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『踊る運転手』 … あとがき (立ち読み) / ウエちゃん

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第一弾の文庫本が大好評なんでシリーズ第二弾の文庫本の発売である。
「第一弾が全国で品切れ続出なんで第二弾を行きますよぉ〜〜〜!」
と深夜明け方に自宅のPCに向かって頼まれ原稿を書いていたら、
幻冬舎の嫌々にウエちゃん担当編集者になってしまった、
ごっつ可哀想な有馬君から e メールが入ってきた。
しかし 『品切れ』 と言っても北は利尻礼文から南は波照間与那国まで、
全国津々浦々の配本なんで地方の書店なんかの入荷は一冊か二冊のはずである。
一人が購入すれば書店の在庫はゼロ。
これってやっぱし 『品切れ続出』 なんやろうか?
数年前の単行本の時は一冊目の発売から二冊目の単行本の発売までには、
ほぼ一年かかっている。
「あっ、そぉ!」 と余裕をこいて鼻くそをほじって股間を掻いていたら、
「発売は二ヵ月後なんで10月10日の朝までには必ず 『あとがき』 を
書いて送って下さい!」
と言うではあぁ〜〜〜りませんかぁ。オョョ。 
っちゅ〜〜〜事で今 『文庫版のあとがき』 を必死のパッチで書いております。
あははははははは…はははのは。

まず読者の皆様に心からのお詫びと訂正です。
2006年10月に 「幻冬舎アウトロー文庫」 から出版をしました、
『笑う運転手/ウエちゃんのナニワタクシー日記』 の初版第一刷に、
驚天動地な世紀の大誤植がありました。
「文庫版のあとがき」 の中で大阪から静岡までの、
「5千円以上超は5割引」 のない通常のタクシー料金が、
『1万5千円』 と記載されている部分が二箇所ありますが、
これは 『10万5000円』 の大誤植です。
「おい、こらぁ!お前かぁ! 静岡まで1万5千円で行く運転手はぁ〜?」
「ほんならちょっと静岡まで行ったらぁんかい! わぁ〜〜〜れぇ!」
「名古屋なら1万円で行けるのぉ、こぉらぁ〜〜〜!」
とヤカラの糞ホゲタを抜かしてけっからないようにお願い申し上げます。
今後はこのような事が無き様に原稿は校閲に校閲を重ね、
妻子眷属が全員打ち揃って一字一字しっかりと声に出して読み、
不惜身命の気構えと堅忍不抜の精神で頑張ります。
また今後は出来る限りに文書中には数字や漢数字を入れないようにと、
心に誓うタクシー運転手のウエちゃんなのです。
ほんまにすんまへんです。



しかし何でこんなにタクシーのお仕事は暇なんやろ?
運転手とか 『手』 が付くブルーカラーの仕事なんかは、
いっぺんもやった事があらへんのに糞ったれの能書きだけ垂れてけっかる、
どっかの大学や経済研究所の交通学や経済学の御偉いセンセらは、
「やっぱりこれは政府と運輸行政の責任と不況でしょうな!」
と鼻を膨らませて胸をこれでもかと反らしてテレビや講演会で、
糞エラソーに言っている。
「こらぁ、机の上で討論をせんとお前が一回タクシー運転手をやってみぃ〜!
事件は現場で起きてるんじゃあい!」
といっつも思うのである。
そんな御偉いセンセの話を聞いた運輸行政担当者や、
羊頭狗肉のタクシー業界関係者は、
「もぉ〜、センセの言う通りでございます!(パチパチパチパチ…)」
と幇間太鼓持ちをしている。
はてさてほんまに果たしてそうなんやろか?

ウエちゃんは陸上自衛隊への企業研修体験入隊。
高野山に比叡山、永平寺や那智の滝に打たれて修行て、あゝ幾星霜。(…遠い目)
そんな厳しい修行を若いときに積んで精進潔斎の精神を会得しているんで、
四時間でも五時間でもタクシーと言ふ閉ざされた二畳ほどの密室の中でも、
確乎不抜な根性を持っていて、(じぃ〜〜〜〜〜〜) と、
オシッコの時以外は耐え偲ぶ事がでける。
タクシー乗り場なんかで長時間の客待ちをしていると、
『待つ』と言う修行が足りないタクシー運転手らが徒党を組み、
烏合之衆となり咥え煙草に灰や吸殻を道に撒き散らして、
「おい、きょうはごっつ、暇やのぉ〜!」
「ほんまやなぁ、なんでこんなに暇やねん!」
と目の前の横断歩道や横の歩道をいっぱい人が歩いているのに、
大声で喋っている夜郎自大な糞バカタレのタクシー運転手を初中後みる。
そんな奴らの思案投首な会話を窓越しに聞いていると、
「今日はこのへんに来とる客はビンボー人ばっかしかぁ!」
「ほれ、そこを歩いとる奴らを見て見ぃ〜、タクシーに乗る顔をしてへんわぁ!」
と大声で平気で喚いている。
他人様の庭先で商売をさせてもらっているのに咥え煙草で、
他人様のお客様に対してワザと聞こえるような、
罵詈雑言の雨嵐霰雹の白眼青眼のタクシー運転手。
ほんまはいっちゃんにビンボ〜なんはそのタクシー運転手ら自身なのだが…。
そんな事なんかは本人たちは全く気が付いていない。
こんな異端邪説な酒嚢飯袋な輩なタクシー運転手を横目で見て、
なんぼそこにタクシー乗り場があったとしても、
か弱い婦女子たち (大阪のおばちゃんは除く) はタクシーに乗って呉れはるやろうか?

関東ではタクシー料金が千円以下の乗客のことを 『ゴミ』 と言う。
どこの誰か分からないタクシー運転手の前科前歴や賞罰も全く不明の、
行きずりの初見のタクシーにわざわざお金まで支払ってくれて、
乗って頂いているお客様を糞エラソ〜〜〜に 『ゴミ』 と呼ぶ。
東京の下町にあるタクシー運転手が食事場所として集まる定食屋やラーメン屋、
ファミリーレストランやファーストフードの店では、
「おっ、お疲れさん! 午前中はどうだった? 長距離あった?」
「だめだょぉ、乗せる客が全部ゴミだよぉ!」
「そうだよなぁ、ゴミしかいないんだよ!」
と言う会話が平気で店内のテーブルを挟んで越えて飛び交っている。
そこはタクシー運転手が千軍万馬に集まるからと言っても、
タクシー運転手様専用の店ではない。
これからタクシーを利用しようとする一般の人たちも利用しているのである。
仕事が終わった店の従業員の人たちもタクシーを利用するのである。
あなたは横でラーメンを食べているタクシー運転手らが乗客の事を、
『ゴミ』 扱いしていてラーメン屋から出てタクシーを利用できますか?
ちなみに関西では関東で言うところのお下品な言い回しの 『ゴミ』 は、
とってもお上品に優雅に 『桁落ち』 と言う。

大阪のタクシー運転手はよく喋る。
そして地方から大阪旅行に来た人たちが来阪する前に思った以上に、
親切なタクシー運転手が多い。
寡黙で口下手なウエちゃんのタクシーに乗り込んで来るお客さんの、
八割前後は観光客なんでそんな話をよく耳にする。
しかしそんなお客さんに 「そりゃ〜、よかったでんなぁ!」 と言ながら、
色々と聞くと親切ごかしの行動のタクシー運転手が多いのにはびっくりしてしまう。
「あれ?来た時よりも帰りのほうが千円も安いよ!」
と言う会話は日常茶めしごとなのである。
海遊館が旅行シーズンになると必ずやって来る片足がちょっとだけ不自由な、
口が上手い身体障害者のタクシー運転手がいる。
何も知らない観光客はそのタクシー運転手のタクシーのボディーに、
ペイントしてある会社名や屋根上の行灯を見てそのタクシー会社が、
全国規模で展開する政財界に深く深く関与していた有名な、
タクシー会社なんで誰もがそれだけで安心する。
その上にこの運転手は足が不自由なのを頑張って仕事をしているので、
純朴な田舎からのカンコーの人たちは二度安心する。
しかしそこがこの身体障害者タクシー運転手の狙い目なのである。
座席に座って前を向いて客待ちをしてお客さんが来たら運転席横のレバーを操作して、
後部座席のドアを開けるだけのタクシー運転手やのに、
なんでお客さんがこのタクシー運転手が、
片足が不自由なタクシー運転手だと分かるのでしょう?
このタクシー運転手は片足が悪いのに大変に親切なタクシー運転手で、
わざわざ外へでドアサービスをする … のではありません。
この悪逆無道のタクシー運転手は普段は足の悪さが仮に 『3』 程度だとしよう。
それがお客さんが来たと分かると突然に足の悪さが 『7』 ぐらいになってしまい、
お客さんの荷物が有る無しに関わらず物凄い歩き方で、
外に出てトランクを開けるのである。
もしあなたがお客さんだったらこの様子を目の当たりに見て、
この運転手に千円ほどの遠回りをされても心の中でどう思われますか?
これがこの身体障害者タクシー運転手の、
槍の名手の俵星玄蕃のような極意の一手なのであります。

こんな事を書くと必ず身体障害者の関連団体から、
「おまえ、えぇかげんなことを書くな!」 とか、
「証拠はあるんか、証拠は…!」 と詰め寄られる。
証拠も本人証言もノートに1冊分ほどはある。
こいつを題材にして小説が1本書けるほどある。
悪事千里と言いこいつの悪行は彼方ら此方らから入ってくる。
それどころかな観光客を騙すのは秀出ていても皮相浅薄で、
ちょっとパ〜プ〜な本人が自慢げにタクシー運転手らを集めて、
さっきはどうやってお客さんを騙したかを演説するのである。
なんか文句があったらナンボでも相手をしたるさかいに、
どっからでもかかって来なさい!

ウエちゃんはタクシー業界人としては珍しく取材拒否のタクシー運転手である。
タクシー業界の中にはテレビや新聞に出たくて出たくて堪らない御人らがいっぱいる。
そんな輩がマスコミに登場すると嬉しくて嬉しくて辛抱と我慢がならへんのか、
近視眼的の考えも無く言ったもん勝ちの実現性の無い大法螺吹き大会になってしまう。
あんな人種と玉石混淆にされては堪らないし恥ずかしくて、
末代までの傷になるので取材拒否を貫いている。
それでも昔からの畏友の関係なんかで頼み込まれて無暗には断りきれずに、
断腸の思いで脱腸を押さえながらどうしても取材を受けなくてはならない場合がある。
色々なタクシー業界の暴露話をラジオなんかですると、
「ほんとに一部の不心得なタクシー運転手のために、
多数の真面目にやっているタクシー運転手さんが可哀想ですよねぇ!」
とよく言われてしまうので困ってしまい、
「いやいやそれは、じぇんじぇん違ゃいますよ!
ほんの一部の真面目なタクシー運転手が千万無量の不心得なタクシー運転手の為に、
迷惑がかかっているんですよ!」
と返答すると、
「またぁ〜、ウエちゃんは話が上手いんだから! 今日は有難うございました!」
と番組を〆められてスタジオから追い出されてしまう。
ほんまのことやねんけど…。
ううぅぅぅぅぅ…。

2006年10月9日
今年の夏が暑すぎて今頃になりヘロヘロの体育の日に。 植上由雄


2007年9月3日(月) at 17:27