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10月中旬の下呂・犬山(1) / Shio's Bar

おでかけ・旅 > 10月の下呂・2007
10月のとある土曜日、天気を気にしつつ、下呂温泉に向かって出発しました。

名古屋で新幹線から特急「ひだ」に乗り換え。
左、右に木曽川を見つつ列車に揺られていると、車両の前から半被を着たおじさんと娘さん。
何やらお客さんに配っております。

美濃白川のお茶とのこと。飛騨の白川とは違うのですね。
知りませんでした、そのお茶。
でも、お客さん一人一人に手渡すペットボトル。
気持ちが通じたので、ここで紹介いたします。
関西で手に入るかどうかは知りませんが、見かけたら飲んでくださいね。

さて、そうこうしているうちに下呂温泉到着。
温泉街を散策しましょう。

下呂温泉は日本三名泉の一つ。
ということで、立派な石碑がありました。
三名泉とは、江戸時代に儒学者・林羅山が書き残したもので、草津、有馬、下呂を言うそうです。
おや、国宝天守閣シリーズに続き、三名泉制覇も考えねば。
あとは、草津だけですから。

石碑続きで、白鷺の碑。
伝説では、下呂温泉は白鷺が見つけた湯だそうです。
この春行った三朝温泉は白い狼でしたね。
後は、弘法大師とか、高僧が多いみたいです。
こうして伝説を作ることでありがたみが増したのでしょうね。良いことです。

もう一つ。こちらは温泉街のカレンダーを書き続けた小島功氏の絵が入った碑。
色っぽい河童の絵で有名な小島氏。
湯上りの美女図はお手の物でしょう。似合っています。
実はこれにはスピーカーが仕込まれていて、有線でしょうか、音楽が流れています。


そうこうしている内に肌寒くなってきたので旅館に入ります。
本日の泊まりは、下呂温泉街から外れ、少し山に入った「湯乃島館」です。

まずは、千鳥破風も立派な玄関を。


玄関右手の庭から、本館の建物を見る。
山の斜面を利用した木造三階建ての旅館です。


「湯乃島館」は昭和6年に建てられた旅館。
山肌に沿うように建て増しされ、上のほうにある3階建ての新館が旅館の標示では9階だったりします。


少し館内を探検しましょう。
まず目指したのは、昭和の初期に建てられた洋館。
外観を写すことが出来なかったのでシンボルともいえるサンルームを。

狭い空間ですが、そのおかげでくつろげそうです。

今は会議室として使われている部屋の暖炉。
石組みです。
部屋自体は、昔ダンスホールかパーティルームだったのでしょうかね。


この会議室、サンルームへの階段には、ちょっと和風の丸窓が切ってあります。


少し歩くとマージャンルームが。
ステンドグラスと点数表のアンバランスが楽しい。


マージャンルームの外には、従業員の手作りという足湯があります。


目指したのはローマ風呂でしょうか。

もう少し、歩きます。
出ました、卓球室。タイルが素晴らしい。


洋館の外にもタイルが続きます。


こちらは、家族風呂に向かう廊下のタイル。
ね、モダンですよね。


他にも、階段の意匠や照明に見るべきものが多かったのですが、
それらはまた別の機会に紹介いたします。


さてさて、部屋はどうでしょう。

私たちの部屋は「春慶荘」。
写真中央の茅葺きの屋根の建物が主室です。
右手前の少し下がったところにある瓦葺の建物は、なんと部屋風呂。

部屋の名前の「春慶」とは、飛騨の春慶塗のことです。
ここに宿泊した司馬遼太郎氏が「街道をゆく」でこんな記述を残しています。

『私どもは山の中腹の古格な宿にとまった。
さすがに飛騨の匠のふるさとらしく、みごとな普請だった。とくに部屋部屋がよかった。私がとまったのは品のいい京壁、単純化された遠山の欄間、それに欄間も柱も障子の桟も、ことごとく柿色の春慶塗で統一されていて、おさえこんだ華やぎがある。
「日本文化ですなあ」
心のうきたちをおぼえつつ、須田画伯の部屋をのぞきに行ったり、画伯をわが部屋に招じ入れたりして、柄にもなく束のまの数寄に興じた。』(朝日文芸文庫より)

その「みごとな普請」が見て取れる障子と欄間を。


欄間は三層になっていて、少し色の薄い山の部分ははめ込みです。
それにしても美しい色です。感動ものです。

先ほど書いた部屋風呂に行きましょう。
主室手前の控えの間にふすまがあり、その先になだらかに下る廊下があります。
え、大丈夫?というほど降りていくと、
唐突にすのこを敷いた脱衣場になります。
奥に水道が見えるので、離れ時代はお茶室だったのでしょう。
で、その奥に黒いタイルと檜のコントラストがきれいな部屋風呂。温泉です。
部屋とお風呂の動線が楽しかったので、大浴場と部屋風呂と行ったり来たりで楽しみました。
これは、滅多に経験できない風情。贅沢と言えば、本当に贅沢な空間でした。



さてさて、そろそろ夕食という時間ですが、それは次回に譲りましょう。
第一回めの報告は、ここまで。
2007年11月4日(日) at 16:46