象の背中 (2007年) / smileyface
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「象は自らの死期を察知した時、群れから離れ死に場所を探す旅に出るという」
このキャッチコピーを元に末期の肺ガンで余命半年と宣告された48才の男の
最期の日々を描いた「象の背中」をDVDで。
予想に反して、恐ろしくターゲットの狭い“お涙頂戴もの”であった。
この映画の登場人物は皆、主人公に優しく協力的である。
献身的に尽くしてくれる美しく従順な妻と親思いの子供たちに囲まれ
家庭に決して踏み込まない若く自立した愛人に愛される主人公
病のために退職しなければならなくなったとはいえ、自分が全力を注いできたプロジェクトは
同僚の助けによって一番の部下に引き継がれることになった。
死後の経済的不安は、兄の協力により遺産を分けてもらうことで解消した。
そんな彼がホスピスで迎える最期に涙することが出来るのだろうか
「象の背中」は“象になれなかった男の物語”ではなく
“象になる必要がなかった男の物語”なのである。
ラスト近く、死期の近い主人公が家族と過ごす海岸のシーン
波打ち際で戯れる妻と子供たちなんてのは時代錯誤もいいところだし
娘がチアリーディングを披露するに至っては見ていて痛いだけだろう。
これで「さぁ お泣きなさい」は、ないんじゃないの?
死の病がテーマだからといって泣けるわけじゃない。
家族愛が描かれているからといって感動するわけじゃない。
安っぽいセンチメンタリズムと、作り手の自己満足が透けて見える作品。
とはいえ、役作りのために10kg減量した役所広司の意気込みは高く評価したい。
彼が主人公でなければ最後まで見なかったかも・・・
評価:1点/10点満点中




