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第42回『ロスト・イン・トランスレーション』 / 編集部:ジャポネ・タカキ編集部:ジャポネ・タカキ

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『ロスト・イン・トランスレーション』のしゃぶしゃぶ


さて、本日みんなより先にこのリレー連載「おいしい映画」の最終回を向かえるジャポネです。さて、そんな僕が最後にチョイスした作品は、『ロスト・イン・トランスレーション』。マドモアゼルも取り上げた『マリー・アントワネット』の監督ソフィア・コッポラの作品ですね。

全米公開時には、日本語の箇所に字幕はなし。タイトルからも分かるように、“翻訳で失われるもの”を大事にしたかったのが分かります。ということで、もしかすると日本公開の英語字幕がなかったとしたら、また違った見方ができたかも知れません。

互いに理解するということは、言語が通じたとしても難しいことなんですが、言語、つまり、文化が違えばもっと難しくなるのは当然の話。そんな中、とても滑稽な描かれ方をしているのが、ある日のお昼にビル・マーレーがスカーレット・ヨハンソンを誘ってしゃぶしゃぶを食べるシーン。

ファミレスのメニューのように、薄切りのお肉がお皿に盛られた写真を眺めるビル・マーレー。前日に中年のシンガーと大人の関係になっているのに感づかれ、好意的に思ってくれていたスカーレット・ヨハンソンにちょっと心の距離を置かれている状況もあってか、全く楽しそうな食事ではなくなっています。しかも、お肉の違いが全く理解できない。

こっちからしてみたら、とにかく赤くて分厚くて、しかも、ステーキなんて焦げているものを好む方が理解できないなんて思ってしまいますが、そんな違いも考えてみれば滑稽なもんです。相手を認めて、笑い飛ばせれば、なんてことはない面白い話。

なんだかんだ言っても、あんなに鍋が楽しくなさそうなのは、珍しいことだと思います。冬に鍋パーティーなんかをしてしまうジャポネからすれば、カルチャーショックです。そして、やっぱりおいしいモノはおいしく楽しく頂きたいと、思ってしまうシーンでもあり、反面教師的においしい映画と言ってしまいたい作品です。
『ロスト・イン・トランスレーション』
■公開:2004年
■ 監督: ソフィア・コッポラ
■出演: ビル・マーレイ スカーレット・ヨハンソン
2007年8月28日(火) at 16:03