとわれながら驚いている。
・・・・・・・・・・
九月二十二日の夜、わたしは火夫のグラルポワと一緒に一八〇号列車を運転することとなった。
・・・・・・・・・・
この職業で年とった者の中には「赤」のおかげで気の狂った者が一人ならずいるのである。
・・・・・・・・・・
そのとき突然、複線の方で機関車が警笛を鳴らすのを聞いた。
午前の一時にはニュイとディジョンの間に、上りも下りも他に列車はないはずだ。
・・・・・・・・・・
その列車は赤っぽい霧に包まれていた。
機関の銅はピカピカ光っていた。
蒸気は音もなく警笛から噴き出していた。
霧の中二つの黒い人影が運転台の上で動いていた。
彼らはわたしらと向かい合って、わたしらの身振りに応えて同じしぐさをしていた。
わたしらの列車番号は石盤の上に白墨で一八〇号と書いてあった。
こちらに相対して、ちょうど同じ場所に大きな白い板がかけてあり、黒字で〇八一号と記してあった。
・・・・・・・・・・
わたしは右腕を上げた、―するともう一人の黒い男も腕を上げた。
わたしは彼に頭で合図した―向うもこれに応えた。
そしてすぐに、彼がステップのところまで滑りおりるのが見えた。
するとわたしも同じことをしているのに気がついた。
そいつとわたしとが進行中の列車をステップづたいに渡っていくと、A・A・F二五五一号客車の扉がひとりでに二人の前に開いた。
向う側の光景しかわたしの眼に映っていない―それなのに同じ光景がわたしの列車の中でも起っていることを感じたのだ。
この客車には一人の男が横たわっていて、その顔には白い毛織の布がかぶせてある。
・・・・・・・・・・
わたしは自分がその男のそばに行って被せた布を取りのけるのを見た。
・・・・・・・・・・
明けて九月二十三日、コレラはパリを襲った。
ところでわたしはよく自分に訊いてみることがある、これがほんとうにわたしなのか、―パリ=リヨン=地中海線の機関士という辛い勤務についていたわたしと同じわたしなのか、と。
―そして一八六五年の九月二十二日のあの夜、よくもその場で斃れてしまわなかったものだとわれながら驚いている。
・・・・・・・・・・
九月二十二日の夜、わたしは火夫のグラルポワと一緒に一八〇号列車を運転することとなった。
・・・・・・・・・・
この職業で年とった者の中には「赤」のおかげで気の狂った者が一人ならずいるのである。
・・・・・・・・・・
そのとき突然、複線の方で機関車が警笛を鳴らすのを聞いた。
午前の一時にはニュイとディジョンの間に、上りも下りも他に列車はないはずだ。
・・・・・・・・・・
その列車は赤っぽい霧に包まれていた。
機関の銅はピカピカ光っていた。
蒸気は音もなく警笛から噴き出していた。
霧の中二つの黒い人影が運転台の上で動いていた。
彼らはわたしらと向かい合って、わたしらの身振りに応えて同じしぐさをしていた。
わたしらの列車番号は石盤の上に白墨で一八〇号と書いてあった。
こちらに相対して、ちょうど同じ場所に大きな白い板がかけてあり、黒字で〇八一号と記してあった。
・・・・・・・・・・
わたしは右腕を上げた、―するともう一人の黒い男も腕を上げた。
わたしは彼に頭で合図した―向うもこれに応えた。
そしてすぐに、彼がステップのところまで滑りおりるのが見えた。
するとわたしも同じことをしているのに気がついた。
そいつとわたしとが進行中の列車をステップづたいに渡っていくと、A・A・F二五五一号客車の扉がひとりでに二人の前に開いた。
向う側の光景しかわたしの眼に映っていない―それなのに同じ光景がわたしの列車の中でも起っていることを感じたのだ。
この客車には一人の男が横たわっていて、その顔には白い毛織の布がかぶせてある。
・・・・・・・・・・
わたしは自分がその男のそばに行って被せた布を取りのけるのを見た。
・・・・・・・・・・
明けて九月二十三日、コレラはパリを襲った。
『〇八一号列車』(マルセル・シュウォッブ/王国社『少年十字軍』収録)
2008年6月17日(火) at 13:42
今朝のお空と、お花の薫り☆ / チョコちょこ
ブックトークの当日は? / チョコちょこ
本 > ブックトークについて
さて、それではブックトークの当日です。
まずは、話し手の脇に長机を用意しましょう。
そこに、紹介する本を順番に平積みにしておきます。
貸出用の本がある場合には、机の下や床に置いておいてください。
紹介する本を載せたチラシやリストは、ブックトークを始める前に配ってしまっても構いません。
ただ、同じテーマで、紹介しない本ばかりを並べているリストについては、ブックトーク中に別の本に注意が逸れることを避ける為に、全て終えてから配布した方がいいでしょうね。
シナリオに組み込んでいない場合には、まず「ブックトーク」が何かを聞き手に伝えてください。
では、シナリオに従って本を紹介していきましょう。
それぞれの本の紹介の後で「この後、どうなったでしょうね」などと言った際の反応を見て、結末を聞き手が知りたがるようであれば、最後まで紹介してあげても構いません。
“流れ”は大切ですが、読書の“きっかけ”の芽を摘んでまで、シナリオに固執しない方がいいでしょうね。
紹介を終えた本は、順番に、表紙を聞き手に見せるようにして長机に立てていってください。
これは面展用の板を使っても構いませんし、ただ単に本を少しだけ開いて立てるだけでも構いません。
表紙を見せることで、紹介した本のイメージが聞き手の中で固定されていきます。
ブックトークの途中で、聞き手から質問があった場合にはどうしたらいいのでしょう?
“流れ”を遮らない程度であれば、答えてあげてもいいでしょうね。
ただ、“流れ”が乱されそうな場合には、ブックトークをそのまま続けてください。
状況や目的にもよるでしょうが、多くの場合、質問にはブックトークを終えてから答える方がいいようです。
シナリオの最後に組み込んでも構いませんが、ブックトークを終える時には、“きっかけ”へと繋げる言葉がある方がいいでしょうね。
「○○にある本ばかりだから、また読んでみてください」
「△△の本は他にもたくさんあるから、また読んでみて、お友達にも教えてあげてください」
といった感じでしょうか。
最後に、貸出する本があれば、それを長机に出してあげてください。
リストも配ってしまいましょう。
ただ、以前にも書いたように、貸出は強制しないでください。
効果や結果を期待し過ぎないでくださいね!
学校や図書館では、上記のような流れになるかと思います。
では、家庭では?
家庭の場合でも、紹介しようとする本は手近な場所に積み上げておきます。
紹介し終えた本は、立てる必要はありませんが、表紙は見えるようにして並べてあげてください。
先に立てるように書いたのは、教室のような場所ではそうしなくては聞き手に表紙が見えないからです。
でも、家庭ではその必要はありません。
テーブルに置くだけでも構わないのです。
ただ、表紙が見えるようにだけはした方がいいでしょうね。
結末を知りたがる場合には、ぜひ教えてあげてください。
その反応だけでも、“きっかけ”としては充分です。
また、途中の質問にも応えてあげてください。
これも以前に書きましたが、ブックトークは何も特別なものではないのです。
普通の“会話”そのものが(特に家庭では)ブックトークになるのです。
最後は…そうですね。
「他にもいっぱい、図書館には本があるよ」
といった感じで、次へと繋げるのもいいかも知れませんね☆
ブックトークは、普段あまり触れることの無いジャンルの本を多くの人に知ってもらう為の手段です。
その目的の為には「〜しなくてはならない」といったものは、実際には無いでしょう。
その意味では、チラシの上でもブックトークは出来るのです。
勿論、この『チョコちょこ読書雑記』でも出来るでしょうね。
身近なものから、“繋ぎの言葉”で相手が思いもしなかったジャンルの本へと導くこと…
極限すれば、それが「ブックトーク」なのです。
そんな気軽な感じで、様々なスタイルのブックトークが生まれれば、それは《読書》にとってとても素晴らしいことだと思います☆
まずは、話し手の脇に長机を用意しましょう。
そこに、紹介する本を順番に平積みにしておきます。
貸出用の本がある場合には、机の下や床に置いておいてください。
紹介する本を載せたチラシやリストは、ブックトークを始める前に配ってしまっても構いません。
ただ、同じテーマで、紹介しない本ばかりを並べているリストについては、ブックトーク中に別の本に注意が逸れることを避ける為に、全て終えてから配布した方がいいでしょうね。
シナリオに組み込んでいない場合には、まず「ブックトーク」が何かを聞き手に伝えてください。
では、シナリオに従って本を紹介していきましょう。
それぞれの本の紹介の後で「この後、どうなったでしょうね」などと言った際の反応を見て、結末を聞き手が知りたがるようであれば、最後まで紹介してあげても構いません。
“流れ”は大切ですが、読書の“きっかけ”の芽を摘んでまで、シナリオに固執しない方がいいでしょうね。
紹介を終えた本は、順番に、表紙を聞き手に見せるようにして長机に立てていってください。
これは面展用の板を使っても構いませんし、ただ単に本を少しだけ開いて立てるだけでも構いません。
表紙を見せることで、紹介した本のイメージが聞き手の中で固定されていきます。
ブックトークの途中で、聞き手から質問があった場合にはどうしたらいいのでしょう?
“流れ”を遮らない程度であれば、答えてあげてもいいでしょうね。
ただ、“流れ”が乱されそうな場合には、ブックトークをそのまま続けてください。
状況や目的にもよるでしょうが、多くの場合、質問にはブックトークを終えてから答える方がいいようです。
シナリオの最後に組み込んでも構いませんが、ブックトークを終える時には、“きっかけ”へと繋げる言葉がある方がいいでしょうね。
「○○にある本ばかりだから、また読んでみてください」
「△△の本は他にもたくさんあるから、また読んでみて、お友達にも教えてあげてください」
といった感じでしょうか。
最後に、貸出する本があれば、それを長机に出してあげてください。
リストも配ってしまいましょう。
ただ、以前にも書いたように、貸出は強制しないでください。
効果や結果を期待し過ぎないでくださいね!
学校や図書館では、上記のような流れになるかと思います。
では、家庭では?
家庭の場合でも、紹介しようとする本は手近な場所に積み上げておきます。
紹介し終えた本は、立てる必要はありませんが、表紙は見えるようにして並べてあげてください。
先に立てるように書いたのは、教室のような場所ではそうしなくては聞き手に表紙が見えないからです。
でも、家庭ではその必要はありません。
テーブルに置くだけでも構わないのです。
ただ、表紙が見えるようにだけはした方がいいでしょうね。
結末を知りたがる場合には、ぜひ教えてあげてください。
その反応だけでも、“きっかけ”としては充分です。
また、途中の質問にも応えてあげてください。
これも以前に書きましたが、ブックトークは何も特別なものではないのです。
普通の“会話”そのものが(特に家庭では)ブックトークになるのです。
最後は…そうですね。
「他にもいっぱい、図書館には本があるよ」
といった感じで、次へと繋げるのもいいかも知れませんね☆
ブックトークは、普段あまり触れることの無いジャンルの本を多くの人に知ってもらう為の手段です。
その目的の為には「〜しなくてはならない」といったものは、実際には無いでしょう。
その意味では、チラシの上でもブックトークは出来るのです。
勿論、この『チョコちょこ読書雑記』でも出来るでしょうね。
身近なものから、“繋ぎの言葉”で相手が思いもしなかったジャンルの本へと導くこと…
極限すれば、それが「ブックトーク」なのです。
そんな気軽な感じで、様々なスタイルのブックトークが生まれれば、それは《読書》にとってとても素晴らしいことだと思います☆
2008年6月16日(月) at 21:13
『少年十字軍』より / チョコちょこ
本 > 忘れられない言葉たち
時を同じうしてあらゆる地域の村々町々より、
統率者も導者もなき児どもらが、
海の彼方の地をめざし、
心はやりたる足どりにて走りゆきたり。
而して、
何処へ行くやと問わるれば、
イエルサレムへ、
聖地をもとめて、
とかれらこたへぬ。
今日なほ、
かれらが何処へたどりつきしやつまびらかならず。
さはれ多くの児らは帰りきたれり。
かれら、
出奔の理由を問われては、
知らずとこたへぬ。
同じき頃、
無言のまま、
村々町々を駆けめぐる裸形の女どもありき。
統率者も導者もなき児どもらが、
海の彼方の地をめざし、
心はやりたる足どりにて走りゆきたり。
而して、
何処へ行くやと問わるれば、
イエルサレムへ、
聖地をもとめて、
とかれらこたへぬ。
今日なほ、
かれらが何処へたどりつきしやつまびらかならず。
さはれ多くの児らは帰りきたれり。
かれら、
出奔の理由を問われては、
知らずとこたへぬ。
同じき頃、
無言のまま、
村々町々を駆けめぐる裸形の女どもありき。
『少年十字軍』(マルセル・シュウォッブ/王国社)
2008年6月15日(日) at 19:45
リスト作りとか…です☆ / チョコちょこ
本 > ブックトークについて
これ以上、地震の被害者が増えませんように……
今日書くことは、学校や図書館などでブックトークを行なう際には必要な作業ですが、家庭で行なう場合には特に気にしなくていいものです。
シナリオを完成させた後、ブックトークを実施するまでにする作業の一つに、リストやチラシの作成があります。
チラシの作成は、特に他の行事と変わるところはありません。
一方のリストには、ブックトークで紹介する本だけでなく、そのテーマに沿った内容の他の本を載せても構いません。
タイトルと著者名(或いは訳者名・画家名も)、出版社。
それだけではなく、リストを持って借りに行く先…つまり、その本が図書館にあるのか、学校図書館にあるのかも書いておけば、読書への“きっかけ”になるでしょうね。
紹介する本の、読み上げる場所や聞き手に見せる写真、挿絵などには付箋をつけておきます。
シナリオにもページ数を明記して、万が一付箋が外れても慌てずに対応出来るようにしておいてください。
付箋が聞き手に見えることは、何も恥ずかしいことではありません。
本を開いて聞き手に見せたり、演台の前に出て歩きながら話したりなど、動作を取り入れてブックトークをしたいのであれば、シナリオや読み上げるページの文章は暗記しておいた方がいいでしょう。
ただ、高学年向きの本のように、聞き手に見せても文字が小さくて読めない場合には、無理に暗記をする必要はありません。普通に朗読すればいいのです。この場合には、暗記をしなくてはならないような状況…つまり、動作の方を取り止める必要があるでしょうね。
ブックトークで紹介した本を、すぐに借りたがる聞き手もいます。
そのためにも、その場で貸出出来るように準備はしておいた方がいいでしょうね。
ただ、その場でではなく、後になってから読みたがる聞き手もいます。
本を読んだり選んだりすることには、それぞれのペースや“その時”というものがあります。
紹介後の貸出については、あくまでも聞き手の自主性に任せ、強制はしないでください。
ここで…最後の最後で、聞き手を読書嫌いにしてしまっては元も子もないのですから。
ここまでで、ブックトークの事前準備は終わりです。
では、実施当日、気を付けることにはどんなものがあるのでしょう。
それはまた、後日に☆
今日書くことは、学校や図書館などでブックトークを行なう際には必要な作業ですが、家庭で行なう場合には特に気にしなくていいものです。
シナリオを完成させた後、ブックトークを実施するまでにする作業の一つに、リストやチラシの作成があります。
チラシの作成は、特に他の行事と変わるところはありません。
一方のリストには、ブックトークで紹介する本だけでなく、そのテーマに沿った内容の他の本を載せても構いません。
タイトルと著者名(或いは訳者名・画家名も)、出版社。
それだけではなく、リストを持って借りに行く先…つまり、その本が図書館にあるのか、学校図書館にあるのかも書いておけば、読書への“きっかけ”になるでしょうね。
紹介する本の、読み上げる場所や聞き手に見せる写真、挿絵などには付箋をつけておきます。
シナリオにもページ数を明記して、万が一付箋が外れても慌てずに対応出来るようにしておいてください。
付箋が聞き手に見えることは、何も恥ずかしいことではありません。
本を開いて聞き手に見せたり、演台の前に出て歩きながら話したりなど、動作を取り入れてブックトークをしたいのであれば、シナリオや読み上げるページの文章は暗記しておいた方がいいでしょう。
ただ、高学年向きの本のように、聞き手に見せても文字が小さくて読めない場合には、無理に暗記をする必要はありません。普通に朗読すればいいのです。この場合には、暗記をしなくてはならないような状況…つまり、動作の方を取り止める必要があるでしょうね。
ブックトークで紹介した本を、すぐに借りたがる聞き手もいます。
そのためにも、その場で貸出出来るように準備はしておいた方がいいでしょうね。
ただ、その場でではなく、後になってから読みたがる聞き手もいます。
本を読んだり選んだりすることには、それぞれのペースや“その時”というものがあります。
紹介後の貸出については、あくまでも聞き手の自主性に任せ、強制はしないでください。
ここで…最後の最後で、聞き手を読書嫌いにしてしまっては元も子もないのですから。
ここまでで、ブックトークの事前準備は終わりです。
では、実施当日、気を付けることにはどんなものがあるのでしょう。
それはまた、後日に☆




