第40回『時計じかけのオレンジ』 /
編集部:リュック・タナベッソン
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『時計じかけのオレンジ』の牛乳
さて、ついに来週でこの「おいしい映画」も終了。リュック・タナベッソンが執筆するのも、今回を含めて2回となりました。さて、今日、紹介する作品は、タナベッソンが映画にのめり込むきっかけとなった、スタンリー・キューブリック大先生の『時計じかけのオレンジ』です。言わずと知れた名作ですね。
ピックアップメニューは、第22回の『レオン』同様、牛乳です。
『レオン』における牛乳の正確な演出意図は分かりかねますが、ジャン・レノ扮する殺し屋の、筋トレと牛乳を欠かさないという設定から牛乳の役割は彼の規則性と肉体強化という、非常に健全たる予想、もしくは殺し屋と言う残虐な職業のクッションみたいなものであったり、さらには血しぶきである赤のコントラスト的な視覚効果、またはダークトーンを基調とした室内の映像にポツッと白色を生えさせる効果であったり、いろんなことが思い立ちます。
ただ『時計じかけのオレンジ』における牛乳は、それとはまったくもって真逆で、どの角度からみても不健全。何せ“麻薬入りミルク”ですから。
だけども、主人公のアレックス(マルコム・マクドウェル)ら不良のたまり場がミルクバーというのは、牛乳好きのタナベッソンにとっては、ちょっと興味をそそられる。
内装はキューブリックらしく前衛的。そこで“ウルトラバイオレンス”な計画を立てながら、グイッとミルクをあおる若者たち。不気味なんだけど、仕事帰りにビールを飲むオジサマたちにちょっぴり似ているよな。
このミルクバーは、白と赤のビジュアルが非常に鮮烈。牛乳は、その白の役目を担っています。
それにしてもキューブリックの配色センスは本当にすばらしい。そこらへんは、実際に観て、感じてください!
『時計じかけのオレンジ』
■公開:1972年
■監督:スタンリー・キューブリック
■出演:マルコム・マクドウェル パトリック・マギー エイドリアン・コリ オーブリー・スミス マイケル・ベイツ


